ついに登場した新フラッグシップ! final A8000の発表会をご紹介します。
皆さんこんにちは。
イヤホン・ヘッドホン専門店『e☆イヤホン』のだいせんせいです。
本日秋葉原で行われた、finalの新製品発表会に行ってきました。
今回発表されたのは、finalの新フラッグシップ・イヤホンである『A8000』!
先日のヘッドフォン祭以降チラリチラリと語られていたので、注目していた方も多いのではないでしょうか。
今回の発表会はメディアだけでなく一般ユーザーも参加可能となっており、試聴ブースでは新機種をいち早くチェックしようとたくさんの方が訪れていました。
というわけで、そんな発表会の様子をご紹介します。
発表会には、同社代表・細尾さんがご登壇。「プロトタイプの作成から今日の発表まで、2年以上かかった」と感慨深く語られたA8000。その詳細とは?
A8000で目指した製品コンセプトは『音楽を聴く高揚感をトランスペアレントな音で実現する』こと。
D8000で達成したサウンドをイヤホンで実現すべく、優れた特性を持つイヤホンの開発が進められてきました。
従来の時間応答性の測定方法では、必ずしも改善=音質の向上につながらず、なんとfinalでは独自の新たな評価方法を開発!
出てきた結論は、「振動板が軽く、剛性が高く、音速が速いこと、磁気回路が適切な設計であること」という一般に語られる内容に。しかし、その関係性を定量化することが可能になったことは大きな意味があったとのこと。
そこで選ばれたのが、振動板に最も理想的な材料といえる「ベリリウム」を使用した振動板。
ベリリウムは図解の通り、振動板として理想的な性質を持つ素材です。しかし、その加工難度から採用されている製品はあまり多くはありません。
finalは長年の研究やノウハウから、今回のトゥルーベリリウム振動板の採用が実現しました。
しかも、いわゆる「ベリリウムコート」とは異なる、正真正銘の「トゥルーベリリウム振動板」です。
コーティングと比べても、ベリリウム自体の性質の良さがより強く反映されているとのこと。
こちらがA8000の内部構造。
高性能なドライバーユニットを生かすため、複数のチャンバーを筐体内に配置する『テトラチャンバー構造』を採用。精密なアコースティックバランスのチューニングを実現し、当初のコンセプトである『トランスペアレントな音』が達成されました。
そして、珍しくデザインについてのお話も。
finalでは「見た目の格好良さ」を重視するデザインは一切許されず、論理を追求した先にあるデザインにたどり着くまで、徹底して設計されるとのこと。
確かにfinal製品を思い返してみると、すべての製品が音質設計ありきのデザインになっているように思います。このブレなさもまた、finalの魅力ですね……。
そして付属品のお話!
先日の発表から大きな反響があった『MMCX ASSIST』が同梱されています。
やはりハイエンドな製品ということもあり、コネクタの着脱などでの破損や断線を防げるのは嬉しいポイントです。
ケースはおなじみの円形ケース……と思わせつつ、実はアルミ切削の造りに一新。
寸法はそのままに、外側をアルミ素材、内側をシリコン素材にすることで、より強固にイヤホンを保護することが可能になりました。
修理依頼も少なくなかったというダストフィルター部も、ユーザー側で交換が可能な設計に。
予備も同梱されるので、目詰まりなどの不調が起きた際にも安心して使用し続けることができます。
耳かけ用のイヤーフックもおなじみ……と思わせつつ、なんと金型から一新されているとのこと!
快適な装着感に加え、ケーブルへのロック機構を追加。ケースなどに収納した際にもイヤーフックがケーブルから外れてしまうという問題点が解消されています。
イヤーピースはおなじみのEタイプ。
新しいイヤピも開発中(!)とのことですが、Eタイプの完成度の高さゆえ、なかなか難航しているのだとか。
そして今回はイヤーピースケースも付属! 普段使いにも嬉しい配慮ですね。
また、今回は振動板にベリリウムを採用していることもあり、同素材の安全性についてのアナウンスもありました。
耳に直接装着するイヤホンというジャンルだけに、こういったところまでしっかりと配慮して公開してくれるのは非常にありがたいポイントです。
……というわけで、発表は1時間ほどで行われました。
finalの製品へのコダワリがぎゅっと詰まった濃密な内容で、A8000のプロダクトデザインの魅力が余すことなく届けられたのではないでしょうか。
最後に試聴させていただく機会があったので、その音をさっそく試してみることに……!
一聴して感じたのは、やはり音のディテールのリアルさ、そしてスケールの広さ。D8000のコンセプトを踏襲しているだけあって、その質感の巧さと居心地の良さは至高のもの。
それでいて、立ち上がりの良さや、イヤホンならではの緻密な描写もボヤけることなく兼ね備えており、この辺りはベリリウムを採用した振動板の恩恵が活きているように感じます。まさに「イヤホンのフラッグシップ」へのfinalの回答がしっかりと出ているモデルだと思いました。
また、MakeシリーズやBシリーズから連なるIEMタイプの筐体も優れた形状で、フィッティングも秀逸。装着周りの細かな煩わしさでリスニングを妨げることもなく、イヤホンとしてのトータルの完成度の高さはさすがのfinalです。
惜しむらくは、「静かな部屋で1人で聴きたい」と思わされてしまうこと。なんというか、じっくり聴きたくなる音なんですよね。数分の試聴で堪能しきるのはあまりに難しい……! 懐が寒くなりそうです。うう。
以上、final A8000新製品発表会のレポートでした!
A8000は12月13日発売予定です。
また、製品の詳細については商品ページの他、こちらの記事もあわせてご覧くださいませ!
お相手はだいせんせいことクドウでした。それではまた次回。
※記事中の商品価格・情報は掲載当時の物です。