どうも、大阪日本橋本店の、ののです!
突然なんですけれども…皆様、
e☆イヤホン 大阪日本橋本店の2Fに、
防音室が設置してあることはご存知でしょうか?
いろんな使い方ができますが、よく見るのは開放型のヘッドフォンの試聴、
とりわけ周囲の空気の揺れがダイレクトに音質へ影響するような製品などを
試聴される場合にもよくお使い頂いています。
静かな室内なので、自宅の環境に近い形でご試聴いただけるかと思います。
防音室は予約が必要などの制約はなく、ご自由に使用していただけますよ!
ところで、この防音室、中に入って頂けると一目瞭然なのですが、
実はもう一つの顔があります。
それがこちら。
2019年6月現在、e☆イヤホン全店統一でちょうどその特集も組まれているので、
コーナーの上部にまんま内容が書いてあるのですが、
この防音室の中に作られている試聴コーナーは
モニターヘッドホン
を特集したものになっています。(※コーナー展開は時期により変化いたします)
試聴用にノートPC、さらに据え置き製品用に電源も完備。
大阪の日本橋という地理関係で、
当店も業務用や学校用などにモニター用のヘッドホンを探しに来られる方もちらほら。
そうした方々をご接客しておりますと、
やはりヘッドホンの多種多様さにお困りな方が多いですね。
大阪の店舗で働いているだけでもそういった方をよくお見掛けするのだから、
日本全国見渡せば、困っている方はもっとたくさんいらっしゃるのでは??
というわけで、今回、ヘッドホンはもちろん、イヤホンも含めて
モニター用製品の選び方を特集します!
まずは、「モニターを必要とされている方」のために、
そしてその過程で、モニターというものが具体的にどんなものなのか、
一緒に説明していければと考えています。
予算はだいたい、店頭の接客で実際によく質問される価格帯、
おおよそ1万円前後から数万円程度を前提に。
(たぶん1回では収まりきりませんので・・・)
連載という形で行っていきます!
それでは、早速いってみましょう!
そもそも「モニター用」って何だ?
さて、「モニター用製品」をご紹介するにあたって避けては通れない話があります。
まず「モニター」ってなんやねん?
というところから始めなければなりません。
ここでの「モニター」とは、
”ステージミュージシャンやサウンドエンジニアが、
音響の観測を行うことである”
と定義しておきます!
こう表現すると言い方が難しいですけれども、
楽曲の製作なら、当然今どんな音に仕上がっているか、
その音を聞きながら音を調整していきますよね?
ステージ上でアーティストが演奏する時は、
自分がどう演奏しているのかを自分で聞きますよね?
要は音響というのは聞かなければ始まらないのです。
そしてその「音響の観測」を正確に行えるように作られている製品が、
モニター用の製品である、というわけなんですね。
「モニター」の種類
次に、モニターって具体的にどういう場面があるのか、
もう少し掘り下げたいと思います。
今回は大きく分けて2種類、そしてその概要をご紹介します。
具体的にどんな商品があるの?については、今後の連載にて
たくさん紹介していければなと予定しております。
【演奏用 / パフォーマンス用】(ステージで歌う、楽器を弾く)
まず1つ目は「演奏用」ですね!
ステージ上で歌ったり楽器を弾いたりするときに使用する製品です。
レコーディング時も演奏なので見てくれは「演奏用」とも言えますが、
実はステージ上のモニター製品とレコーディング用のモニター製品では、
製品のスペックに対する観点がちょっと異なっています。
(※絶対に区別されるとは限らず、両方に使えるものも、もちろんあります)
このため、一旦ここは「ステージ上」での用途に限定して解説します。
一体何を聞いている(モニターしている)のか。
それは主に次の3つです。
①実際に演奏して出している音(返し)
…いわば「返し」ですね。自分が出している音を聞きます。
これが聞けないとどうなるかというと、とても正確な演奏ができません。
イメージしにくいという方々。皆さんはカラオケには行きますか?
カラオケでミュージック側の音量が大きすぎて自分の声が聞こえないと
とても歌いにくいですよね?そういうことです。
周囲のメンバーの演奏を一緒にモニターすることも「返し」に含まれます。
②クリック
…さて、自分の声が聞こえたとしても、指揮者がいない。
どうやって周りのメンバーとリズムを統一しましょうか。
そこで活用されるのがこの「クリック」。
一定の間隔で鳴り続けるガイド音のことです。
機械的に正確なテンポで鳴り続けるクリックを基準にすれば、
基本的に演奏がズレることはないはずです。
よほどのことがない限り「返し」よりも優先される場合が多いようです。
③バッキングトラック
…これは簡単に言うと、あらかじめデータを設定しておいて
実際のパフォーマンスを行う際にクリックと共に流す伴奏のことです。
以上の3点をステージ上でモニターしていることが多いです。
現場ではこれを「ころがし(モニタースピーカー)」で行う場合も多いです。
しかし、近年ではアーティスト自身の聴覚を保護する観点から
イヤホン(インイヤーモニター)を使用する手段が普及しています。
代表的なのは、こんな製品!
インイヤーモニターは「IEM」と略されるので一つキーワードですね。
邪魔になりにくいという観点から、
イヤホン(イヤーモニター)はヘッドホンよりも採用率が多く、
見かけ上も装着していることがわかりづらいという利点があります。
「イヤホン」がステージ上でのモニターに向いているということの結果、
イヤホンで「モニター用」と謳われている製品は、
この「演奏用」を前提にチューニングされていることも多いです。
具体的にオススメな製品や選び方は、次回の連載で解説いたします!
何を重視してサウンドをチューニングされているのか、という点は、
リスニング用にモニターイヤホンをご検討される方の参考にもなるかも?!
【制作用】(レコーディングやミックスで使用する)
そして2つ目が「制作用」です!
楽曲制作のことですね。
この「制作」の場面は主に次の2つがあります!
①レコーディング(REC)
…楽曲を実際に制作するために行う、録音のことです。
超厳密なことをいうとミックス作業も録音だと呼べちゃいますが、
マイクを使って生の音を録音するという「レコーディング」を中心として
とりあえず説明していきたいと思います。
で、ここで大事になってくるのが何かというと、
録音された「音」という素材を良いものにする、という観点です。
録音された音がダメだと、それを後からいくらいじろうが
素材そのものが良いものになるわけではありません。
しっかり「良いものが録音できているか」というところが
自分の耳で聴いて正確にチェックできたほうがよいと思われますよね。
ここにモニター用のヘッドホンなどの質も関わってくるのです。
本連載ではそれを観点に、オススメをピックアップしていきます。
例えばこんな製品が有名です!
②ミキシング(MIX)
…端的に言うと、別々に録った複数の音声ファイルを混ぜ込んで、
1つの音声ファイルにする作業のことです。
「ミックス・ダウン」などと呼ばれることもあります。
かなりの割合の音楽データはこの方法で作られています。
本当はもっといろんな段階がありますが、このくらいの説明にしておきます。
このミックスで大切なことは、ちゃんとバランスよく音を混ぜることですね。
そのためには今どんな音かを正確に観測できなければなりません。
ミックスは一般的に、スピーカーでのモニターをまず基準とし、
ヘッドホンやイヤホンを併用する、という手法が普及しています。
ヘッドホンでは左右間のクロスオーバーがモニターできないためです。
ヘッドホンやイヤホンの場合ですと、
頭を挟んでいるので左右の音がぶつかることがありませんので当然です。
…が、最近はそうでもない例がちらほらと出てきました。
自宅で楽曲制作する際に、スピーカーの音を環境的に鳴らせないという事例。
私自身も販売店スタッフとしてMIX用ヘッドホンのご接客を行う際に、
まずスピーカーを使っているかという質問をすることがデフォルトです。
まぁ、ここは音楽制作側でなくても何となく理解できますね。
アパートでスピーカーを鳴らすと他の住民の迷惑になってしまうために、
イヤホンやヘッドホンの質にこだわるようになったリスナーが多数います。
こういったスピーカーを使用しないパターンになってきますと、
併用する場合よりもますますヘッドホンの質は無視できない!
ちなみにステージ上での演奏用とは対極的に、
このミキシングではイヤホンがモニターの中心軸になることは少ないです。
例を挙げると、こんな製品がよく使われたりします!
というわけで、制作用には2種類の場面があるということはお伝えできたかと思います。
本連載では、
1.レコーディング(REC)向き製品
2.ミキシング(MIX)向き製品(※マイクを使用しない録音はこの2に含む)
3.レコーディング(REC)&ミキシング(MIX)の両方で使える汎用型
の3パターンに分けて、商品のどんな部分を重視すべきか、
そしてそのオススメ例をピックアップしていきます!
「…あれ?じゃあ両方いけるなら3番目だけでよくないか?」
いやいや。それが意外と違うんですよ。
そのポイントやメリット・デメリットを今後お伝えできればなと思います。
最後に
いかがでしたでしょうか?
モニターというのは大別すると
【演奏用】と【制作用】の2パターンが存在し、
後者はさらに【REC用】と【MIX用】にざっくり分類できることが
ご理解いただけたかと思います。
(※この構図自体がザックリな話なので気を楽にして読んでください)
また、今回のこの連載企画ですが、実はもう1つ意図があります。
我々e☆イヤホンスタッフは
e☆イヤホンのWEBサイト上で製品レビューも掲載しているのですが、
イヤホンやヘッドホンなどのレビューをする際に
「これはモニター向きの製品だ」というニュアンスの文言を
使用して製品を評価することもあります。
でも、そういう表現を使用する私自身が、
そもそも”モニター”というものは一体何を指してそう言うのか、
プロではなく一般のユーザーの方に対してもわかるよう
改めて説明できる機会があればなと思っていました。
それでは、第1回から長めの入りではありましたが、
今後ともよろしくお願いいたします!
eイヤホン 大阪日本橋本店の、ののがお送りしました!
連載の続きはこちらから!
【モニターイヤホン/ヘッドホンってどんなのを選んだらいいの?】ステージ用のイヤモニの選び方【連載・第2回】
【モニターイヤホン/ヘッドホンってどんなのを選んだらいいの?】楽曲制作用のヘッドホンの選び方【連載・第3回】
e☆イヤホンの”のの”です!元配送事務、大阪日本橋本店スタッフ。
ゲーム大好き、ゲーム音楽大好き。
アコースティック系のインストをよく聴きます。
愛機はPLENUE 2/KL-Lakh、UE Pro Reference Remasterd。