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皆さんおはこんばんちは。

e☆イヤホンのりょう太です!

 

Pioneer SE-MONITOR5

 

本日発表になった新型ヘッドホン、Pioneer SE-MONITOR5の開発キーマンに取材をしてきました!

オンキョー株式会社 B2B事業本部 技術部 副部長

瑤寺 晃さん(写真右)

 

オンキョー株式会社 B2B事業本部 技術部 ヘッドホン設計課

大内 貴史さん(写真左)

 

— 今回、パイオニアブランドのSE-MONITOR5(以下 MONITOR5)のお話しをうかがう前に現行の開放型ハイエンド機、SE-MASTER1(以下MASTER1)について少しおさらいをして おきたいのですが、お二人はMASTER1の開発にも関わっていらっしゃったのですか?開発された経緯など教えてください。

 

瑤寺さん:わたしも大内もMASTER1の開発に関わっていました。 1970年代から80年代にかけて、パイオニアからはハイエンド機を含め、ヘッドホンを多数出していました。また、2000年代 にはヘッドホンの売上が右肩上がりだったので、お客さんが 買いやすいものを揃えようと進めてきました。近年は、ハイレゾという情報量の多いソースが現れたことで、以前はオーディオアクセサリーだったヘッドホンが音楽を聴く主役になってきており、今の時代にあわせたフラッグシップを作りたいという思いからMASTER1が生まれました。

 

— 現在 、開放型のハイエンドヘッドホンとしてMASTER1が販売されていますが、今回発売されるSE-MONITER5は密閉型。やはり密閉型の要望がユーザーさんからあったのでしょうか?

 

瑤寺さん:MASTER1はスピーカーに近い音を目指した結果、 開放型という形をとりましたが、パイオニアがかつてやっていた開放型のMASTERシリーズと密閉型で音漏れしにくいMONITORシリーズの二本柱は今後やっていきたいという社内的な思いと、お客様からの音漏れしない密閉型モデルも欲しいという要望、その両方がうまく結びついた形で今回のMONITOR5が生まれました。

 

— MONITOR5には「セルロースナノファイバー振動板」 という新開発のものが使われていると聞きました。似た名前の ものもありますが、これはどういうものでしょう?

左:MONITOR5の振動板 右:MASTER1の振動板

大内さん:セルロースを使った振動板として、代表的なものが紙の振動板になります。通常は木をパルプ状にして、荒い繊維をすいたものが紙の振動板になるのですが、セルロースナノファイバーは繊維をナノレベルまでほぐしたもののみで構成された材料になります。従来の振動板よりも軽くて硬い(高剛性)のが特長です。それにより迫力ある大きな音から微細な音までダイナミックレンジの広い音楽再生を実現しています。

 

瑤寺さん: 似た名称のものもありますが、セルロースナノファイバーはとにかく繊維が細かいのが特長で、ここまで細かいものを 振動板にするのは今まで技術的に難しく、スピーカーには既に搭載していますが、ヘッドホンに採用するのは今回が初です。金属に近い剛性を持ちながら内部損失が高く、素材固有の響きが発生しないため、振動板の素材としては極めて理想に近い材料なんです。

 

大内さん:MASTER1とは口径こそ50mmと同じですが、今回セルロースナノファイバー振動板を採用したことに加えてMONITOR5のドライバーにはフリーエッジ構造を採用するなどMASTER1とは全く異なる構造にしました。今までと異なる点は機構部にもあります。ヘッドホンはヘッドバンド がハウジングに固定されているものがほとんどですが、今回、ハウジングとベースのどちらに固定すれば音質が良くなるかを実験したところ、ベースに取り付けた方が音楽をリアルに再現することが分かりました。そこで、MONITOR5ではこれまでのヘッドホンとは異なりヘッドバンドをベースに固定する方法を採用しています。

 

— 言われてみれば珍しいですよね。ベースについてこだわりが言及されている例はあまり知りません。

ガッシリとしたマグネシウム合金製のベース。

瑤寺さん: そうなんです。お客様が手で触っていただけるハウジングについては木製とか金属製とかアピールされることが多いのですが、今回一番拘ったのは、音響変換機であるドライバーの能力を最大限引き出すため、ドライバーを取り付けるベースを高剛性のマグネシウム合金にしたことです。大内が説明したようにヘッドバンドもこのベースを起点に取り付けられており、ベースからヘッドバンドにつながるしっかりしたラインが、音楽の再現性を高めています。人間で言えば、体を支える骨格になっているわけです。

 

— 実際に音を聴いて感じたことなんですが、接続する機器や環境によって かなり音が変わりますよね?繋ぐ機器、上流の環境にこだわり甲斐があって個人的 にすごく楽しめると思いました。

 

瑤寺さん:そうですね。開発過程の中で評価機器の電源の取り方や置き方など、些細なことでMONITOR5の音に変化が出るので驚きました。

 

取材風景。

 

— それでは最後にお二人からユーザーさんに メッセージをお願いします!

 

大内さん:密閉タイプだとなかなか実現が難しい“見晴らしのいい音”に仕上げていますので、そこに注目して聴いていただきたいです。

 

瑤寺さん:密閉だとどうしても低音がドコドコ鳴るイメージを抱かれる方が多いと思いますが、大内が 言っているように全体域に渡る見晴らしの良さを体験いただきたいと思います。それに加えて、セルロースナノファイバー振動板を使ったドライバ ーのリアルな中域、特に声の中低域の質感を感じていただければと思います。

 

SE-MONITOR5スペック
型式 密閉型ダイナミック
使用ドライバー φ50 mm(フリーエッジ構造採用)
再生周波数帯域 5 Hz 〜 85 000 Hz
最大入力(JEITA) 1 000 mW
出力音圧レベル 99 dB
インピーダンス 40 Ω
質量 480 g(コード含まず)
ハウジング・ベース素材 マグネシウム合金
付属コード(3本、着脱式) ① 1.6 m バランスコード(OFC リッツ線、ツイストタイプ)
(コネクタ部:φ2.5 mm4極ステレオミニ/I型)

② 3.0 m アンバランスコード(OFC リッツ線、ツイストタイプ)
(コネクタ部:φ3.5 mmステレオミニ/I型)

③ 1.6 m アンバランスコード(OFC リッツ線、ツイストタイプ)
(コネクタ部:φ3.5 mmステレオミニ/I型)

付属イヤーパッド ベロアタイプ1セット(出荷時装着)、レザータイプ1セット
その他の付属品 φ6.3 mmステレオプラグアダプター(φ3.5 mmプラグ対応)、キャリングポーチ

 

 

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