先月末に配信された、FiiOのDAP製品用の最新ファームウェアを細かくチェック!

 


 

 

皆さんこんにちは。

イヤホン・ヘッドホン専門店『e☆イヤホン』のだいせんせいです。

 

皆さん、FiiOのDAP(音楽プレイヤー)を使ったことはありますか?

 

M9(2018年発売)

 

FiiOは2013年頃からDAPを展開しており、他製品同様に低価格・高品質なモデルを多数発売し、好評を博していました。

スクロールホイールやAndroidOSの搭載、交換式アンプモジュールなど、変化を恐れずに様々な革新を続けてきたFiiO。

 

しかし、そんな中でも評価が二分されていたのが、ずばりファームウェアでした。

優れた完成度を持つハードウェアに対し、ソフトウェア側も決してクオリティが低いわけではなかったものの、やや不安定な動作などが指摘されることもありました。

ただ、当時のFiiOはソフトウェア開発を外部企業に委託しており、カユいところに手が届かないという歯がゆさがあったと言います。

 

X7(2015年発売)

 

そこでFiiOは、2018年発売の『M7』から始まったMシリーズにて、自社内にソフトウェア開発チームを設立。

自社内によるファームウェア開発に乗り出したのです。

 

M7(2018年発売)

 

そこから約半年の時を経て強化されてきたFiiOの自社製ファームウェア。

先月末には、AndroidOSを搭載しているXシリーズ(X5 3rd、X7、X7 MarkII)にもアップデートが実施され、より多くの方に、より優れた品質のファームウェアをご使用頂けるようになったのです。

 

本記事では、「FiiO自社開発ファームウェアのマイルストーンになる」との声も高い最新ファームウェアを詳しくチェックしていきます!

 

 

 


 

インターフェースが一新

旧ファームウェア(左)、新ファームウェア(右)

 

アップデートに伴い、インターフェースが一新。

画面内に多くの情報が表示され、より直感的に様々な設定が行えるようになりました。

多くの音源を管理している方であれば、ハイレゾ音源に表示される『HR』の表記が嬉しいところではないでしょうか。

 

楽曲一覧にも『HR』アイコンが表示される

ちなみにDSD音源はちゃんと『DSD』アイコンが表示される

 

ちなみにロスレスで24bit/96kHz未満の音源は『SQ』(Standard Quality)表示になるとのこと。

いわゆる日本オーディオ協会基準とはビミョーに異なる部分ですね。

これについては「お客様からご意見を集めたい」とのことなので、気になる方はぜひ後述のFiiO JapanのTwitterアカウントをご参照下さいませ。

 

 

 

楽曲一覧

レスポンスの良さやアートワーク読み込みのスピードが向上しており、かなり実用的にパワーアップしています。

また、数千曲が入ったSDカードをスキャンした上でスクロールしても、殆どカクつかずに快適に操作が出来ていますね。

ある程度キャッシュもされるようになったとのことで、一度読み込んだアートワークをスムースに表示してくれるのも嬉しいポイント。

 

▼多数の楽曲が読み込まれていても、快適にスクロール可能。アートワークもキャッシュされている

(ところどころ歯抜けになっているのは、筆者のアートワーク設定漏れ)

 

また、従来だと中国語読み(ピンイン)順になっていた日本語楽曲のソートが修正され、数字→ABC→ひらがな→カタカナ→漢字の順に表示されるようになりました。

ここは多くの楽曲をお持ちの方ほどシビアになる部分だと思いますので、精度の向上は「待っていた!」という声も多いのではないでしょうか。

 

 

 

設定メニュー

画面左に表示される設定メニューも、各種機能の追加に伴い変更されています。

表記自体のローカライズもより正確になっており、わかりやすく設定が可能です。

 

旧ファームウェア(左)、新ファームウェア(右)

 

 

 

各種新機能

ここから、新ファームウェアで実装された新機能をご紹介していきます。

 

選曲時NowPlaying移行

楽曲を選択した際、旧ファームウェアでは小さい再生中ポップアップが画面下部に表示されていましたが、新ファームウェアでは直接再生画面に移行することが出来るようになりました。

 

旧ファームウェア(左)、新ファームウェア(右)

 

日本だと《選曲→再生画面》というインターフェースが一般的なので、オプションで選択出来るようになったのはかなり細かいながら、こだわる方には非常に嬉しいポイントです。

 

 

 

リプレイゲイン機能

リプレイゲイン(楽曲ごとの音量差を一定にする機能)が設定出来るようになりました。

これにより、録音レベルの異なる複数の楽曲でも違和感なく連続再生が可能になります。

様々なアルバムをシャッフルで再生する方にはありがたいですね。

 

 

 

HWA対応

ファーウェイの高音質Bluetoothコーデック規格『HWA』にも新たに対応。

未だ対応製品は少ないながら、今後を見据えてより多くのBluetoothコーデックに対応してくれるのは安心出来ます。

 

 

 

WiFiファイル送信

Wi-Fiを用いて、音楽ファイルの転送が可能になりました!

まず、送信元(PC or スマートフォン)とDAPを同一のネットワークに接続し、DAP側で『WiFiファイル送信』を選択します。

 

 

URLが表示されるので、PC上でブラウザにURLを入力すると、ブラウザ上でファイルの管理が行える画面が表示されます。

 

 

こちらに音楽ファイルをドラッグ&ドロップするだけで、簡単に送信することが可能。

ちなみにスマートフォンからだと、スマートフォンのブラウザから送るのに加えて『FiiO Music』のファイル送信機能でも送ることが出来ます。

 

送信元とDAPを同じWi-Fiに繋ぐだけで使えちゃうので、煩わしい設定なども必要なく、快適なファイル管理が行えますね。

特にX7などはmicroSDスロットにSIMトレイ方式を採用しているので、着脱が面倒という方にも便利なのではないでしょうか。

 

 

 

FiiO Link

『M9』『M6』同様、FiiO Linkが使用出来るようになりました。

スマートフォンとDAPをBluetoothで接続することで、スマートフォン上からDAPを操作することが可能になります。

 

画像はM6(2019年発売)のもの

 

特にXシリーズはMシリーズと比べても筐体サイズの大きなモデルが多く、DAPをカバンやポケットに入れたままで操作が出来るのは非常に便利。

Mシリーズユーザーはすでにお使いの方も多いかと思いますが、Xシリーズユーザーもぜひその恩恵をご体感して頂ければと思います!

 

 

 

新しいわけじゃないけど個人的に好きな機能

Google IME搭載

今回のバージョンアップ以前から搭載されているものですが、FiiOの現行DAPではGoogle IME(日本語入力)が標準搭載されています。

 

 

これによりフリック入力も可能で、ファイル検索やプレイリストの作成時など、日本語入力が非常に楽です。

細かいポイントですが、多用する方にはありがたい仕様ですね。

 

 

 


 

以上、FiiOの新ファームウェアのご紹介でした。

「明らかにまるっきり何もかもが変わった」というほどの大型のアップデートではないながら、

細かく突き詰めていくと思わず膝を叩きたくなるような、まさに「カユいところに手が届いた」といえる、着実な進化が感じられるのではないかと思います。

 

これらの進化はFiiOの自社内製による開発力の向上はもちろん、輸入代理店のエミライのスタッフが何度もFiiO本社に行き、地道なローカライズやUIのミーティングを重ねた結晶なのだとか。

今後のDAP製品もAndroid版FiiO Musicに準拠した形で登場するとのことで、FiiO JapanのTwitterアカウントにてご意見を募集中とのことです。

お手に触れてみて「こうしたほうがいいんじゃないか」というご意見・ご感想などがありましたら、ぜひぜひお送り下さい!

 

 

 

お相手はだいせんせいことクドウでした。それではまた次回。


 

※記事中の商品価格・情報は掲載当時の物です。