どうも、皆さんこんにちは!eイヤホン大阪日本橋本店の、ののです!
先週から連載が始まった
【モニターイヤホン/ヘッドホンってどんなのを選んだらいいの?】
のブログ。もう第3回を迎えました。
過去の連載はこちら!
【連載・第1回】
【モニターイヤホン/ヘッドホンってどんなのを選んだらいいの?】そもそも「モニター用」って何?
【連載・第2回】
【モニターイヤホン/ヘッドホンってどんなのを選んだらいいの?】ステージ用のイヤモニの選び方
そして今回のお題は、こちら!(ドドン
楽曲制作用のモニターヘッドホン
「モニター用のイヤホン・ヘッドホン」の中では
店頭で一番よく問い合わせをいただくジャンルですね。
(「楽曲制作用にオススメのイヤホン」については次回の連載にて!)
趣味での制作だけでなく、音楽学校で必要という方や、
パソコンを使って作る音楽である「DTM」
(デスクトップミュージック)をされている方など
幅広い層が求められているタイプのモニターです。
連載・第1回となる【そもそも「モニター用」って何?】
の回では、制作用はざっくりと分けて
「REC用」と「MIX用」の2パターンがあると話しました。
(第1回でも念押しましたが「ざっくり」とした区別です。)
ご接客していると、これらの用途が明確に限定されていたり、
逆に「まぁレコーディングもするし、ミックスもします。」
と仰られる方もいらっしゃいますね。
今回は、
・REC用にオススメ
・MIX用にオススメ
・REC&MIXの両方で汎用的にオススメ
の3パターンをご紹介したいと思います。
今回は特に記事が長いので、
結論だけ見たい方は最後までスクロールですっ飛ばしてください。笑
…で、本題に入る前に、
明確に説明しておかなければならないことがあります。
「音が”フラット”である」とは?
「フラット」とは、平坦なこと、起伏がないことです。
このイヤホン・ヘッドホンの業界では、
音のバランスが高音から低音まで、聴感上平坦なこと、
というようによく解釈されます。
そして、その「何がどうなっていれば平坦と言えるか」が
人それぞれ感覚的な基準が違ったりするややこしい言葉です。
ですが、これはモニターヘッドホンを語るうえで
決して避けて通れない概念なので、
本記事の中ではあえて以下の通り定義し、使用していきます。
(「フラット」はこの意味で使いましょう!という啓蒙ではないです。)
【フラット】
当該イヤホン・ヘッドホン・スピーカーで制作した楽曲が、
他の様々なスピーカーやイヤホン、ヘッドホンで再生しても
概ね製作者のイメージ通りに仕上がるような音のバランス。
(※本記事内においての「フラット」の定義)
既にご存知の方も多いかと思いますが、
そうしたフラットなバランスのヘッドホンは
モニター用としてオススメされるケースが多いです。
そして本記事においても「フラットな」ものをご紹介します。
それがなぜなのか、今一度ちゃんと理由を説明いたしますね。
よく誤解されるのですが、制作用ともなると
「フラット」でなければならない決まりのようなものは無く、
実はどんなイヤホン・ヘッドホンでも理論上は使えます。
例えば、「低域がゴリゴリに出るヘッドホン」があるとします。
これを基準に楽曲を制作するとどうなるでしょうか?
普通に考えたら、
低域がたくさん出るヘッドホンをモニターとして使って
「聴感上はリニアな音のバランスの曲」を作ってしまうと、
他の製品で聴いたとき、低音がスッカスカになる
と思いますよね?まぁ、たぶんそうなるでしょう。
今度はこれを、「このヘッドホンは低音が出る」
という前提を意識において制作を行うとどうでしょう?
~
・低音が出るヘッドホンでは、このくらいの低音
・モニタースピーカーで聴いたときに、このくらいの低音
・日本中どこのスタジオにもある定番モニターヘッドホン
「MDR-CD900ST」で聴いたときに、このくらいの低音
~
この感覚をもって楽曲制作ができれば、
たとえ低音が強く出てフラットでないヘッドホンでも、
制作は可能、ということになりますよね。
ところが、これを実際に行うには大変難しい業であるというか、
経験が必要となってくるんですね。
なぜなら、自分のヘッドホンの特性をよく理解し、
他の環境で鳴らす音も知らなくてはならないためです。
とても初心者向きなやり方とは言えません。
だからこそ、楽曲制作用のモニターヘッドホンには
フラットな傾向のものがおすすめされるんです。
他の再生環境とのギャップを埋めやすい
平坦な音のバランスのヘッドホンなら、
まだ経験が少ない初心者の方でも安心して制作できる。
本記事でもそうした「フラットである」という観点を中心に商品を抜粋し、
そしてそれぞれにどんな違いがあるのかを交えつつ紹介していきます。
REC用ヘッドホンのオススメ
では、レコーディング向きのヘッドホンから見ていきましょう。
レコーディング用途に限る場合は
高価で高性能な製品でなければならないということは比較的少なく、
「コストパフォーマンス」を気にされる方が特に多いジャンルでもあります。
そしてレコーディング用にヘッドホンを選ぶとき、
概ね以下のような特性があると望ましいと言えます。
①頑丈であること
…ただの音楽鑑賞に比べ、アクティブな運用となるため。
②音漏れが少ないこと
…漏れた音が録音に混じるのを防ぐため。
③側圧が強めでズレにくいこと
…ズレると余計な音や音漏れが発生したりする。
④ケーブルが長いこと
…機器に接続するため、おおよそ3m前後がよい。
⑤ピッチを捉えやすいこと
…音程を正確に捉えて演奏しやすくするため。
⑥ノイズやクリップ音を確認しやすいこと
…録音した素材が良いものかモニターするため。
連載・第1回では、レコーディングのモニターヘッドホンは、
「良い音が撮れているかを見る」ことも大事だと書きました。
先程の6つのポイントの中で、
最後の「⑥ノイズやクリップ音を確認しやすいこと」
にある”クリップ“というものも、音の良し悪しに関わるもの。
録音において”クリップノイズ”とは、
「入力が大きすぎるために録音しきれなかった部分」が
ノイズとして表れたものを言います。
要はデジタル処理しきれなかった部分ですね。
録音をする場合は音をマイクに入力しますが、
入力の仕方が適切ではないために
フルビット(≒録音できる限界)である0dBを超えてしまうと
「録音されていない部分」が一部発生してしまいます。
このクリップノイズを正確な特性のヘッドホンでモニターすると、
僅かにですが「バリッ…バリッ…」などといった音割れ現象を確認できます。
これをしっかりモニタリングしながら作業することで
録音した直後の時点でノイズを把握し、録音方法を再調整できるので、
音源という「素材」を良いものにするために大切な要素ですね。
では、実際にどんな製品があるか、
「REC用ヘッドホン(MIXには使わない)」の例を見てみましょう。
MDR-CD900ST(SONY)
この記事の最初の方でもちょろっと名前出ましたが、
どこのスタジオにも置いてある製品ですね。
業界で定番中の定番です。
eイヤホン店頭でも、ご来店いただいたお客様の第一声が
「すいません、ソニーのモニターヘッドホンください。」
で始まることも珍しくないほどの定番製品。
なぜ業界標準なのかというと、その理由の一つは
保守点検用の交換パーツが充実していることですね。
MDR-CD900STのパーツはほぼ全部、販売してます。
どこが壊れようと、直せない症状は実質ありません。
長年販売され続けており、その上壊れてもすぐ直せる。
このMDR-CD900STが業界で他の追随を許さない強みです。
構造の造りから修理が容易なので改造もしやすく、
MDR-7506のパーツを使用して折りたたみ化もできます。
特に女性の方だと、小さなバッグにMDR-CD900STを詰め込んで、
という持ち運び方をされている方も店頭で見るのですが、
折りたたみ化の改造も施せる機種です。是非ご検討ください。
eイヤホンではMDR-CD900STの交換パーツを販売しており、
詳細はリンク先を参照ください!
さて、MDR-CD900STですが、
モニターヘッドホンとしては、
中音域、とりわけボーカル帯域の解像度が抜群に良く、
ボーカリストのレコーディングではまさにマストチェック!
アニソンを好む方がリスニング用に求められるのも頷けます。
一方、ミドルあたりの見通しの良さに対して、
他の製品と比べサブベースは見えにくい特徴もあります。
業界標準なことからミックスでもよく使用されますが、
目的や楽曲ジャンルによっては他の選択肢もあるかもしれません。
「これを使うのが正しい」とかではなく、
「どこのスタジオにもあるから、知っておくべき音である」
という認識に近いものと思っていただければと思います。
もっとも、考え無しにこれを選んだとしてもおそらく後悔はしない、
MDR-CD900STはそれほどの代物ではないでしょうか。
HA-MX100V(JVC)
ボーカルの細かなニュアンスの聴き取りやすさはもちろん、
低音域側に芯のある鳴りが感じられ、
用途や好みによってMDR-CD900STと区別できるでしょう。
MDR-CD900STほど保守点検に優れるわけではありませんが、
ボーカリストだけでなく、オールジャンル向いた良きライバル。
ちなみに、MDR-CD900STは初めから標準プラグになっており、
しかもミニプラグへの変換アダプターは付属していませんが、
このHA-MX100Vはミニプラグがデフォルトで、
標準規格への変換アダプターが付属しています。
TH-02(TASCAM)
レコーディングだと、「予算がほんの少ししかない…」
という例もたまに見かけます。
そんなときは、こちらの「TH-02」。
低価格なインターフェースで有名なTASCAMのヘッドホンです。
ケーブルが3mだったり、側圧の強さもしっかりしていたり、
折りたたみで持ち運びやすかったりと、
欲しい要素を兼ね備えた上で、このお値段。
中低域が見やすい以外、全体的に見て誇張された帯域が少ないです。
かなり安価なものをお探しなら、基本これがオススメです。
MIX用ヘッドホンのオススメ
続いて、ミキシング用のヘッドホンについてみていきましょう。
録音された音や、既に用意されている音源データを複数用い、
混ぜて1つの音源にする作業のことですね。
マイクを使わない録音のケースのオススメ製品に関しても、
この「ミキシング向けのヘッドホン」に当てはまる製品が多いです。
ミキシング用のヘッドホンには以下のような特性が求められます。
①解像度が高いこと
…現代の音楽はダイナミックレンジ(音の大小)
が非常に広いものが多いほか、
音源に収録される音の数も増えてきているため。
ただし、人によって必要とする許容度は異なることが多い。
②音のバランスがフラットな傾向であること
…他の再生環境とのギャップを小さくするため。
ヘッドホン自体の「音色」に関しては好きなものでよい。
③長時間の使用でも疲れにくいこと
…作業が長時間に及ぶ場合が多いため、音質・装着感ともに考慮したい。
④分離感がはっきりし、PAN振りに対して素直なこと
…パンニング時に左右それぞれの音の距離感を捉えたりするのに必要。
⑤低音域を見やすいこと
…指向性が弱い帯域である低音域部分をしっかりモニターすることで、
据え置きスピーカーやスマートフォンの小型スピーカー、
イヤホンなど、いずれで再生したとしても
違和感のない低域に仕上げたいというニーズであれば重要。
⑥音が歪みにくいこと
…これは信号の入力の受け入れが大きいことをいう。
どうでしょうか。
一言で「モニターヘッドホン」といえど、
REC用とはまた異なるタイプだとわかるかと思います。
長時間使っていても疲れにくく、解像度が高いもの、
という点で、開放型ヘッドホンが選択肢に出てきます。
そう、ミキシングのみであればマイクを使わないため、
状況によっては開放型のものを選んでもいいのです。
ここが後述の”RECもMIXもいけるヘッドホン”との最大の違いです。
また、「④分離感がはっきりしており、PAN振りに素直」
の”PAN(パン)”とは、MIXにおいては音の定位のことです。
それを「パンニング」するとは、左右や中央(センター)へ
それぞれの音を振り分ける作業のことですね。
PANを左右に振ることで、センターの音は主役となります。
そして、このセンターの音を、
正確に「センターの音」として捉えて聴ける製品が
ミキシング用ヘッドホンとして優秀ということなのです。
では、実際にどんなものがあるのか、
これらの条件からオススメの例を見ていきたいのですが、
自分が使う範囲の周波数がスペック上カバーされているかを
気にされる方もいらっしゃいますので、そちらも一応表記します。
(※当然ですが、「再生周波数帯域」というスペック項目は、
特定条件で信号を入力してここからここまで音を測定できました、
というスペックであって、その数字と数字の間で
何が起きているかに関しての説明ではないのでご注意ください。)
なお、以下のオススメ製品で挙げるメーカーのうち、
・audio-technica
・FOSTEX
・AKG
の3つのメーカーの製品は、
バンド系の楽曲のMIX用でウケがよいことが多いので、
そういった楽曲を作られている方は
メーカー単位でいろいろ試聴されるのもよろしいかと思います。
ATH-R70x(audio-technica)
再生周波数帯域:5~40,000Hz
オーディオテクニカから発売されている、
プロ向けの開放型ヘッドホンです。
スペック上のインピーダンスはかなり高いですが、
PCなどでも聴感上はそれなりな程度に音量は取れます。
また、アンプの音色の影響が出にくいほうなので、
いろんな環境で鳴らしても「R70xの音」は出るでしょう。
低音域の量感がふくよかで音色もゴージャスですが、
よく聴くと鳴りはかなり正確で聴き疲れもしにくい製品です。
個人的な推しは、頭にのっかる「ウィングサポート」。
ヘッドホンの重量を軽く感じさせてくれます。
つまり音質・装着感ともに疲れにくいです。
しいていうならヘッドバンドがやや浅いため、
耳が大きい方にとってはどうか、といった程度でしょう。
T60RP(FOSTEX)
再生周波数帯域:15~35,000Hz
FOSTEXの平面駆動型ドライバーのヘッドホンです。
ヘッドホンのスピーカー部にあたる「ドライバー」を
平面的に動かして音を発することから、
ムラがなく位相も正確に鳴ってくれます。
数万円クラスの平面駆動型の中では、
トランジェント(音の立ち上がりや下がり)が特に正確で、
音の輪郭が手に取るようにわかります。
全体的なバランスも、気持ち高域寄りな気もしますが、
かなりフラットな傾向かと思います。
スペック上の最大入力レベルも
3,000mWと非常に受け入れが大きいです。
ただ、このヘッドホンは鳴らしにくく、
かなりの出力を必要とするので、接続する機器にはご注意ください。
同じFOSTEXで値段的には下位となる「T50RP」は、
T60RPと比べると低音域は見やすいと感じられます。
K712 PRO(AKG)
再生周波数帯域:15~39,800Hz
AKG(アーカーゲー)の開放型ヘッドホンです。
オープン型らしい広い音の空間を造り出すタイプですが、
決して捻じ曲げて作ったような広さではなく、
1つ1つの音も非常に明瞭でセパレートがよいため、
PANも捉えやすいヘッドホンでしょう。
ポイントは、イヤーパッドが非常に大きく、深いこと。
「ヘッドホンに耳が当たるのが絶対にイヤ!」
という方には是非一度試していただきたい製品です。
ちなみにAKG「K702」も単純な解像度では劣りますが、
こちらもミキシング用にオススメです。
HD 569(SENNHEISER)
再生周波数帯域:10Hz~28kHz
SENNHEISERの密閉型のヘッドホンです。
HDシリーズでは数少ない密閉型タイプですね。
密閉型ながらも閉塞感を覚えにくい圧巻のサウンド。
立ち上がりは少しゆっくりしているので、
音のフォーカスはきつくありませんが、その分聴き疲れしにくく、
広めの空間表現の中で定位も把握しやすい製品です。
PCに直接接続して音量は必要十分にとれますので、
鳴らしやすいヘッドホンをお探しの方にもオススメ。
RECもするしMIXもする!そんなあなたへのオススメ
「レコーディングだけでなくミックスもします」
そんなあなたには、例えば以下のような製品がオススメです!
レコーディングを前提としているので、
ミックスだけできればよいという場合とは異なり、
基本的に密閉型ヘッドホンから選ぶことになるかと思います。
(※マイクを使用しないレコーディングを除く。)
MDR-7506(SONY)
再生周波数帯域:10~20,000Hz
前述の「MDR-CD900ST」と形状の規格が近いヘッドホンです。
というか、MDR-CD900STに折りたたみ化の改造を施すと、
ヘッドホン本体の形状や使い勝手はほぼ同じになります。
音質に関しては、MDR-CD900STとは意外と違います。
CD900STと比較して「④分離感がはっきりしており、PAN振りに対して素直」
「⑤低音域を見やすい」という2点がやや優れているかと個人的に思います。
ミドルあたりの細かな音の鳴らし分けはCD900STがリードする印象ですね。
MDR-7506は一歩引いてサウンドステージを見渡すような感じなので。
注意点としては、カールコードなことです。
たとえばギターの録音をするときに、
弦やシールドケーブルにヘッドホンのコードが絡まりやすいかもしれません。
環境によってはいっそMIX用として考えたほうがいい場合もありそうです。
MC-250(MACKIE)
再生周波数帯域:10~20kHz
ミキサーでお世話になっている方も多いかと思います。
MACKIE(マッキー)というメーカーの製品ですね。
鳴り方が正確無比さを重視して作られており、
ノイズを見逃さないサウンドチューニングです。
ダイナミックレンジも広く、音源に対する忠実性は高いですね。
定位感の良さも価格帯トップクラスと言えます。
低音域側のキックの見通しを重視される方には
僅かに量感が少ないと思われるかもしれませんが、
費用対効果は極めて高いヘッドホンでしょう。
下位価格の「MC-150」と比べると、
「MC-250」のほうが音像に対するフォーカスがキツめです。
もう少しサウンドステージ全体のバランスを見渡したいときや、
ヘッドホン自体の低域の量感を引き上げたいときなどは、
「MC-150」と好みでご選択いただいてもいいかと思います。
ATH-M50x(audio-technica)
再生周波数帯域:15~28,000Hz
audio-technicaの定番モニターヘッドホンです。
1.2mストレートコード、1.2mカールコード、
3mコードの3本が付属するという至れり尽くせりな仕様。
標準変換プラグとポーチも付属します。
これ1つのパッケージで様々な環境に対応できます。
音質面では解像感も十分あり、全体のバランスが非常に良い。
やや前方定位的でサウンドステージも広く、
低音域部分もレスポンスが良いためモニターに向いています。
1つ1つの音像が際立つMACKIEの「MC-250」と比べ、
もう少しゆったり俯瞰的に全体を見渡せます。
先のREC用で挙げたMDR-CD900STとは、
価格帯が似ている上にイヤーパッドの規格がほぼ同じ、
そして「モニター」の名を冠するだけによく比較されますが、
低域側に関してはこのM50xのほうが見やすいです。
今まで安いヘッドホンでしか曲を作っていなかった方に
このATH-M50xを試聴していただいて、
「自分の曲がどんな仕上がりか、よくわかりました(笑)」
みたいなことを仰っていただいたことは何度かあります。
T3-01(TAGO STUDIO TAKASAKI)
再生周波数帯域:5~40,000Hz
こだわる方にこちらもご紹介したいです。
TAGO STUDIO TAKASAKIのヘッドホン。
楓の木材を使ったハウジングが目を引きますが、
非常に堅実な音作りで、生音の再現性は随一!
低域の量感そのものはわりと普通なのですが、
「ローがどんなふうに鳴っているか」など、
輪郭を非常に捉えやすい正確な低音域になっています。
解像度は欲しいけれども分離感が強く作られているのはイヤ、
という方にはこういう音も良いかもしれません。
イヤーパッドやケーブルだけでなく、
ヘッドクッション部分も販売されているので、
保守点検用のパーツも充実している部類です。
まとめ
さて、いかがでしたか?
初心者の方が新しくモニターヘッドホンをご検討される場合、
だいたい次のような要素を重視すれば大丈夫!という話でした!
【レコーディングの場合(REC)】(※マイクを使用するケース)
①頑丈であること
②音漏れが少ないこと
③側圧が強めでズレにくいこと
④ケーブルが長いこと
⑤ピッチを捉えやすいこと
⑥ノイズやクリップ音を確認しやすいこと
【ミキシングの場合(MIX)】(※生音は収録しないRECを含む)
①解像度が高いこと
②音のバランスがフラットな傾向であること
③長時間の使用でも疲れにくいこと
④分離感がはっきりしており、PAN振りに対して素直なこと
⑤低音域を見やすいこと
⑥音が歪みにくいこと
これらの条件を総合的に考えて選べば、
RECからMIXまで汎用的に使えるような機種も複数以上存在します。
一方、レコーディングのみであれば安価な製品を検討できたり、
ミックスのみなら開放型ヘッドホンを選択肢に含められたりと、
自分に必要な要素をしっかりと決めたうえで製品選びができたほうが
最適なパートナーが見つかる可能性は十分にありますね。
オススメの例として挙げた製品はあくまでも一例で、
来店してご試聴頂ける環境の方は、
じっくり聴き比べて選んでいただくのがよろしいかと思います!
それでは、本日のお題に関してはここまで!
次回の連載は【楽曲制作用のイヤホンのオススメ】をお送りします!
今回のお題の延長線上なのですが、
長くなりすぎたためヘッドホンとイヤホンで分けました。
ちなみにその第4回が実は最後です!笑
連載を順番に読んで頂いている方は、
最後までお付き合いいただければ最上の喜び!
次回の記事をお楽しみにお待ちください!
eイヤホン 大阪日本橋本店の、ののがお送りしました!
e☆イヤホンの”のの”です!元配送事務、大阪日本橋本店スタッフ。
ゲーム大好き、ゲーム音楽大好き。
アコースティック系のインストをよく聴きます。
愛機はPLENUE 2/KL-Lakh、UE Pro Reference Remasterd。