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どもっ!!e☆イヤホン アンバサダーのたっくんです!

ついに あの ブランドの本社にお邪魔する事が出来ました!

そのブランドは…

AKG本社に行ってみた

AKG!

1947年 音楽の都オーストリア・ウィーンで、プロ用機材の開発を目的にラドルフ・ゲリケ博士とエンジニアのアーンスト・プレスの2名により創立された音響機器メーカー。
AKGとは、“アコーステック・アンド・シネマ・エクイプメント・リミテット”(ドイツ語で Akustische und Kino-Geraete Gesellschaft m.b.H)の略で、録音機器全般、テレコミュニケーション機器などを製造。
特にマイクロホンとヘッドホンの分野では、世界有数のプロフェッショナル・ブランドで、世界中のレコーディング・スタジオや放送局などで数多くの製品が活躍しています。
※メーカーページより抜粋

AKG本社に行ってみた
ウィーンにやってきました。

 

ウィーンはオーストリアの首都に当たる街です。
ドイツと比べると、歴史のある建物が多く残っているせいか、町全体の景観が統一されているような印象でした。ドイツは近代的な建物が多い印象です。

 

AKG本社に行ってみた
市街地にはこんな教会も…

 

シュテファン大聖堂。
塔の高さが107Mもあり、世界で3番目に高い教会なんだそうです。
歴史が感じられます。

 

AKG本社に行ってみた
シェーンブルン宮殿

 

宮殿や庭園が世界遺産に登録されているとの事で、先ほどのシュテファン大聖堂から5Kmくらいのところにあるこの宮殿にも来てみました。

丘の上に上るのが絶望的にしんどかったですが、登り終えて振り返ると綺麗な街並みが…。

と言う事で、ウィーン市内をぐるっと回って目的地に…。

 

AKG本社に行ってみた
AKG本社!

 

ウィーン市内から車で15分程走らせたところに、AKGの本社はあります。
このウィーン本社では、プロ向け製品の開発・製造、コンシューマ向け製品の開発がここでは行われています。

AKGプロフェッショナル向け製品と言えば、ヘッドホンではK702やK812があります。
今回はK812の製造の現場を見学させていただきました。

まるで学校の様に広大な建物で、メーカーの方とはぐれたら確実に迷子になりそうです。

 

AKG本社に行ってみた
往年の名機が展示されていました。

 

ラボに向かう通路には、これまでのAKG製品が展示されていました。

AKGはウィーンで1947年に設立されました。
その2年後の1949年。AKGとして初めてのヘッドホンを世に送り出しました。

 

AKG本社に行ってみた
K120 DYN

 

近年のAKGヘッドホンの洗練されたデザインからすると、かなり簡素な感じがしますが、1949年に作られたヘッドホンと考えると中々の質感です。

20年後の1969年には、音を自分好みに調整する機構を持ったK180が、1978年にはダイナミック型と静電型の2つのドライバーを持ったヘッドホンK340が登場しています。

 

AKG本社に行ってみた
奥に見えるヘッドホンがK1000

 

1989年になるとK1000という変わったヘッドホンが発売されました。K1000は、以降十数年に渡って特別なモデルとして発売され続けたヘッドホンです。
トランスデューサ―がむき出しになっていて、ハウジングによる音への影響を受けないヘッドホンです。ヘッドホンを耳に当てずに、耳から浮いた状態で音を鳴らす変わったヘッドホンです。
ちなみに僕が1988年生まれなので、このK1000は僕とほぼ同い年のヘッドホンとなります。

 

また、AKGヘッドホンの人気を確固たるものにしたヘッドホン、K701も展示してありました。

AKG本社に行ってみた
持てる技術を全て詰め込んだフラッグシップヘッドホン 『K812』

 

様々な特徴あるヘッドホンを世に送り出してきたAKGですが、2014でブランド設立から65年となりました。
そこで、今持てる技術を全て詰め込んだヘッドホンの開発に着手し、『K812』 というヘッドホンを作り上げました。

 

今回は、この 『K812』 の開発、製造の工程を追ってみました。

 

AKG本社に行ってみた
資材庫

 

まず訪れたのは、資材庫。

AKG製品に使用する備品、部材などは全てここで管理・保管されています。

とてもきれいに整理されており、パーツ一つ一つのコンディションまでしっかりと管理されています。
僕が過去に視察した工場の中でも、1、2を争う整理・整頓がされており、効率化が図られている様子を伺い知る事ができました。

 

AKG本社に行ってみた
続いて訪れたのは開発のセクション

 

このセクションでは、3Dプリンターを始めとした開発に用いる機材が多く置かれていました。

設計から上がってきた図面を実際の素材で形に起こし、耐久性や品質に問題がないかをテストしています。写真に写っているパーツも、全て試作で作られたパーツです。

AKG本社に行ってみた
こんなパーツも!

 

皆さんご存知のK3003のハウジングですね!
K3003はプロ向け製品ではないので、生産は別の国にある工場で行われていますが、開発はここウィーンで行われたそうです。

AKG本社に行ってみた
ドライバーの開発セクション

 

この機械では、ドライバーに使用されるボイスコイルの巻取りを行っています。

AKGのボイスコイルでは、他社ブランドから一歩進んだ技術が取り入れられています。

 

AKG本社に行ってみた

フラットワイヤーボイスコイル

 

通常のボイスコイルは細い針金の様な素材を巻取って作られるため、巻き取ったボイスコイルの断面は正円に近い形となります。

AKGでは、『K702』を始め、『K812』にもこのフラットワイヤーボイスコイルが採用されています。
このボイスコイルを採用する事で、磁力の高まる部分を拡大し、振動板の動作効率を向上する事ができます。

AKGは自社工場で1からドライバーの製造を行っているので、独自の技術力を持ち、このボイスコイルを作り上げる事が出来ます。

AKG本社に行ってみた
振動板

 

この振動板はK812ではありませんが、一枚の特殊な素材のシートを使用して振動板は作られます。

振動板のコルゲーション(ひだ)の模様のついた機械で、シートに圧をかけながらプレスすると上の写真のようになります。

これを機械でカットして振動板が作られます。

 

AKG本社に行ってみた
K812のマグネット

 

K812には、磁束密度が1.5テスラの強力なマグネットが採用されています。
磁束密度が高ければ音が良いという訳ではありませんが、より正確なドライバーの制動を可能とします。

 

AKG本社に行ってみた
K812ドライバー

 

こうして、ドライバーに使用されるパーツが製造され、それを機械と人の手を使用して、ドライバーが組み上げられます。

 

AKG本社に行ってみた

AKGではドライバーの開発に専用の機械を用いています

 

AKGに行って最も驚かされたのは、高い開発能力を持っていることでした。
ドライバーの開発一つとっても、そこまでするか?というレベルまで、徹底的にトライアンドエラーを繰り返します。

 

ドライバーを開発する上で重要なのが、振動板を歪みなく均一に動作させる事です。
歪みを抑える事で、正確な音源再生が可能となりますが、AKGではレーザーを使って細かく振動板の動きをチェックするシステムを持っています。
この機械を使用して製品開発が行い、自社工場でドライバーの開発を行っているのでスグにテストの結果を反映する事が可能です。

 

製品に使用するパーツから、開発、アセンブリまで一括で自社工場で行えるので、高い開発能力と、高い品質管理を持つ事が可能となっています。

 

AKG本社に行ってみた
次に訪れたのはアセンブリ(組立)のセクション

 

このセクションも効率化が図られており、ドライバーの組み立てをする人から、パーツの組み込みを行う人まで、順番に流れるような配置が取られていました。

 

また、AKGでも多くの女性従業員が働いていましたが、アセンブリのセクションでは他社ブランド同様に女性が中心となって行っているようでした。
間近で作業を見せて頂きましたが、機械で行うよりも作業が早く、正確に行っている様に見えました。
音に関わる大事な作業は人の手で行っていました。

 

AKG本社に行ってみた
ストレステストを行う部屋

 

この部屋は、試作機や製品のサンプリングなどの耐久性をテストし、品質を管理する目的で用いられます。
この部屋にある機材は、全て本体や付属品に負荷をかけ、耐久力は品質に異常が起きないかを計測するためのものです。

 

例えば…

 

AKG本社に行ってみた
ケーブルの耐久テスト

 

この機会では、ケーブルの先に重りをつけ、何度もねじったり引っ張ったりする機械です。

僕が訪れた時には、ケーブルのブッシュ部の耐久性をテストしていました。
ブッシュが割けたり、付け根で断線しないか?等多くの項目がここでテストされていました。

 

他にも-40℃から40℃までの寒暖差のある環境を作り出せる機械や、湿度を90%以上にする機械、静電気を与える機械や、電波を与える機械など、多くのストレステスト用の機材がありました。
ストレステストの機材があるセクションだけでも、eイヤホン秋葉原店くらいの広さがありました(^^;

 

AKG本社に行ってみた
組み上げた製品は全数チェックされます

 

チェックには、無響音室を使用して検査します。
反響の無い部屋で、ヘッドホンのドライバーから発せられた音のみをチェックします。
チェックには、低域から超高域までの周波数パルスを出し測定します。

僕が見ただけでも、AKGにはこの無響音室が3つありました(^^;

 

AKG本社に行ってみた
プロフェッショナルシリーズ

 

『K702』、『K712PRO』、『K812』を比較試聴します。

 

K702とK712PROではドライバーそのものは同じだそうで、形状記憶機能の付いたイヤーパッドを採用し、より長時間の使用時に快適に使用できる様になっています。
実際に試聴してみると、音質も少し変わっていて、より低域の再現能力が高まっている印象です。

 

K812では、更に広い音場や、解像度の向上、より快適になった装着感など多くの面でアップデートが施されていました。
実際に三機種を同じアンプ、同じ音源、同じ音量 (開発の方の聴感上の音量で揃えました)で比較すると、K812の優秀さがより分かります。

 

と言う事で、AKG本社を取材してみましたが、圧倒的な開発力と技術力、ユーザーからの意見をすぐに反映できるシステムなど、多くの点で感心させられました。

ここでは書ききれない企業秘密なども多くありました。
その中で、一つだけ無理を言ってK812のアセンブリの様子の動画をアップして頂くことが出来ました。

この動画を見て、少しでもAKGの高い技術力を感じて頂ければと思います↓

 

 

この動画には、僕たちが見てきたAKGの内部の様子が映されています。

※英語ですが、ぜひ最後までご覧頂けれ場と思います。

AKG K812が本気でほしくなりますね(^^;

AKG本社に行ってみた

▼AKG K812 e☆特価¥150,000-

 

動画の通り、組み立ては全て職人の手作業で行われています。AKG渾身のヘッドホンを、ぜひご体感ください。

 

視察の機会を設けて頂いたハーマンインターナショナルさん、本当にありがとうございました!