e☆イヤホン秋葉原店ヘッドホン担当のよしけい(@eear_yoshikei)です。
突然ですが皆さん!DTMやってますか?
DTMとは、デスクトップミュージック(Desk Top Music)の略で,ざっくり言うと自宅などでパソコンを使用して作曲や編曲を行うことです。
そういえば…e☆イヤホンで取り扱っているものの中で、DTMには必須ともいえるものありますよね?
そう!モニターヘッドホンです!!
モニターヘッドホンは、
- 普段はスピーカーでミックスしてるけど夜で大きな音を出せない時
- スピーカー環境下ではチェックしきれない細かい音をチェックする時
- 実際ヘッドホンで聴いたときにどのような音を出しているかチェックする時
等々使用用途は多岐にわたり、楽曲のクオリティを向上させるためには欠かせない大事な機材の1つです。
そもそもモニター用って普通のヘッドホンと何が違うの?という方は、以前ののさん(@eear_nono)がかなり詳しいブログを書かれているので、是非そちらもご覧ください。
関連記事:【モニターイヤホン/ヘッドホンってどんなのを選んだらいいの?】そもそも「モニター用」って何?【連載・第1回】
本記事では、最近DTMを始めた。もしくはこれからDTMを始めたい、興味があるという方にむけて、
初めての1本を選ぶうえで是非チェックしてもらいたいオススメのヘッドホンを紹介します!
【迷ったらこれ!おすすめエントリーヘッドホン2選】
モニターヘッドホン買うぞ!と思い立って色々調べてみたはいいものの、自分の中でこういうヘッドホンが欲しいという具体的なものがあまり定まっていないというかたもいるのではないでしょうか?
なんでもそうですが、自分がいったいどういう製品を求めているのかを具現化することは結構難しい…
だからこそこれからの基準となる1番最初のデバイスは結構大事なのです!
ここでピックアップする2機種は、とりあえずで買っても満足できるであろうしっかりとした表現力を持っているものであり、次へ進むためのステップとしてもいいヘッドホンだと思ったものを紹介しています!
MACKIE MC-100
MACKIEといえばミキサーやマイクなどでもコスパ◎の製品達をリリースされていますが、モニターヘッドホンでもその実力は健在です。
MC-100は録音などにも向いている密閉型のヘッドホンです。
音質は若干高域が少なめで中低域がメインとなるバランスです。そのおかげで特に中低域に対する解像度が高く、ベースやバスドラムの見やすさ、調整のしやすさは同価格帯の中ではかなり優秀なものとなっています。
また、少ないと言った高域も足りないわけではなく中低域と比較した相対的なものなので、全然聴こえないということは無いでしょう。
設計面もしっかり作りこまれており、約230gと比較的軽いヘッドホンですが、バンド部は金属パーツで出来ていたりと耐久性も高く、長期間使いつづけることになるモニターヘッドホンとして非常に頼もしい設計です。
また、ケーブル長が3mと比較的長めで、楽器演奏等でちょっと離れたアンプに繋いだりすることを考慮した設計になっております。
AKG K-240 STUDIO-Y3
K-240 STUDIO Y-3は開放型の定番メーカー、AKGのエントリーモデル。K-240 STUDIO Y-3自体は半開放型のヘッドホンとなります。
エントリーといえどもその実力は確かなもの。
音のバランスは若干低域が弱め。ただ、その弱点を持っているとしてもそれを覆すレベルで優秀なのが中高域の表現力と空間の広がり(定位)です。
高域は人間が不快に感じてしまう帯域もあったりするので制作時の処理が重要な部分も多く、ヘッドホンやスピーカーの性能がかなり影響する部分でもあります。
K240 studioはその中高域の解像度が高いので、刺さる音はちゃんと刺さるように出してくれるので修正がかなりしやすいです。
また、広いホールで音が拡散し、減衰していく様子をしっかりと表現してくれるので、楽器毎の位置の把握がしやすく、スタジオを想定した音作りやホールを想定した音作りといったシーンの再現も作り込めるヘッドホンとなっております。
加えてサポート面にはなりますが、2022年9月現在、メーカー保証が3年間というのも嬉しいポイントです。
モニターヘッドホンは長い間使い続けてこそ価値が出てくるものでもあります。その中での3年という期間は安心して使い込める期間として十分なものになっているではないかと思います。
【せっかくならより良いものを!U25000ヘッドホン4選】
初めてのモニターヘッドホンだったとしてもせっかく買うのであればしっかりお金かけてより良いものを買いたい!という方もいらっしゃると思います。
ここからは、執筆時点(2022年10月)で10000~25000円という区切りを付け、そのなかでそれぞれ特徴を持った4機種をご紹介します。
audio-technica ATH-M50X
・概要
現在audio-technicaは数千円のエントリーから3万円代まで計6種の密閉型モニターヘッドホン、Mシリーズを出していますが、そのなかでもe☆イヤホンで最も人気のあるのがこのATH-M50Xとなっております。
通常カラーがブラックとホワイトに加え、定期的に数量限定の特別カラーモデルを出しています。(最新モデルはDeep Seaという深い青色でした。)
・音質
全体的にバランスはいいですが、若干低域が強く出るような方向性です。ただ、その低域の量感のおかげで低域が見やすく、低域の分解能が必要となってくる最近のEDM系統の楽曲との相性は良いと思います。
また、左右の分離感に優れており、バンド系のサウンドのミキシング、マスタリングまでやりやすいと思います。
・造り
しっかりと耳を覆ってくれる形状のイヤーパッドで、若干側圧が強めではありますが、そのぶん遮音性は高いです。耐久性も高く、ヘッドバンド部の内部パーツなどに金属を使用し堅牢さもかなりのものになっています。
また、着脱可能なケーブルは1.2mストレートケーブル、1.2mカールコードケーブル、3mストレートケーブルと充実の3種類付属。使用環境に合わせてお好みのものを選ぶことができます。
・こんなひとにおすすめ
低域をしっかりモニタリングしたい人、ヘッドホン1台で録音からMIX、マスタリングまで完結させたい人におすすめです。
Austrian Audio Hi-x15
・概要
Austrian Audioとは、元々老舗ヘッドホン、マイクロフォンメーカーであるAKGに在籍していたエンジニアたちがコアとなり立ち上げたメーカーです。
Austrian Audioは2022年9月時点で5点の有線ヘッドホンを出していますが、Hi-X15は一番お求めやすいエントリークラスに位置します。
優れた音質をリーズナブルに。楽曲制作にも、音楽鑑賞にも。1台で完結できるヘッドホンをと考え、製作されたヘッドホンになります。
・音質
全体的に癖のないすっきりとした音が特徴です。中高域がしっかりと出る分若干低域は控えめではありますが、私としては足りないと感じるほどではなくしっかり存在感はあります。
また、密閉型でも空間の表現に富んでおり、前後左右の描き分けが非常に聴きやすく、例えばバンドであればボーカルはしっかり前に、ドラムなどの楽器隊は一歩引いたところに位置づけられているといった空間づくりもやりやすいですし、オーケストラ等の広いホールで演奏している音楽で、演奏が鳴り終わった後、徐々に音が減衰していく様子等も把握しやすいです。
・ハード面
すっぽり耳を覆ってくれるイヤーパッド。他のオーバーイヤー型のヘッドホンよりも比較的広く、パッドの背も高いのでほぼ耳をつぶすことなく装着できる人がほとんどではないでしょうか。折りたたみもできるので収録の際スタジオなどに気軽に持っていくこともできます。
・こんな人にオススメ
密閉型の中では比較的空間表現に富み、帯域のバランスも癖がないので、スピーカーなどのほかのモニター環境を使用せず、ヘッドホン1台で録音からMIX、マスタリングまで完結させることを考えている方におすすめです。
AKG K702-Y3
・概要
某アニメで話題にもなったK701の後継機にあたる当機。
2022年現在は生産終了となっていたK701もリバイバルし、e☆イヤホンでの販売価格もほぼ変わらないのですが、今回は音質のバランスの良さやケーブルが着脱可能になったりとおすすめポイントが増えているK702のほうを挙げさせていただきました。
・音質
開放型としての音の抜けの良さもあり比較的柔らかい音です。
帯域のバランスはしっかりフラット。そして、K240 Studioでも書きましたが、AKGの中広域の解像度の高さは頭一つ抜けてます。空間表現、バイオリンやフルート等楽器の音、歯擦音の刺さり等々原音忠実性は確実に楽曲制作を楽にしてくれることでしょう。
・造り
幅広なヘッドバンド、耳を優しく包み込んでくれる大き目のベロア性イヤーパッド、ゴム性のアジャスター…締め付けのないやわらかい装着感で長時間作業にも向いています。
私的には装着感の良さという点では今回紹介するヘッドホンの中で1番おすすめです。
・こんな人におすすめ
装着感の良さ、音の柔らかさから、長時間ヘッドホンでの作業をやりたい、もしくは必要なかたにおすすめ
Sound Warrior SW-HP300
・概要
セミオープン型と少し変わった形状のヘッドホン。要はちょっとだけ外側が空いてますよ。ということなのですが、密閉型の迫力と開放型の抜け感を併せ持つヘッドホンが多く、音質的メリットを狙ってセミオープンで設計するメーカーもいたりします。
Sound Warriorは質実剛健なモニターヘッドホンを作るメーカーとして根強い人気を持つメーカーです。
SW-HP300は現在販売中のヘッドホンのなかでは最上位機種にあたります。
「音楽鑑賞をより深く、より濃密に」というコンセプトの元つくられたヘッドホンで、音楽鑑賞でも楽曲制作でもその実力は確かなものとなっています。
・音質
下から上までまんべんなく迫力をもって鳴らしてくれます。音数が多い曲でも1音1音しっかり聴き取り、曇らない音を作ることができるのではないでしょうか。
特に低域の表現力は確かな物。ただ単に量感多くといったわけではなく、振動に近いレベルの低い音まで発音し、ぼやけず自然に減衰していきます。
また、こういう迫力重視の音のバランスは全体を俯瞰してみると平面的になりがちなんですが、ここでいい味を出してくれるのがセミオープンという構造です。
程よい音の抜け感を出してくれることで音の余韻が生まれ、音に立体感がプラスされます。
・ハード面
Sound Warriorのヘッドホンの特徴として耳に対して前後が非対称のイヤーパッドがあります。人間の骨格を考慮し、イヤーパッドの下部、後ろ側が他の部分に比べてぶ厚くなっており、これが安定した装着感に繋がり、ヘッドホンの位置がぶれにくく、より理想の出音を把握することができます。
・こんな人におすすめ
なんといっても特徴的なイヤーパッドからくる装着感の絶妙さ。一般的な形状のヘッドホンの装着感があまりしっくりこないという方は是非一度e☆イヤホンなどの試聴、試着できるお店で体験してもらいたいヘッドホンです。
さいごに
いかがでしたでしょうか。
最後に、今回6機のヘッドホンを挙げさせていただいたきましたが、一言でモニターヘッドホンと言ってもメーカーや価格帯によってその特徴は様々ですので、可能であれば試聴したうえでお選びいただくことをお勧めします。
今回ご紹介させていただいた、ヘッドホン各機はe☆イヤホン各実店舗で試聴可能となっております。※一部製品に関しましては試聴機を置いていない店舗もございます。詳細に関しましてはお手数ですが、各店舗へお問い合わせください。
以上、e☆イヤホン秋葉原店からよしけいがお送りいたしました!
秋葉原店ヘッドホン担当よしけいです!DTMerで個人サークルで同人活動やってます。エレクトーンもちょっと弾けます。