ドイツのカスタムIEMメーカー『VISON EARS』から60万円の最高級ユニバーサルイヤホンが発表されました。その名も『Erlkönig(エルケーニッヒ)』。e☆イヤホンが取り扱っている商品の中でもトップに入るぐらい高価なこのイヤホンは一体どんな音がするんだろう…?2018年07月14日(発売日)を前に、専門店スタッフ数名が実際に聴いてレビューをしました。

 

Erlkönig(エルケーニッヒ)

 

ドイツのカスタムIEMメーカーVISION EARSからユニバーサルモデルErlkönig(エルケーニッヒ)の登場。なんと価格は60万超えと、イヤホンの中でも最高級の部類に入るのではないでしょうか。4種類のサウンドが楽しめる回転式スイッチや交換可能なフェイスプレート、そしてシルバーシェル…EFFECT AUDIO社製の専用ケーブルが付属するなどなど、完璧なサウンドと精巧な職人技を兼ね備えたVEの最高傑作です。

■商品名

Erlkönig(エルケーニッヒ)

■価格

¥600,000-(税込)

■受付方法

取り寄せ商品

■受付開始日

2018年07月14日(土)

■試聴機情報

・秋葉原店

2018年07月07日(土)展開予定

・梅田EST店

2018年07月17日(火)展開予定

■詳細

レビュー以外の情報はこちら。

 

 

聴いてレビューをしてみた

■マーク(Webチーム)

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VISION EARS初のユニバーサルイヤホン『Erlkönig』は銀筐体に13のBAドライバー、ケーブルはEFFECT AUDIO製の純銀線、レザーケースと木製のケースが付属と価格が価格なだけあって充実した内容。フェイスプレートを外すと現れる回転式の調節スイッチによって4段階のサウンドを選択可能な構造も飽きさせません。銀素材ともなるとともなるとずしりとした重みはありますが、外耳孔に沿うように設計された薄いハウジングは耳への負担を感じさせません。肝心のサウンドはスピード感があるVEらしさを持ちつつも、深いところまで芯が太く通ります。安易な重低音とは決して違う重厚感は同社の機種の中でも随一。流れ込んでくる情報量の多さに対し輪郭の描写は適度に研ぎ澄まされており、付帯音との区別がされています。もうひとつのVEの特徴ともいえるボーカル部分はさほどくどくないように艶は抑えられつつ、心地良い距離感で語りかけてくれるよう。4段階の調節機能の違いとして感じた部分は…

1:Powerful Bass

ブーミーなベースを中心としたバランス。肌で感じる低音を見事に鼓膜で再現しています。

2:Moderate Bass

言葉通り適度な低域の量感です。音楽的に聞くのには非常に優れたバランスだと感じます。個人的にもオススメです。

3 : Super High

低域の量感がかなり抑えられかなりすっきり。高域の付帯音が特に聴き取りやすいですね。

4 : Forward Mids

輪郭が非常にはっきりとしたストリングスや管楽器が目立つ印象です。表現や主張はかなり控え目に。

 

全体を通して完成度の高い最高級ユニバーサルIEM。ぜひ一聴を。

 

■きくちゃん(カスタムIEM専門店店長)

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まず聴いてみての印象としてはVISION EARSらしいスピード感と明瞭度の高いサウンド。そしてボーカル機として人気の高いVE5並みのボーカルの近さと表現力を持った機種だと感じました。強すぎず弱すぎないしっかりとしたアタック感もあり全体的に重量感もあります。縦のレンジも広く深めのローエンドと少し横に広がるような印象のハイがスパンと心地いいです。全体的にタイトというよりはソリッドではありますがガッチガチに硬いというよりは程よい硬さです。そしてフェイスプレートの中のダイヤルを回すことで4種類のサウンドが楽しめます。

1:Powerful Bass

その名の通りベースラインがぐっと前に出てきて非常にパワフルなサウンドになり、VE6 X1を彷彿させるチューニングになっています。

2:Moderate Bass

全体をしっかりと支え音に厚みを持たせるようなベースラインが印象的でVE6 X2のようなサウンドバランスです。

3:Super High

ベースラインが引っ込むことでハイがぐっと強調されるような印象で、他の帯域が強調されている他のモードでは相対的に聴こえづらかった高い高域を感じることができます。

4:Forward Mids

過不足なく全ての音を鳴らしている印象で非常にバランスが良いです。

 

いずれのモードにも言えることですが音の質感がよくリアルさがあり、価格に見劣りしないハイクラスなサウンドです。銀筐体で重量がかなり重いですが耳が大きい自分はかなりフィット感がよく快適に使用できました。見た目もスタイリッシュで筐体形状から洗練された印象を受け、拘り抜いたサウンドからこの強気な価格も頷けます。職人が妥協なく突き詰めた一つのハイエンドの形としてかならず満足いただける機種です。

 

■カイヤ(秋葉原店マネージャー)

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VISION EARSから超ド級のハイエンド機Erlkonigの登場です!本体が銀で製作されており、高級感が凄まじいです。フィット感はしっかり耳にハマってしまえばそこまで悪くないのですが、本体が縦に大きいので耳が小さい方は注意が必要かもしれません。肝心な音質ですが、その価格に恥じない素晴らしい音楽が楽しめます。ダイヤルで4種類音が変えられるのですが、全体を通して質量がある腰の据わったサウンドでありながらも音の立ち上がりがとても速くスピード感溢れる正にVISION EARSの頂点のような音質になっています。4種類のサウンドが楽しめるので一つずつ見ていきますと…

1:Powerful Bass

その名の通り低音が前に出てくるサウンドです。とは言っても不自然さは特に感じられず、Moderate Bassよりもより低い帯域がしっかり出てくるのでスピーカーの音に慣れている方であればむしろ自然な量感や質感に感じられるかと思います。この質量がありつつ深みもありかつ膨らみ過ぎない適正なレスポンスは低音好きだけでなく、低音の量感が苦手と言う方にも是非聴いてみてほしいサウンドです!男性、女性ボーカルも共にしっかり前に出ているので低音にマスクされることはありません。高域もややマイルドですが解像度が高くかつ聴きやすく心地よいです。ダイヤル1では主にEDMなどの低音が良く出る音源と相性が良いことは勿論の事、デスメタル系の音数が多い曲でも高速レスポンスで難無く鳴らしてしまうのが恐ろしいですね。

2 : Moderate Bass

こちらは名前の通り適度な低音の量感で一般的なフラットなバランス位だと思われます。ですが本体がシルバーの質感・質量はしっかり備えたままの低音なのでバスドラのアタックの瞬間だけでなくその振動がボディの大容量の空気まで震わせる様や、エレキベースの金属の太い弦が振動している様がはっきり視覚化される感覚はPowerful Bassよりも弱くなっているとは言えしっかり感じられます。勿論アコースティックなチェロやコントラバスの表現も正確で生々しいです。中高域は低音の特に低い部分が抑えられた分、相対的に聴き取りやすくなっておりPowerful Bassよりも前に出てきます。細かい音を聴きつつも音楽をしっかり楽しめる絶妙なバランスなのでどなたにでもおススメしやすい設定かと思います。

3 : Super High

名前の通り中高域が一番前に出てくるバランスなので低音の量感があると苦手な方には丁度良いバランスかと思われます。中高域メインの楽器を聴かれる方におススメです。

4 : Forward Mids

中域がメインで前に出てくるバランスですが中高域、中低域も少し持ち上がった印象です。ボーカルがメインで前に出てきますが、ベースラインも綺麗に聴こえてくるので明るめな曲調のPOPSと相性が良く感じます。

 

全体の印象で付け加えるならば、音像型のサウンドでその生々しさに目が行きがちですが、音の広がりも十二分に広く問題に感じる所はありません。13ドライバー搭載ですがネットワークがとても良いのか、音のつながりがとてもスムーズで(特にPowerful Bass)かつ予想以上に鳴らしやすいので、プレイヤーの出力をあまり気にせずに楽しめるのも良い点です。個人的にはこの低音の質感が一番の特徴だと感じられるので、Powerful Bassが一番好みのバランスでした。試聴する際は是非Powerful Bassを聴いてみて下さい!イヤホンではなかなかお目にかかれない低音ですが、むしろこのキレがありつつも沈む低音はイヤホンにしか出せないものかと思われますので是非一度ご試聴下さい!

 

■だいせんせい(PR担当)

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イヤホンを手にした瞬間に、その異質さに気が付きます。ズシリと来る重量感に、滑らかに成形されたフォルム。フェイスプレートに微細に刻印されたデザインを指先でなぞると、シルバーならではの冷たい感触が伝わり、極めてハイクオリティなイヤホンであることを教えてくれます。EFFECT AUDIOによるOCC純銀線のケーブルはしなやかで取り回しに優れ、音質はもちろん、使い勝手としても良好。装着感も良く、その重さ故か、むしろしっかりと収まります。グラつきも無く安定していて、重量をデメリットとして感じることは殆どありませんでした(影響があるとすれば、カバンに入れている時などのポータブル性だと思います)。Erlkönigは4つのモードで音質を変化させることが出来るので、それぞれを試してみました。

1:Powerful Bass

名前の通りパワフルで、重みのあるキックの一打一打に揺さぶられるような力強さがあります。一方で、背景で小さく軽快に叩かれるパーカッションの一粒一粒に耳をすませることが出来ます。混じりや埋もれを少しも感じさせない、精密にフォーカスされた音です。そのような音の衝撃に身を預けていると、一瞬のブレスにハッと息を呑みます。静と動の描き分けが秀逸で、演出的でありながら『音のリアル』を一番体感出来るモードだと思います。ハイテンポな楽曲でスイッチを入れたいなら、このモードのErlkönigより良いイヤホンはそうそうありません。

2:Moderate Bass

『Powerful Bass』に続いて低域中心のチューニングですが、こちらは適度な量感に収まっている感じ。バランスが整えられた恩恵か、より一層生々しさが増し、写実的に変化した印象を受けました。特筆して強調された音は無いながらも、音楽的な面白みは後述の『Forward Mids』モードと並んでオールラウンダーな音で、色んな楽曲を楽しむならこのモード。

3:Super High

高域が中心となるモード。メリハリの効かせ方は1つ目の『Powerful Bass』モードに近く、しっかりとした『聴かせ感』があります。しかし聴き疲れはあまり感じず、主張感の強い音でありながら、不思議とどこか穏やかな印象を受けます。ゆったりとした曲をリスニングライクに聴きたい人にはこちらがオススメ。

4:Forward Mids

中音域が前に出てくる音作り。最もオールレンジに捉えやすく、起伏を抑えた分析的なサウンドだと感じました。Erlkönigの描写性能を最も俯瞰的に活かすことで、幾多の音を余すことなく捉えることが可能です。他の3つと比べるとやや傾向が異なり、同価格帯の別のイヤホンといっても良いほどの完成度を感じました。モニターライクなサウンドが好きな方ならこちらに惹かれるかもしれません。

 

総じて言えるのは、間違いなく一級品のイヤホンが、実質的に4つ同時に世に放たれたということです。上質な音には実在性が伴いますが、このErlkönigはひとつ次元が違うレベルといっても過言ではありません。あえて欠点になりうるポイントをあげるとするなら、全体的にやや硬質な音であること。ウォームな音が好きな方だと、好みが分かれそうなところです。そしてもちろん、60万円という破格の値段も見逃せません。ただ、未曾有の高級機でありながら『高すぎる』と無下に出来ない何かを秘めていることは、一聴した誰もが納得することでしょう。

【試聴環境】
Astell&Kern A&futura SE100
【試聴音源】
Flavor Of Life[Ballad Version] / 宇多田ヒカル(24bit/96kHz)
Freak It! feat.東京スカパラダイスオーケストラ / MAN WITH A MISSION(24bit/48kHz)
『BELIEVE』 / 石川綾子(24bit/96kHz)
ファティマ / いとうかなこ(24bit/96kHz)
メインテーマ / ゼルダの伝説ブレスオブザワイルド(16bit/44.1kHz) 他

 

■ターシー(カスタム担当)

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VISION EARSの特徴としてレスポンスの速さ(スピード感)と明瞭度の高さがありますが、Erlkönig(エルケーニッヒ)はそれらを極限まで磨きあげたVEの頂点にふさわしいイヤホンです。Erlkönigは4つのモードがあり、それぞれ音が異なります。全体的に通して言える事は…ひとつひとつの音がしっかりと鳴ります。音に芯があり、余韻もしっかり感じられ、普段聴いている音楽が生き生きとしているように感じます。多ドライバーは音の繋がりが肝ですが、とってもなめらかで自然なサウンドを楽しむ事ができます。それでは、それぞれのモードを紹介していきます。

1:Powerful Bass

かなり元気な音になります。キックとベースがブーストされライブ会場にいるような臨場感があります。ボーカルやギターが引っ込む事はなく、ベースの音に負けないように存在感を保ったまましっかりと届きます。ただ低域の量感が増えるというものではなく、ちゃんと楽器にフォーカスを当ててチューニングしたんだなぁと勝手に納得してしまいました。個人的には一番のびのびとした音が楽しめたので一番好きなモードです。低域好き、ベーシスト、ドラマーがにやけること間違い無しのモードです。

2:Moderate Bass

『Powerful Bass』と比べるとより全体を見渡しやすくなりました。低域は控え目にはなりますが、人によっては十分なぐらい存在感はあります。まずはこのモードに設定して聴いてもらいたいです。名前の通り適度な低域がします。そして、Erlkönigの名刺代わりになるようなモードです。

3:Super High

上記二つのモードで強調されていた低域を最小限にして、中高域にフォーカスを当てたモードです。ハットやシンバルといった金物系の存在感がぐっと上がり、キレとメリハリが見えるようになりました。『Powerful Bass』と比べるとまったく別のイヤホンのように感じます。

4:Forward Mids

中域にフォーカスを当てたモードですが、全体的に非常バランスが良いです。立ち位置的には『Moderate Bass』に似ていますが、そちらよりもギターやボーカル、スネアのアタックがはっきり聴こえてきます。

 

個人的にはほぼ非の打ち所がないベストな音がすると思いました。かなり高価格ではありますが、4つのモードを試聴していくうちに納得してしまいます。音楽・イヤホン好きにとにかく聴いてほしい、そんなイヤホンです。

【試聴環境】

Lotoo PAW GOLD

【試聴音源】

ヨルシカ『準透明少年』

 

 

ポタフェス2018 秋葉原

ポタフェスについての詳細はこちら。公式ページに飛びます。

2018年7月14日(土)、15(日)に秋葉原で行われるポタフェス秋葉原にVISION EARSがやってきます!!当日、ブースではErlkönig(エルケーニッヒ)の試聴が可能!!いつも使っているスマートフォンやDAPを持って遊びに来てくださいね♪

去年のポタフェス秋葉原のVEブース

今回は写真右のMarcelがやってきます!!イケメンです。

 

 

まとめ

・レビューをみて少しでも気になったら試聴してみよう!
・2018年夏のポタフェス秋葉原にはVISION EARSがやってくるので遊びにきてね!

 

とにかく聴いてほしい。そんなイヤホンです。

以上、ターシーがお送り致しました。

ターシーのTwitterはこちら。カスタムIEMの情報を発信します。

 

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