どもっ!!e☆イヤホンのたっくんです!

 

 

突如、JH AudioのInstaglamで発表された謎のティザー画像。

 

現地時間3/5 PM12:00に商品情報が解禁となりました。日本時間でいうと3/6 AM2:00!なかなかの時差ですね!ブログにタイマー機能がついててよかった笑

 

 

 

JH Audioといえば、創業者のJerry Harvey(ジェリー・ハービー)さんが有名ですね。海外のイベント視察でお会いしたり、ポタフェスに参加いただいたりもしました。Ultimate Ears時代の名機Triple Fi10(通称:テンプロ)を復刻させて欲しいとアメリカに行って頼み込んで、日本向けに『Tri Fi』を製品化してもらったこともあります。JH Audioはe☆イヤホンの創業すぐから、長くお付き合いをさせていただいているブランドのひとつです。

 

そんなJerry Harveyさんから、日本でただ一人ご指名をいただきまして、JH Audioの新製品をレビュー用にご提供いただきましたので、レビューをしていきたいと思います。ぜひ最後までご覧ください。

 

 

 

その前に、JH Audioについておさらい。


JH Audioとは

JH Audio(ジェイエイチオーディオ)

Jerry Harveyは、ロックンロールの創始者の一人Chuck Berryや、作曲家でありプロデューサーのT-Bone Burnett、そしてラグタイムの王と呼ばれるピアニストScott Joplinなど米国音楽業界のレジェンド達を生んだ、米国ミズーリ州セントルイスで誕生しました。創造的な音楽を作り上げたこの米国中西部でJerryは、音楽とオーディオへ多大な情熱を注ぎながら育ちました。

1994年、インイヤーモニター(以下IEM)は技術的に始まったばかりで、現在の様にステージやツアーでの使用はごく一部でした。Jerryは当時、ハードロックバンドVan Halenのモニターエンジニアとしてツアーに同行していましたが、ドラマーであるAlex Van Halenから、モニタースピーカーに変わる、よりよいモニタリングシステムの提案を依頼されました。Van Halenのアリーナステージでのモニターサウンドを熟知していた彼は研究を重ね、最終的に2way,カスタムIEMをAlex用に設計しました。

そのIEMは、ツアー中に他のアーティストやモニターエンジニアなどで話題となり、やがてJerry Harveyは、自身の会社である「Ultimate Ears」を設立しました。多くのアーティストやツアークルーに向けたIEM製品の開発、販売を開始。Ultimate Earsは、IEM需要も大きくなった業界の標準IEMプロバイダーとなりました。
その後2005年にLogitech(日本名ロジクール)社の子会社となり、Jerryはトップモニターエンジニアとしてステージ用IEM製品の開発を続けました。

そして2007年に新会社となるJerry Harvey Audioをスタートさせました。自身もプライベートパイロットであることから、プライベートパイロット向け通信用インイヤーヘッドセットを3モデル開発。それはIEMと同様カスタムフィットで、その高い遮音性と優れたサウンドにより、耳に負担をかけずに快適で明確な機内通信を実現。その後2010年まで生産を継続しました。

アーティストやモニターエンジニアから、より高いクオリティのIEMを求める声が非常に多くなってきた2009年、Jerry Harvey Audioとして、改めてプロオーディオ向け製品の開発に着手。その後発売となったJH13とJH16は、かつてないダイナミックレンジと位相精度によりプロだけでなくオーディオファイルまでを虜にし、最初の12ドライバー搭載IEMであるSirenシリーズRoxanneと共に、Jerry Harvey Audioの主力製品として世界的な高い評価を得る運びとなりました。

Jerry Harveyとそのチームは、広く普及したRoxanne™IEMをユニバーサルフィットとして発売することで、成長を続けるコンシューマIEM市場をターゲットにしました。 Jerryは長年のカスタムフィット開発の経験を踏まえ、ハウジングの特性を研究した上で、カスタムライクなフィット感とハウジングを40%小さくすることに成功しました。

Jerryは、世界を代表する時計メーカーやタトゥーアーティスト、ナイフ職人などからデザイン的なインスピレーションを得ており、“look as cool as they sound.”と、サウンドだけでなくデザインの重要性も理解した上でIEMを設計しています。カーボンファイバーやチタン、美しく磨かれたステンレススティールなど、音響特性が良くエキゾチックな質感のマテリアルを採用しています。

そして現在、Jerry Harvey Audioは、カスタムフィットIEMを12モデル(Joleneを入れて13モデル)と、Astell&Kernとのコラボモデルとなる、ユニバーサルフィットIEMも数多くラインアップしています。 完璧なサウンドを求め、常に革新を続けるJerry Harveyの探求は今も続いています。

 

 

 

2021.3.6 解禁!『JH Audio Jolene(ジョリーン)』

 

JH Audioの新作『Jolene(ジョリーン)』

 

 

 

『Jolene』は、LaylaやRoxanneになぞって、曲名から名前をとって製品名がつけられていいるイヤホンです。『Jolene』はDolly Partonが1973年に発表した楽曲で、アメリカのカントリーミュージックの殿堂入りをした、Dolly Partonの代表曲とも言える一曲です。僕の知っているアーティストで言えば、サッカーでよく耳にするSeven nation Armyを歌うThe White Stripsや、Miley Cyrus、Pentatonixなどもカバーしており、アメリカでは誰しもが口ずさめるような、広く知られる楽曲の一つです。

 

『Jolene(ジョリーン)』と聞くと、ジョジョの『空条徐倫』を連想してしまうのは、僕だけではないハズ…。

 

 

 

Joleneのドライバー構成がすごい…

内部に組まれているドライバーユニットを正面と後ろから見た画像です。びっちりとドライバーユニットが詰め込まれています。

 

この画像を見て、ハイブリッド構成のイヤホンだという事がわかりますが、『Jolene』は4つのダイナミックドライバーに、8基のBAドライバーを搭載した計12ドライバーのイヤホンです。驚かされるのはダイナミックドライバーの使い方。

 

 

 

ドライバー構成:4Way/8BA+4DDハイブリッド

・ロー20~400Hz:9.2mmダイナミックドライバー×2

・ミッド400~4kHz:4.9mmダイナミックドライバー×2

・ハイミッド4kHz~10kHz:BAドライバー×4

・ハイ10kHz~23kHz:BAドライバー×4

 

ローとミッドにダイナミックドライバーを使用し、ハイミッドとハイにBAドライバーを使用しています。

 

 

 

『D.O.M.E Midrange Enclosure Technology』と呼ばれる、対向配置のダイナミックドライバーは、帯域ごとLOWに2基、MIDに2基がセットになっています。対向ドライバーを使用したイヤホンはありますが、デュアルで使用しているイヤホンは世界初だそうです。

 

 

その他のスペックはこちら↓

インピーダンス:10 Ohms 

感度: 114dB @1mW

周波数特性:20Hz – 23KHz

予定販売価格:¥219,980-(税込)

※国内での販売開始時期は現在未定です。

 

 

 

Joleneを早速開封していきます

ということで、JH Audioの新作『Jolene(ジョリーン)』を開封していきます。

 

 

 

Laylaから続くカーボンのケース。相変わらずの高級感です。

しっかりハマっているので、ケースを引っ張っても取り出せません。

右上の方に出ている紐を引っ張って、スポンジの枠を外して取り出します。

 

 

ケースが取り出せました!

 

側面に名入れがされています。使うのがもったいないくらいの立派なケースです。

 

 

 

Jolene(ジョリーン)本体を見ていきます!

まず目を引くのが、JH AudioカスタムIEMのオプションで選択できるSignature Designsの『Copper Waves』のようなフェイスプレート。写真では伝わりにくいですが、光沢感があります。Copperのプレートに立体的に『Flying Girl』が彫刻されています。

 

それにしても、僕の知っているJH Audioのシンボル『Flying Girl』は、こんな感じだったと思うのですが…

 

『Flying Girl』が想像以上にディティールアップされています。

 

このフェイスプレートのすごいところは、フェイスプレート形状は耳に合わせて、左右それぞれ違うので、片耳それぞれ特注でフェイスプレートを用意している点です。上の写真を見てもらうと、僕の耳型も左右で違うのがわかりますが、違う形状に同じサイズの『Flying Girl』をどうやって入れているのか気になります。カッパーを耳型に合わせて切り出して、レーザーで加工しているんでしょうか…。とにかく宝飾品のような、ディティールの細かさに圧倒されます。

 

 

 

シェルはPREMIUM  OPTIONSの『Copper Swirl』という片耳34,000円のオプション。両耳で68,000円という非常に高価なオプションです。宝石のターコイズの様に、ターコイズブルーにカッパーが混ぜられているマーブル模様のオプションです。よく見ると銅のラメが見え、高級感があります。

 

自分では絶対に選ばなそうな配色なので、人に選んでもらうのも良いですね!

 

 

 

JH Audio最新機種同様の7Pinコネクターを採用。

 

JH Audio最新機種に採用されているドイツ製のミリタリーグレードの7Pinコネクターが採用されています。写真の通りOリングがついているので、汗などの侵入も防いでくれます。4Pinコネクターは回す様に外しましたが、7Pinは引っ張るだけなので、回してしまうと破損させてしまうので、注意が必要です。また、ケーブルはVariable Bass機能のついた、4N銀メッキ高純度OFCケーブルです。10~100Hzの間の低域を付属のマイナスドライバーで調整可能です。本体側のコネクタにカッパーのリングがつけられているのがオシャレです!

 

 

 

イヤモニ史上最大サイズ(!?)のJolene

JH Audioでは、JH13Pro、Laylaを所有していますが、『Jolene』の大きさに驚きました。

 

ダイナミック4基+BA8基という構成のため、本体が大きくなるのは当然ですが、僕の所有しているカスタムIEMの中でも、ダントツで一番大きいです。

 

コネクターの位置に注目してみてください。耳の中に納まる部分はそこまで大きな差は無いですが、コネクター部分からフェイスプレート方向に本体が拡張されています。

 

 

いざ装着。

かなり耳から飛び出します!!

 

僕の所有しているLaylaは初代のため、コネクター形式が違うので一概に比較はできませんが、Laylaと比べても1.5倍くらい大きい気がします。

 

めちゃくちゃデカい!

 

 

 

Joleneをきいてみた

ということで、JH Audioの新作『Jolene』を聴いてみました。

 

試聴はPCからMarantz HD-DAC1に接続しfoovarで再生。Variable Bassはセンターにして試聴をおこないました。世代をそろえるために、試聴ではLayla AION(ユニバーサル)と比較してみました。

 

JH Audioは、黎明期から多くのBAドライバーを組み合わせて用いてきたこともあり、ネットワークの使い方が非常に上手な印象を持っています。そして圧倒的な情報量と、とにかく濃密なサウンドを鳴らすイメージがあります。Joleneもかなり濃密なサウンドで、ローからミッドに重きを置かれたイヤホンだと感じました。FANTASTIC SUB-BASS PUNCHと評されている通り、超低音がしっかり再生できていることに加え、ベースラインの滑らかさが気持ちよく、僕の持っているイヤモニと比較して、低域の再現力はズバ抜けていると感じました。Variable Bassがセンター位置でもしっかり量があるので、さらに低域を増す方向に振ると、低域過多になりそうです。Laylaと比較すると、Joleneの方が低域に厚みがあり、超低音の部分もJoleneに軍配が上がる様に思います。

 

中域は情報量が多く非常にリアリティがあります。諧調が非常に滑らかなので、Pentatonixなどのボーカルだけの楽曲は非常に気持ち良いです。比較的しっとりとした音なので、アコースティックな音源との相性が非常に優れている様に感じます。Laylaと比較すると、よりウェットでリアルに近い表現がされているように感じました。Laylaの方がボーカルの距離が近く、音のレイヤーが多いサウンドの印象です。Joleneは音を細かく分解するのではなく、良くも悪くも極端に音を細かく分離しないまとまりのあるサウンドでした。この辺りは好みが別れるかもしれません。

 

高域は中低域と比較すると存在が薄めな印象です。全体的に柔らかい音なので、高域側が刺さるようなサウンドではなく、あくまでナチュラルな印象です。Laylaはクッキリと高音が出るので、高域ではかなり違いを感じました。音のヌケの良さならLaylaが優れており、見通しの良い印象でした。Joleneは抜けの良いスッキリ系やメリハリ系のイヤホンというわけではなく、どっしり重厚感のある当たりの柔らかいサウンドだと感じました。

 

 

総括すると、JoleneはLaylaとは正反対に位置するイヤホンなのかもしれません。Laylaは近代的なサウンドのイメージで、どんなサウンドも細かく分解して鳴らすのに対し、Joleneはどこか昔懐かしいアコースティックなイメージがあり、音の柔らかさや諧調の滑らかさを追い求めたサウンドに聴こえました。どちらかというとLaylaよりも、初代のRoxanneが近しいサウンドかもしれません。最後にVariable Bassを最大にして聴いてみましたが、LaylaよりもJoleneの方が低域の量感の増し方が多く、量は多いのにバランスが破綻せず、低域好きには極上のイヤホンだと思いました。

 

 


ということで、JH Audio Joleneのレビューでした!

日本での発売時期などは、まだ未定とのことですので、続報をお待ちください。

 

 

 

今回はJerryさんからご指名を頂き、JH Audioの最新イヤホンをレビューさせていただきました。初めて買ったイヤモニが、e☆イヤホンに入社して間もない頃に手に入れた『JH13Pro』だったので、JH Audioは思い入れのあるブランドの一つです。当時はBA6基が最多ドライバー数で、憧れのイヤモニを手に入れ、これでイヤホン沼から卒業できると思っていましたが、ハイブリッドのUM Merlinが出てきたりと、結局沼から出ることは出来ずに、沢山のイヤモニを買う羽目になったのを思い出しました。

 

 

YoutubeにJH Audioのラボツアー動画が上がっていました。

コロナが落ち着いたら、またJH Audioのラボにお邪魔させてもらおうと思います。

 

以上、たっくんでした!

 

PS.Jerryさんありがとうございました!