こんにちは、マツコです。
あっという間に2015年が終わろうとしていますが、皆様、やり残したことはありませんでしょうか?今年は本当に充実した1年でした。9月にはIFA2015にも仕事で参加する事が出来、何より一番行きたかった国、ドイツに行けたことが本当に嬉しかったです。
以前からきになってはいたんですけどね。今年の夏くらいかな。半年も書けなかった理由として、あまりにもこのブランドには謎が多かったから。
NIDEON(ニデオン)
まず、NIDEONの名前の由来って何だと思いますか?
会社案内を見てみると…
「株式会社 日本電子音響(NIDEON)は『最高品質の音響製品をお客様に提供する』という目的で2013年1月に設立されました。」
なるほど。日本電子音響の頭文字を取ってNIDEONなんですね!
因みに読みは「ニデオン」と読みます。
NIDEONはオーディオケーブルやシールドを主に開発し、プロミュージシャンの人たちと「プロが仕事で使える理想のケーブルを作ろう。」をモットーに究極を求めるメーカーとして活動している、まさに技術者による、プロの為だけに作られた逸品揃いのブランドだという事ですね。将来、NIDEONのような男性に巡り合いたいです。
今回はそんなNIDEONの「○○過ぎる!」ところをご紹介しましょう。
NIDEONが○○過ぎる 1 技術解説が詳しすぎる
先ほどにも紹介の通り、NIDEONは完全プロ仕様で、全ての製品やパーツを自社開発している国内でも珍しいメーカーです。
特に、NIDEONの公式HPの中で気になった「技術資料」というカテゴリ。
拝見した所、「はんだ理論」という項目。これを見た私は正直目眩がしました。
私のハンダの知識なんて米粒程度だったのかと思わざるをえない程、技術用語が並べられていました。感情的、というよりは完全に論理的で「であるからにして」といった、授業で白衣を着た教授が話していたな~というような、本格的な資料がNIDEONのホームページでは無料で見ることが出来ます。
さっぱり分からずとも読んでいくと、1gあたりの各種金属の価格やハンダ付けで使用する道具の詳しい解説など、為になるような内容も沢山掲載されていました。
これは、マニアック。
新しい境地に立たされたような感覚でした。
NIDEONが○○過ぎる2 ケーブル引っ張り強度試験がガチすぎる
イヤホンケーブルで、お客様からもお問い合わせの多いものとして、「ケーブルの強度はいかでしょうか?」といった質問はどの商品でも聞かれることの多い内容です。
現在発売されているAurisonics ROCKETSイヤホンはe☆イヤTVにて思いっきり引っ張ったり強度を人力で確かめて「OKでした!」と公言したのですが、実際に各メーカーがどの様な強度検証をしていたのかは余り知られていませんでした。
【外部リンク】【新製品】引っ張ってもちぎれない!Aurisonics ROCKETSが登場!
NIDEONのサイトでは、そんなケーブル強度に関する特設ページが設けられていました。
NIDEONを含め、6社のケーブル強度を専用機械で検証した所、なんと通常は18kg、頑丈でも28kgの荷重で断線したのですが、NIDEONは78kgの荷重で断線しましたと。
耐え過ぎいいいいいい!
ガチ過ぎますね。通常のケーブルより、2.8倍から4.2倍の強度があるとの事で、普通の人間と、指で10円玉を捻じ曲げた故大山倍達氏くらいの違いでしょうか(検索してみてください)。
好きです!!大胆です。つまり、万が一の時、成人女性1人分の救助ならできるかもしれない。
(あくまでオーディオケーブルなので、正しく使用致しましょう。)
実際にとりまわしはどうなのか、装着して頂きました。
ケーブルとりまわし部分には針金が入っているので、耳掛け式にも対応しています。
ケーブルがかなり頑丈なので、耳へかける時には一工夫必要かも。
耳の後ろが若干浮きやすいですが、Y字分岐部分をひっぱり、針金をしっかり自分耳へ添わせることが出来れば外れにくいかと思います。
すこ~し浮いているかも。耳掛けタイプのイヤホンでは少し装着難がありそうです。
NIDEONが○○過ぎる 3 プラグへの拘りが凄すぎる
NIDEONは自作用プラグも充実していて、お客様からもかなり評判は高いです。
●写真下がNIDEON社のプラグです。
従来のプラグは、ジャックに差し込まれるプラグ先端部とケーブルとハンダ付けする板金部品をカシメて一体化することで組み立てられています。
(【かしめる】意味:接合部分にはめこまれた爪や金具を工具で打ったり締めたりして接合部を固くとめる事)
NIDEONのオリジナルプラグは、プラグ起因の断線トラブルの発生を極力無くし、耐久性と導電性を大幅に改良するために、プラス端子になる黄銅の棒材とマイナス端子になる黄銅の円筒材料の間にインジェクション方法により樹脂を封入し、絶縁を確保しながらもプラグ本体を一体化した後、職人により金属部分と樹脂部分を同時に一本一本正確に削り出すという非常に手間のかかった製造方法を採用しているのです。
日本で生産されているNIDEON製品には、職人だからこそ妥協は一切なし!兎に角ケーブルがどれだけ音楽環境の中で大事なのか分かりますね。
eイヤホンで販売中のプラグは全4種。
では、実際に試聴してみました。
NMC-100/試聴環境 SHURE SE846
個人的な意見でSE846は高解像度で音場がとても広いのですが、若干低域の量感が楽曲によって多く感じられるような気がしていました。ボーカルもいい意味ではリアルで音源そのままですが、全体的にもう少し削り落としたい所もありました。
NMC-100で試聴した所、音と音の隙間がすっきりしたというか、特に超高域・重低域がコンプレッサー等で上手く削ぎ落とされたように整備されました。
全体的にノイズを抑えて「静寂」といった言葉が一番ふさわしいリケーブルです。
生々しい音質というよりはかなり整頓されリマスターされた様な感覚に近いです。
ただ、SE846で装着するとかなりケーブルが硬く、耳から浮いてしまうのがかなり難でした。耳掛けタイプだと苦労しそうです。
NMC-100&HA-FX1100でも試聴してみました。
FX1100の純正ケーブルと聴き比べても高域の再生傾向は殆ど変わりませんが、低域の質感が上品になりました。女性ボーカルの艶っぽさや生々しい息遣いもやや抑えられ、肉声らしい表現力を希望の方や抜け感を希望される方には物足りないかもしれません。
装着感ですが、SE846の様な耳掛け式でなくてケーブルを真っ直ぐにした状態であれば問題はあまり感じませんでした。でもやっぱり硬いかもしれない。
同様に、同じ環境でNMC-200を試聴してみました。
NMC-100よりもさらに音の荒削りな部分をごっそり整備してくれます。本当に「静寂」といった言葉が相応しく、そんな装着難を感じさせない非常に整頓された立体感のある力強い音質でした。
そして
総評すると
①音質ノイズを格段に抑えたい
②低域の沈んでモヤがかかった部分を削ぎ落として無駄を省きたい
そんな方にはオススメです。
ただ、デメリットとしてタッチノイズがどうしても出てしまうのが勿体ない所。上記レビューと矛盾している部分があるかもしれませんが、室内で座って試聴している分には、本当にクリアに聴こえるのですが、ポータブルで使用するとなると、耳かけ式で作られてはいますが、タッチノイズを気にされる方には辛いかもしれません。
ケーブルがとても硬いのでヘッドホンでなら問題ないかな?と思って、ULTRASONE editionシリーズに装着しようとしたのですが、コネクタ部分が若干違うのか、はまりませんでした。そしてSHURE SRHシリーズにも勿論はまらずでした..。
唯一装着できたのは、eイヤホンオリジナルSW-HP11でした!!
実際に試聴してみましたが、ヘッドホンだと得意とする「静寂さ」があまり感じられなかったので、イヤホン、且つBA型のイヤホンの方が相性が良さそうです。
一体どれに使うのが一番なんだろう。
実際、NIDEON代表取締役の米澤正博士へ聞いてみました。
NMCシリーズは音質重視のリケーブルなので、取り回しの良さよりも音質重視で作りました。なので、実用性は無く、室内用として現在は展開中です。
ケーブル自体を細くしてしまうとやっぱり音質が落ちてしまう事は避けたかった為です。
実は現在、メーカーを飛び越えてあらゆる商品で使用できるMMCX端子を考えている段階です。
との事..!そして、MMCXのみの販売にはなているのですが、ゆくゆくは2pin用も販売できるようにしたいとメーカー様がお話してくださいました。
お忙しい中にも関わらず、とても丁寧にご説明してくださいました。
本当にありがとうございました!
最後にNIDEONのNMC-100/NMC-200リケーブル全機種はこちら↓
気になった方は、
eイヤホン大阪日本橋本店
東京秋葉原店
名古屋大須店
にて試聴可能なので、ぜひ聴いてみてください♪
以上、マツコでした〇
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元e☆イヤホン大阪日本橋本店2F・買取/中古スタッフ。
ドイツへ移り住んでから早1年が経過しました。e⭐︎イヤホンを離れ、2019年5月に渡独。現在は主にドイツ・ベルリンの音楽やアート、ローカルカルチャーを専門に取材、執筆しています。また、自身でドキュメンタリー&カルチャーマガジン「MOLS magazine」を出版し、取材、執筆、編集を監修。現地に蔓延る見えない・聞こえないサインを捉え、ジャーナリズムにスタンダードからアンダーグラウンドまで発信しています。2020年に自主レーベル「MOLS」を設立。YouTube、SoundCloud、BandCampなどのデジタルコンテンツにて、ベルリンで活動するアーティストと携わり、PR、プロモーターとしても活動しています。