新規格!MEMSドライバーを搭載のNoble Audio FALCON MAXを深堀していきます。新トレンドとなるか!?!
ダイナミックドライバー、バランスドアーマチュアドライバー、「MEMSドライバー」と第三のドライバー規格として今後主流になりうる技術を採用。
そんな注目の「MEMSドライバー」が搭載された完全ワイヤレスイヤホンがNoble Audioから発売されます。
MEMSドライバーとはどんなものなのか!?と、MEMSドライバー搭載のNoble Audio FALCON MAX (発売:12月29日)を詳しく見ていきましょう。
2023/12/23 より、e☆イヤホン全店で試聴可能です! |
新規格!MEMSドライバーとは
MEMSとは”Micro Electro Mechanical Systems”直訳で「微小電気機械システム」となる。MEMS技術自体は既に多くの製品に用いられている技術で、代表的なMEMS技術はMEMSセンサー/MEMSマイクとして製品化されている。
- プリンターヘッド(特にインクジェットプリンタ用)
- デジタルミラーデバイス(DMD)
- 圧力センサー
- HDDのヘッド
- 加速度センサー
- DNAチップ
- ジャイロスコープ
- 光スイッチ
と数多く使われ今ではスマートフォンやスマートウォッチ、FA、ヘルスケア機器などに欠かせない技術であるが、今回は世界的にも新しい試みとなる音響用ドライバーの規格として登場しました。
「MEMS」は構造が立体的で可動部があることが、集積回路をはじめとした通常の半導体との大きな違いです。
発音機(スピーカー/ドライバー)としての気になる仕組みは簡単にまとめると半導体技術を応用し、電圧をかけることでシリコンの一部を可動させ、空気を動かすことで発音する「シリコンドライバー」「半導体ドライバー」である。この仕組みは圧電型(ピエゾ)ドライバーと同様で既に普及しているMEMSマイクの発音版となります。
Cowell シリーズは非常に薄いが直方体で、天面の穴から音が出る。内側の2つの扉のようなものがシリコンのピエゾ構造で作られた板で電圧がかかると上下に動き音が出る仕組みになっている。
特徴とメリット
MEMSドライバーの主な特徴とメリットは、一般的な従来型ドライバーと比較しても「ダイヤフラム+コイル+磁石」等のパーツを有しない。ICチップのような仕様となっているため、従来のドライバーに比べかなりの軽量化が可能で、歪みが少ない。
また複数のパーツの組み合わせをしないこと+シリコンウエハーを一括して製造可能で個体差がほとんど出ない。そのため高精度で左右のマッチングがされるため位相特性が優れている。空間表現と評される「広さ」にもつながり、自然な鳴りを実現することができる。
またチップ自体が防水仕様で、耐久性にも優れているので衝撃等にも強いとされている。
今回FALCON MAXに採用されている「Cowell Top Firing」は6×3.2×1.15mm(縦×横×厚さ)と従来のドライバーより遥かに薄く、イヤホンの小さな筐体に余裕をもって入れられる。BA(バランスドアーマチュア)型よりもかなり薄いため、更に多く搭載することもできそうだ。
従来のダイナミック/バランスドアーマチュア/コンデンサーもそれぞれ強みがあるため、今後MEMSの技術で賄えるのか注目である。
Noble Audio FALCON MAX
”Wizard”ジョン・モールトンより日本の皆様へ
Noble Audioは近年のIEM開発で様々なドライバーを使ったハイブリッド構造のイヤホンを発表してきました。日本ではピエゾドライバーを搭載したときの経験やチューニング技術は、同じピエゾの原理で発音するMEMSドライバーの採用でも大いに生かされています。
FALCON MAXの開発において、Noble Audioは米国xMEMS Labsとの戦略的パートナーシップを締結しました。”Solid-State Fidelity”のパイオニアであるxMEMS Labsとの提携は、Noble AudioがxMEMSの最先端を意味します。
卓越した音質とxMEMSの最先端チューニング技術により、Noble Audioは比類のないポータブルオーディオ体験のパイオニアであり続けることでしょう。
まずは機能面から
FALCON MAXは、高域用に新たな音質体験を実現するxMEMS Labs製「Cowell」MEMSドライバーに加えて、低域用に10mm径の大型複合素材ダイナミックドライバーを搭載したハイブリッド構成を採用。
スペック
仕様
ジャンル | 完全ワイヤレスイヤホン |
ドライバー構成 | ハイブリッド型(MEMS+DD) |
ドライバー詳細 | xMEMS製 Cowell MEMS Driver 1基 10mm径 Dual-Layered LCP Driver 1基 |
再生周波数帯域 | 20Hz – 48kHz |
SoC | QCC5171 |
接続方式 | Bluetooth |
Bluetooth仕様 | Ver.5.3 |
Bluetoothプロファイル | A2DP, AVRCP, HSP, HFP |
マルチポイント | 対応(2台まで同時接続) |
マルチペアリング | 対応 |
片耳使用 | 対応 |
対応コーデック | SBC, AAC, aptX, aptX Adaptive(24/96, Lossless, Low Latency), LDAC(330kbps, 660kbps, 990kbps, Adaptive), LC3(LE-Audio時) |
BLE (Bluetooth Low Energy) | 対応 |
連続再生時間 | ANC OFF+音量60%時=約5.5時間 ANC ON+音量60%時=約4.5時間 |
充電時間 | ケース=約2時間以下(USB充電時)、約4時間以下(ワイヤレス充電時) イヤホン本体=約1.5時間 |
通話機能 | 有(aptX Voice、通話時cVcノイズキャンセリング対応) |
音質調整機能 | 有(10BAND EQ) |
アクティブノイズキャンセリング | 有(適応型) |
TrueWireless™ Mirroring | 有 |
外音取り込み機能 | 有(適応型) |
自動電源ON/OFF機能 | 有 |
防水機能(イヤホン本体) | 有(IP54) |
無線充電機能(充電ケース) | 有 |
低遅延(ゲーミング)モード | 有(マルチポイントOFF時) |
バッテリー容量 | イヤホン本体 約50mAh 充電ケース 約600mAh |
イヤホン本体重量 | 約5.5g/個 |
充電ケース重量(イヤホンを含まず) | 約39.5g |
付属品 | 充電ケース/ポーチ/イヤーピース(メモリーフォーム:S/M/L)/充電用USBケーブル/クイックスタートガイド |
全てがNoble Audio史上初。
最高クラスの性能を誇る「ドライバー」「SoC」「コーデック」の三位一体設計。
・ドライバー:MEMSドライバー搭載ハイブリッドドライバー構成
・SoC:心臓部も最上位へ現行最新世代SoC「QCC5171」搭載
・コーデック:最高品質コーデックフル対応「aptX adaptive」「LDAC」「LC3」に対応
Qualcomm製SoC「QCC5171」を搭載 Bluetooth5.3とLE-Audioに対応
最新「QCC5171」を搭載でQualcomm(クアルコム)の技術「Snapdragon Sound」が使用可能、44.1kHz/16bitのロスレス伝送に加え、ハイレゾ伝送も実現可能。遅延もかなり小さく抑えられるようになっている。
LE-Audio LC3対応、SBCの半分のビットレートで、SBCと同じ品質の音声を得ることができます。
※現時点では「Xperia 1 Ⅳ」「Xperia 5 Ⅳ」のみLE Audioに対応しています。
第3世代「Adaptive ANC」に対応
最近のANC(アクティブノイズキャンセリング)は性能が高く、非常に強い力でノイズをカットしてくれる。魅力的な反面、快適性を損なっているという意見は長年の課題であるようにも思える。「Adaptive ANC」はユーザーの耳や周りの環境に合わせ調節をしてくれることで、パフォーマンスを落とさずに快適性を確保してくれる。
FALCON MAXでは奥まで刺さりやすい筐体と付属のフォームタイプのイヤーピースにより、パッシブとしても遮音性が高い。その上で「Adaptive ANC」の技術を使うさらになる快適なポータブル環境を提供してくれている。
デザイン/操作性
e☆イヤホン仙台駅前店ワイヤレス担当 ざっく
デザインはNoble Audioらしく、お洒落で硬派な深いネイビーカラーで所有欲が満たされます。機能面も妥協がなく、最新スペックで完全ワイヤレスイヤホンに求める機能がほとんどを網羅!使用感は、がっちり耳に収まってくれるタイプのイヤホンで、普段使いであれば特に外れそうな心配もなく使用いただけます。これだけ進化して帰ってきた。NobleのFalconシリーズ最新傑作ぜひお試しください!
音質
e☆イヤホン仙台駅前店 つのっち
一聴して感じたのは音場の広さです。高域に割り当てられたMEMSドライバーのおかげか、シンバルのアタックやサスティンなど高域のおいしいところは強調しながらも刺さらず、他帯域を邪魔しない音の分離感があります。
また、ダイナミックドライバーに割り当てられた低域は豊かに鳴りながらもぼやけず、サウンド全体の明瞭なイメージを崩さないようなチューニングがなされているように思います。
各帯域の明確な定位により音に奥行きが生まれ、自然な音場の広さに心地よさを感じました。
高域の高解像度かつ繊細に鳴っているMEMSドライバーが特徴的。優しくなりつつも、低域のダイナミックドライバーがしっかりと厚みを確保してくれている。全体として控えめな鳴り方で、明瞭度と迫力が明確に感じられるためには少し大き目な音量が必要だとも感じました。音量と共に本領を発揮してくれる。
まず新型のドライバーを採用するチャレンジと更にハイブリッドでここまでのサウンドクオリティを実現させられるのは、Noble Audio 今までにオーディオで培ってきた技術のなせる業だと感じます。
着用/写真
比較的大き目のサイズとなる筐体ですが、ノズル直前まで窄まっている形状なので装着は大きさの割には着用しやすくなっている。付属のイヤーピースはフォームタイプのため、イヤーピースのサイズ感もそこまでシビアではなく合わせやすい。奥まで刺さる形状でフォームタイプのイヤーピースで遮音性も高く感じることが出来る。
まとめ
現在”MEMSドライバー”搭載イヤホンがいくつか発表されていますが、カスタムIEMをはじめとする実力派メーカーNoble Audioから発売することもありかなり注目度が高い製品となります。期待を裏切らず完全ワイヤレスで高次元での高音質を実現したと言えるでしょう。新技術で今後のオーディオがまた楽しみになる製品でした。
今回ご紹介した「Noble Audio FALCON MAX」はe☆イヤホンリアル店舗全店で試聴が可能です。
是非実際に新技術を体験してみてください!