どうも、カイヤです。
さていよいよ最終章eA-R38/eA-R Lightの製作現場に行ってみた!Vol.3をお届けいたします!
▼前回のレポート記事はコチラ▼
【突撃取材!】eA-R38/eA-R Lightの製作現場に行ってみた!Vol.1
【突撃取材!】eA-R38/eA-R Lightの製作現場に行ってみた!Vol.2
それでは早速出来たてほやほやのeA-R38をみなちょにレビューしてもらいましょう!
▼みなちょレビュー▼
「今回はSHURE用を作製いたしました!SE215に付けましたが、明瞭度がぐっと上がりますね〜。
今まで通常のグレーのゴム製のイヤーピースを使用していましたが、eA-R38を使用する事によりSE215特有の豊潤な低域の量感が少しタイトな鳴り方になり落ち着きます。
それに伴い、Voや弦楽器の音がぐっと前に出るようになり、メリハリが出て来たように思えます。
装着感に関しましては、カスタムIEMに比べると、耳の穴の部分のみになってしまうので最初は苦戦すると思います。
私も装着位置を探す事に苦戦しましたが、なれるとスムーズに着用できるようになり耳とイヤホンの一体化しているような感覚が味わえます。
やはり耳型の影響を受けやすい製品だと思いますが、私は作製してよかったと思います。皆様も是非試されてみて下さい!」
ふむふむ、みなちょは全体的によりメリハリが付いたように感じるようですね。
この辺りの印象は耳の形によって大分変わってくるようです。
▲こちらの写真は私のeA-R38のL側です。
▲こっちがeA-R LightのL側です。
▼カイヤレビュー▼
私の場合はeA-R38だと耳のカーブがキツイ角度が付いてしまっている為か音が少し頭の後ろで鳴る感覚になります。
eA-R Lightの場合だとカーブする前までの部分で終わっているので音が耳のカーブの手前でリリースされてよりクリアーに聴こえます!
音の広がりもしっかり前方に定位して音の輪郭がはっきり聴こえるようになります。
耳道のカーブの角度がキツイ方はLightの方が断然オススメです!
(※耳道が比較的まっすぐな方だと音質差はeA-R Lightと通常のであまり変わらないようです。)
遮音性に関してはeA-R38の方が高いのですが、装着感はLightの方がつけている感覚はあまりなく疲れないです。
SHURE用でeA-R38をご検討頂く際は是非eA-R Lightもご検討下さい!
実際店舗に来ていただければインプレッションを見てeA-R Lightが良いのかどうかもご相談に乗りますよ!
名古屋のあんこちゃんとめーちゃんも比較ブログを上げてくれているので是非チェックしてみて下さい!
→eA-R38とeA-R lightを比較してみた!!!!!!【feat.めーちゃん】
そしてアルトテクス株式会社、杉本社長に色々インタビューさせて頂きました!
アルトテクス株式会社とは?
杉本社長「弊社は主に補聴器、その他関連機器の輸入、販売を行っております。設立して今年で12年ですがeA-R38を製作している技術者は前身の会社からおりまして、補聴器業界で30年間製作し続けているので技術も経験値も十二分にあると自負しています。」
カイヤ「なるほど、とても心強いですね。それでは早速eA-R38のお話しをお伺いしていきます。」
eA-R作ることになったきっかけは?
当店では以前より多くの方がイヤホンのフィット感に悩んでいました。すぐに耳から落ちてしまったり、実際左右で耳の形は違うので左右でサイズを変更したりなどなど。 WESTONEのUM56が唯一のカスタムイヤーピースでしたがもう少し手頃な価格と納期も一か月以内で何とかできないか?そこからアルトテクスさんとeA-R38の製作が始まりました。
eA-Rの名前の由来は?
カイヤ「先ずは名前の由来なのですがアルファベットについてはe☆イヤホンのeとAltotechsのAでearにかけてRも更に読み方はドイツ語読みでエアラとなりましたよね。」
杉本社長「そうですね。更に試作回数が38回で完成したので数字の38はそこから来ています。」
カイヤ「ネーミングに関してはなかなかうまくはまりましたよね。試作回数から察するになかなか苦労されたとは思いますが一番苦労したところはどこでしたか?」
杉本社長「先ず補聴器だと中は空洞で各ユニットを入れてフェイスプレートを接合してという工程ですが、eA-R38の場合は中を埋めた状態に音道管の穴を空ける作業の違いと各イヤホンに合わせた接合部を劣化も考慮に入れてどういったものにするかを試行錯誤しました。」
カイヤ「それこそ既存のイヤホン(SHURE、WESTONE,UE900s)に合わせるパーツが必要になりますよね。」
杉本社長「一番の不安要素はイヤーピースだけが耳の中に残ってしまうことなのでそこは強く意識して製作しています。おおよそ半年間完成までに時間を要しました。」
カイヤ「なるほど。そこは基本ですからね。」
eA-R Lightの誕生秘話
カイヤ「eA-R Lightは、eA-R38発売後カナルのカーブの部分で音が歪んでしまうというお客様からのご意見を頂き、相談させていただいたのがきっかけでしたよね?」
杉本社長「そうですね。ただその部分が補聴器とは全く別の考え方で、補聴器では鼓膜のギリギリまで音道管を引っ張って行って鼓膜と並行になるように音口を揃えて製作しています。そのほうが生の音に近いと言われているからです。」
カイヤ「なるほど、それは初耳ですね。個人的にはカスタムを装着する時わざと手前に添える程度にして装着しています。中に押し込んで装着すると中の空気圧が上がって真空のような状態になり、音楽の空気の余韻や音の広がりが失われてしまうのです。ただしここの音の変化は機種によって変わってくるようですが….。」
杉本社長「なるほど。それは確かに一理ありますね。補聴器でもベント(穴)を使用して内圧を下げて高音を入れやすくする技術があります。ですが音圧が稼げなくなってしまったり、カスタムでは音が漏れてしまうというデメリットもあります。」
カイヤ「ベントはカスタムIEMでもありますね。話を戻すと補聴器とは逆の考え方になりますが挑戦してみようということで製作が始まったのですね?」
杉本社長「ええ、お客様の声にお応えしようということで第二カーブの手前で切ってしまえば音道管の太さも確保できますし音道管のカーブも少なく済みますので製作に取り掛かりました。」
カイヤ「実際デモで製作して頂きましたが、僕はやはりLightの方が自然に音が前方に定位し、高音もeAR-38よりもしっかり聴こえるようになりました。ただこの辺りも人によって聴こえ方が変わるようですね。カスタムIEM専門店スタッフのきくちゃんはLightと38で音の差はないと言ってますし。私のほうがカーブがきついのでその辺りも影響しているかもしれませんね。この辺りはデータがまだ足りませんね。」
杉本社長「そうですね。まずは違いを感じて頂けたようで何よりです。」
今後の展開について
カイヤ「今後はとりあえず対応機種を増やしていきたいですね。」
杉本社長「そうですね。今後のことも考えるとしっかり増やしていきたいですね。実はもう既に研究中だったりしますが。」
カイヤ「それは楽しみですね!完成の連絡お待ちしております!」
最後にメッセージをお願いします
杉本社長「オーダーメイドはやはりフィット感も勿論ですが、思い入れ、製作した人との繋がり等で実際使用してみた意見も頂ければ更に製作者側の技術も上がります。それがユーザーさんにも反映できるので広めていきたいですね。その信念を持って邁進していきますのでよろしくお願いします。」
以上でeA-R38/eA-R Lightの製作現場に行ってみた!Vol.3完結です!
今回の取材では、まず補聴器メーカーさんがいかに耳のことに詳しいのかを思い知らされました。恐らく補聴器メーカーは耳について研究している企業のトップに君臨しているかと思われます。更には間近でクラフトマンの技と工夫を見て商品に対する思いを知り、もっともっと多くの方に知ってもらいたいと思いました。カスタムIEMよりもイヤーピースだけなら簡単に作れるのかな?と勝手に想像していましたが、実はイヤーピースのほうがどんな耳にeA-R38とイヤホン自体がどうはまるのかをしっかり確認しながら作業を進めているのを見て、考えを改めさせられました。透明度はどのカスタムIEMメーカーにも劣ってませんし、30年以上の経験が必要な熟練の技でしかできない外耳カットはカスタムIEMより高度な技術が求められます。手間も時間もかかる手作りだからこそできる品質の違いを是非皆さんにも体験して頂きたいっ!と思いました。e☆イヤホンのオリジナル商品として、お客様の意見を取り入れつつ新しいものをどんどん開発、更には今後もどんどん対応機種を増やしていく予定ですのでよろしくお願い致します。
ちなみにアルトテクスでも直接インプレッション(耳型)採取が可能です!
場所は三軒茶屋から世田谷線へ乗り換え、若林駅から徒歩2,3分ほどです。
環七通り沿いにでるとすぐに建物が見えてきます。
東京メガネさんと同じ建物でアルトテクスは4Fになります。
1Fの受付にてアルトテクスへ訪問の旨お伝えください。
採取料金は¥5,400-(税込み)です。
平日11:00~17:00で事前にご予約頂ければ採取可能です!
SHURE、WESTONE、UE900sをお使いの方は是非こだわり抜いて製作されたeA-R38/eA-R Lightをご検討下さい!
オーダーメイドの素晴らしさを体験しましょう!