カイヤ

 どうも、UniqueMelodyの透明感溢れるサウンドが好きです。カイヤです。

 

さて、エージングもこなれてきましたので今回はUniqueMelody MAVIS/MAVERICKカスタムのレビューをしてきます。

まずはMAVERICK!

MAVERICK-min

 

好きなデザインで作れるのがカスタムIEMの特徴ですが、このMAVERICKに関しては圧倒的にこのデザインが人気です!

もはやMAVERICKと言えばこのデザイン!という印象がありましたのでついつい同じもので頼んでしまいました。。。笑

フィット感はMAVISと同じ耳型から制作しているのですが大きな口径のダイナミックドライバーを搭載しているからかMAVERICKのほうが少し大きめです。

UMはカナルがやや長めに作られるのも特徴です。

遮音性はフェイスにダイナミックドライバー用の穴が開いているので他のカスタムと比較すると気持ち落ちますが、個人的には外の音も少し入ってくるので逆に安心かなとも思います。

ほかのカスタムと比較しなければ全く気にならないレベルです。

 

さて気になる音質ですが、以前りょうたさんとまこがあげている記事

・「唯一無二を目指した」MAVERICK CUSTOM作ってみた!

・【話題の音やいかに】MaverickカスタムでUFとの比較、リケーブルのレビューを書いてみた。

こちらを見返すと二人とも高音の主張が強く低音がタイトで深みがあるという事前情報だったのですが、

私のMAVERICKはバランスで言うと低音が一番張り出してくる印象でした。

二人の印象は私がデモ機に感じていた印象とだいぶ近いものなので、やはりダイナミックドライバーは耳型によって影響を受けやすいのかもしれません。

確定事項ではなくあくまでも個人的な推察ですが、私は耳の大きさ自体は大きめなのでそれだけシェル内部の空気容積が増え、低音の量感に影響しているのかな?と思われます。

後は耳道のカーブもきついのでそこも要因の一つかもしれません。(eA-R38とLightを比較すると第2カーブの手前までしかなく短かく作られているLightの方が明らかに音抜けがよく綺麗に聴こえるのですが、耳道のカーブが緩く太さもあるカスタムスタッフのきくちゃんはLightとでも音は全然変わらないと言っていたので。)

 

脱線してしまいましたが音についてはやはり楽器の音にフォーカスされているというのが第一印象でした!

特にドラムの音は凄まじく生々しい表現で、ドラム専用で買ってしまってもよいと思えるくらい素晴らしいです。

中でもバスドラムの表現は一級品で、ペダルを踏んでヘッド(打面)に当たる瞬間のインパクトからその後のドラムセットで一番大きい本体の振動する様、余韻の表現まで完璧に表現してくれるのですが、これはもはや「再現」と言って良いほどのレベルです。

この低音の重みと切れ味の良さと空気感はユニバーサルのイヤホンを含めても個人的にダントツでNO.1です。

ちなみにVISION EARS VE6X1は重みとキレの2点を極めた低音です。これはこれでとても魅力的な音ではあります。

シンバルの表現も素晴らしく、アタックから余韻の細かいディティールまでしっかり拾ってくれて、抑揚もしっかり表現されます。

ただ中域がこの圧倒的なまでの低域の再現性とそれに追随してブライトな表現をする高域と比較してしまうとどうしても下がって聴こえてしまいます。

勿論悪いということはなく、中域だけにフォーカスを当てて聴くとスネアやギター、ボーカルも普通の標準以上のリアルな表現なのですが他が圧倒的な為、そこのバランスが俯瞰して評価すると気にはなります。

ですがそんなことも些細な事だと感じてしまうほどに低音が良過ぎます。

ここがMAVERICKにはまってしまう最大の要因だと言えるでしょう。

音場は前後の深さがあり上下も広がります。自然で立体的な表現なので不自然さは感じにくいです。

解像度もバッチリ高いのですが、性能面ではなくむしろ楽器本来が持つアタックとリリースのバランス、抑揚を主にチューニングされていると感じます。

楽曲的にはボーカルものよりもやはりインスト系、楽器メインの曲にバッチリ合います!

個人的にはメタル系のサウンドが相性バッチリです!

バスドラムやベースの音階の表現力は半端なく、このMAVERICKでしか体験出来ないメタルサウンドは必聴です。

今までVISION EARSが個人的にメタル一強だったのですが堂々とMAVERICKも選択肢に加わってきました。素晴らしいです。

 

大型のダイナミックドライバーの影響か、鳴らし辛くボリューム位置を上げないとなかなかしっかりなってくれない印象なのでしっかりしたプレイヤーやアンプと組み合わせたいですね。

個人的にはPAWGoldとの組み合わせは抜群にメタル系サウンドに合います。

 

まとめますと帯域バランスこそりょうたさん、まこと印象が違えど楽器にフォーカスしているという点は一致しておりますのでボーカルよりも楽器メインで聴くことが多いという方は是非一度ご試聴下さい!一押しです!

 

さて、MAVERICKの低音楽器表現のリアルさに驚かされている後に息つく間もなく更なる衝撃MAVISがやってきます。

MAVIS-min

 

HighとMidにBAドライバーが一発ずつ、Lowに小口径のダイナミックドライバーが二つ入っているこちらもユニークな構成です。

フェイスプレートにダイナミックドライバー用に2つ穴が開いております。

フェイス穴横-min

ただの穴ではなくフィルターが取り付けられていて空気の流れが最適化されています。(写真底辺部の金属のチューブがフィルター部です。)

この穴からダイナミックドライバーに繋がっています。音漏れは他の機種とあまり変わりません。

実際にかなり大き目のボリュームでみなちょに隣で確認してもらいましたが問題なかったようです。

ただ遮音性に関してはMAVERICK同様他の機種よりも少し落ちる印象です。

 

他の特徴としてはサウンドチューブが全て金属パーツが使われております。

MAVIS 金属チューブ上min

上からだと分かりづらいですね。

MAVIS 金属チューブ横-min

横からだとこんな感じ。

クリアシェルでこの金属のチューブが見えるビジュアルはなかなかかっこよいです。

 

フィット感はMAVERICKと比較するとやや小ぶりですがその分長く着けていても疲れにくいです。

実はMAVERICKが届く前にやってきていたのですがリフィットに出しており、結果的に使い始めるのは後になってしまいました。

 

それはさておき音質はと言いますと、個人的には手持ちであるカスタム6機種程の中で今のところ好みランキングNO.1です!

最大の特徴は音の鮮度の高さ!

生々しさ、リアルさ、臨場感と言い換えられる部分ですが、この点がMAVERICKと等しく素晴らしいです。

MAVERICKでは低域の再現力が特に秀でていましたが、対照的にMAVISは中高域が際立っております。

やや硬めで非常に明るい音でありながらドライな感じではなく、むしろ艶があるタイプの珍しい音色です。

シンバルの余韻の再現性は凄まじく、MAVERICKを越えたそのアタックとリリースの再現性はカスタム界でも随一の物かと思われます。

刺さらないけどしっかり主張があり、しかも消え際までしっかり逃さず耳に届けてくれるこのサウンドはMAVERICK同様唯一無二のサウンドです。

 更に中域、特にボーカルの表現が瑞々しいです。個人的にBA型はボーカルの表現がややドライになり過ぎてしまい、聴く頻度も少ないのですがMAVISは問題なくボーカルも聴けてしまいます。

カスタムの中でもこの表現力はずば抜けているかと思われます。

更にドラムのスネアは硬めで抜けが良いです。

スティックでヘッドを叩いた振動がシェルの部分に伝わりそのシェルの胴鳴りの音で金属製シェルか木製かも判断出来てしまうほどにその再現力は半端ないです。

低音は中高音と比較してしまうと量感が少なくあっさりした印象ですが、質はダイナミックを二つ搭載している為かとても空気感を感じられるのでとても良いです。

バスドラムの音圧自体は少ないですがしっかりペダルで踏み込み、大量の空気が振動しているのが伝わります。

帯域バランスは中高域メインで低音部はあくまでも上を邪魔しないように、ただ質は決して落とさないという印象です。

なのでMAVISだけ聴いていればこの低音の音圧の不足感は感じないのですが他の機種(特にMAVERICK)を聴いた後にMAVISを聴くと低音部がスカスカな印象を受けてしまいます。

冷静に聴き比べればやはり高音部やドラムのスネアなどが目立ちすぎているバランスなのですが、ここはMAVERICKと同じでMAVISだけ聴いていればそんなマイナスな部分も微塵に感じさせない圧倒的な中高域の再現性により気にならなくなってしまいます。

むしろその主張してくる部分の音にどんどん引き込まれてしまいます。

MAVERICKにも言えますがレスポンスの速さ、キレ味の良さと綺麗な余韻、艶という両立するのがとても難しい音の要素をどちらも高次元に成立させている奇跡的なバランスです。

 

音場も立体的で各楽器の位置前後左右上下非常に分かりやすく展開します。

 MAVIS横から-min

ジャンルについてはこのサウンドがはまれば特に選ばないかと思われますが、メタル系でも特にテンポが速いブルデス系やスラッシュメタルのギターリフは完璧で、メタル系と相反するようですがボーカル物にもよく合うかと思います。この相性はMAVISならではですね。

 

ちなみにデモ機よりも実機にしたほうがよりまとまりが出てきて聴きやすいです。

鳴らしやすさはMAVERICKほどではないですが鳴らし辛いタイプにはなります。

 

余談ですがAAW W500AHMORPHのダイナミックドライバー調整を使用して気付いたのですが、ダイナミックドライバーを搭載することによりWAYで低音部を分けていようが高音や中音にも影響が出ることがはっきりしました。

初めはてっきり低音の量感のみが変わるものだと思い込んでいたのですが、実際ダイナミックを動かさないようにダイヤルを絞っていくと低音の量感や質だけでなく中高音の質までも変化し、全体の空気感、音の広がり方などに大きな影響が出ました。

 

このMAVISやMAVERICKもダイナミック特有の空気感がしっかり高音や中音部にも良い影響を与えていると感じます。

どちらも最近の沢山ドライバーを搭載して高音から低音のレンジの広さや圧倒的な情報量や解像度、音の広がりなどのオーディオ的な性能を追求した物ではなく、あくまでも音楽は人間が聴くものであり、数値的なものでなく音楽が持つ魅力を最大限引き出すことを前提に開発されたものという気概が感じられます。

勿論性能が悪いという事は決してなく、結果的にはその音楽性を引き出すことによりオーディオ的な性能面までもがむしろ自然と引き上げられているような印象です。

 

唯一無二なこの二つのサウンドは出来ればどちらも手に入れたい!そう思わせる素晴らしい機種です。

まとめると以下の方に非常にオススメです。

・ダイナミック型の音場の広さ、余韻が好き!

・BA型の音がドライすぎる等の理由でちょっと苦手。

・ダイナミック型の広がりとBA型の繊細さが高いレベルで合わさった物が欲しい!

 

このどれか一つにでも当てはまるかな?と思った方は是非ご検討下さい!

 

更に余談ですがどちらもAutoRosenを貼るとその音楽性が更に高まり、そのリアルさ、再現性、生々しさは比類ないところまで引き上げられます。

PAW GOLD-min

 

カスタムIEM専門店ではお試し用のものをご用意しております。

実機も私のでよければイヤピース着けてご試聴いただけますのでお気軽にお声掛け下さい。

MAVERICKは修理に出していて今手元にございませんので実機の方はまた戻ってきたらブログやツイッターでご案内しますね。

(MAVERICKの写真が一個しかないのはその為です。。。)

 

まだ聴いたことがないという方は正にこのUniqueなMelodyを是非一度ご試聴下さい!

ちなみにカスタムとユニバーサル版で音が違いますのでご注意下さい。

 

以上、余談多目なMAVERICK/MAVISカスタムレビューでしたー!