「桐ヘッドホン」ONKYO SN-1が目指した音質とは!?


 

 

 

日本橋PR部のかわちゃんです。

 

今回の記事でご紹介させていただく製品は普通のヘッドホンではなく「生きた音」をコンセプトに開発したONKYOが誇るハイエンドヘッドホン

 

 

ONKYO SN-1

 

 

 

 

 

 

好評発売中です!

 

 

今回メーカー様よりサンプル品をお貸し出し頂いたので実際の使用感や音質についてレビューをさせていただきます。

 

 

さて、ONKYO SN-1の大きな特徴といえばコンセプトの「生きた音」を実現するためにヘッドホンの重要なパーツの素材に自然素材を使用した点でしょう。

 

 

ハウジングに桐を使用

 

 

軽く、割れや歪みにくい木材で桐箱や高級家具の代名詞の桐たんすの他にも、音を美しく響かされるという特徴があり日本古来の和楽器「琵琶」や「琴」などに昔からよく用いられた素材です。

 

桐は多孔質(細かい穴の空いた構造)で音の濁りが非常に少ないことに加え音を美しく響かせるという音響的に優れた性質を持っていますが、逆に響きすぎるという弱点も。開発する際には響きをうまくコントロールしてヘッドホンに組み込むという点に苦労されたようです。

 

 

ハウジングに削り出す前の素材もお貸し出し頂いたのですが手に取るとその軽さに驚きました日本で取れる木材の中では一番軽いらしいです。

 

 

 

断面を拡大してみると細かい穴が沢山。これがいわゆる多孔質ってやつですね。

 

 

また同じ桐の中でもヘッドホンに最適な物を求めた結果、福島県会津地方産の桐に行き着いたとのこと。

厳しい環境の中で育った桐で外国産の物と比べしっかりと詰まった粘り強い素材というのが特徴です。

 

 

 

そして加工後のハウジングがこちら。やはり桐だけあってめちゃめちゃ軽いです

 

 

注目して頂きたいのは完成品では見れないハウジングの裏側。均一に美しい彫り込みが施されています。この彫りは何度も失敗を重ねながら、試行錯誤のすえ完成させたとのこと。この独特な彫り込みは「綾杉彫り」と呼ばれ和楽器の琴にも使われている技法。その乱れた反射をコントロール効果があります。こういった物がヘッドホンにも施されるとはグッっと来ますね。

 

 

 

「セルロースナノファイバー」100%の振動板

 

 

 

ヘッドホンにおいてもう一つ重要なパーツは心臓部となる振動板。開発者様は「生きた音」を実現するために振動板に軽く、固く、そして素材の性質による不要な響きがないという特徴を求めました。

そして行き着いたのが鋼鉄の1/5の軽さで、5倍の強度を持つ「セルロースナノファイバー」

他社製のヘッドホンにも幅広く使用されている素材ですが今回世界初の試みとしてセルロースナノファイバーを100%使用というのが大きなポイントです。

剛性が高く軽量のため、高音が伸びやすく、また雑音が生じにくいという理想に近い特性を獲得しました。

 

 

メーカー様より実際にヘッドホンに使われているドライバーのサンプルをお貸し出し頂いたのですが透けて奥が見えるほどの薄さ。成形する前はドロドロの液状の素材をここまで均一にかつ高精度に成形できる技術力って凄いですよね。

 

 

 

外観

 

 

 

まずは外箱から。なんと高級な食器の入れ物などに使用される正真正銘の桐箱です。

 

 

パカッ。パッケージの仕方がとっても綺麗。プレミアム感あふれる梱包に思わずニッコリしてしまいました。

 

 

本体。ガタツキやきしみなどがほとんど感じられない丁寧な作り込み。

 

ヘッドホンのベース部分には軽量でかつ強靭なマグネシウム合金を使用しているので非常に剛性感があるのも特徴です。ただ剛性を高めるだけではなく、ドライバーの振動による不要な共振を最小限に留めるという役割も担っています。

また更に音質を磨き上げるために、ベースから桐への音響をなめらかにつなぐため、その間に硬度の高い木材・アッシュを挿入。桐とアッシュの接合面には組木構造を用いています。

さらに、ベース、ハウジング、ハンガーの連結部にゴムの素材を挟むフローティング構造や、ドライバーとジャックの距離の最短化、高品位のジャックなど、
音質を高める工夫を積み重ねたとのこと。

 

 

桐の美しい風合いを活かすために塗装は楽器に施される技法と同じ物を採用。色合いを損なわないために極めて薄い塗膜を施し、その美しさを守ります。それ以外の部分は、木の色を引き立て自然を感じさせる茶色で統一しています。

 

 

ヘッドホンはリケーブル可能。ヘッドホン側のコネクタは3.5mmミニプラグを採用そしてなんとケーブルは3.5mmアンバランスプラグと2.5mmバランスプラグ2種類付属。

 

 

ケーブル自体は取り回しが良い布巻ケーブル。芯材はOFC リッツ線を使用しております。

スリーブなど高級感がありケーブル分岐部など仕上げが非常に丁寧に行われています。

 

装着感

 

 

ヘッドホンにおいて重要なポイントは装着感。ONKYO SN-1は装着感においても非常にこだわって作られた製品であります。

肉厚なイヤパッドとヘッドバンドの素材には高級車の代名詞フェラーリの内装にも使われる「アルカンターラ」を使用。触り心地は滑らかで、しっとりとした触り心地が特徴となっております。

 

 

 

実際に装着してみると大ぶりなサイズな製品にもかかわらず高い装着感にびっくりしました。肉厚で大きめのイヤパッドとヘッドバンドはフカフカ。頭をふんわりと包み込まれるような感覚です。

太いヘッドバンドと大きなイヤパッドのおかげでうまく圧力を分散させておりアタリが少なく長時間装着していても快適。むしろ装着しているのを忘れてしまうぐらい。

また軽さと丈夫さを追求するためにヘッドホンアーム部分には航空機などのパーツにも使われる超ジュラルミン素材を使用。軽さと丈夫さを両立しました。

 

 

 

実際にONKYO SN-1を聴いてみました

 

 

 

さてお次は気になる音質レビューです!

 

 

 

ウッドハウジングのヘッドホンと言うとウォームであたたかみのあるサウンドを想像するかもしれませんが、ONKYO SN-1は違います。

非常に透明度が高くスッキリとしたクリアなサウンド。音の輪郭はシャープではっきりと感じられ凛としたキャラクターが特徴となっております。

想像ではふくよかでまったりとした音質なのかなと考えていたのですがシャープで細身。カリッっとした音質にはいい意味で期待を裏切られました。

音の分離感がかなり高くメリハリの聴いた音質です。また密閉型にもかかわらず非常に音抜けがよく、壁を感じさせないというところに驚きました。ブラインドテストをすると開放型ヘッドホンかな?と答えてしまいそうです。

そしてSN-1のもう一つのいいところがくっきりクリアな音の中にほんのり感じられる有機的な響きにあると思います。ただキレキレ高解像ではなく自然な響きをもたせる事により、自然で気品あふれる仕上がりにまとまっております。この絶妙な響きはハウジングや振動板の試作を重ね試行錯誤を繰り返して開発した努力の賜物ですね。

 

 

 

 

オールジャンルというよりかは、相性のいい音源と合わせるとホームランというような4番バッター的なポジションのヘッドホンと感じます。

相性のいいジャンルでいうとズバリ室内音楽やブルース、静かな独奏、独唱系の音源。特に美しい女性ボーカルとの相性は抜群でシャープさと有機的な響きを両立したSN-1で聴くと心まで響くような体験ができました。

あとアコギとの相性もめちゃくちゃいいです。キレの良さの中に光るまさに楽器的な響き。たまりません。

 

 

DAPで鳴らしにくさは感じませんでしたが出来ればパワーのある据え置きアンプで鳴らしたほうがいいかもしれません。

特に真空管アンプとの相性は抜群で音が細くなりすぎず適度な厚みと肉感がプラスされるので互いの良さを引き立ててくれるでしょう。

ソリッドなDAPやアンプと組み合わせるとエッジがシャープになりすぎてしまう印象を受けたので個人的にはあたたかい音質の物と組み合わせるのがおすすめです。再生機器との相性で音質が大きく変化します。色々な物と組み合わせて楽しみたい一台ですね。

 

Youtubeでも紹介しています

 

 

 

 


 

 

なかなかプレミアムなお値段の製品ですが、本体はもちろん外箱までこだわり抜いた材質、デザイン。かなりの完成度を誇るヘッドホンなのでは無いでしょうか。

しっかりと作り込まれた印象を受けました。技術者の努力が垣間見えますね。

 

 

以上、最後まで読んで頂いてありがとうございます。

日本橋PR部よりかわちゃんがお送りいたしました。