どうも僕です。4月に入ってからすっかりブロガーと化してますがちゃんとWEBのお仕事もしてますよ。
最近、せっかくGRANBEATが手元にあるので2.5mmバランス接続を楽しむべく、JH4ピン用の2.5mmプラグのケーブルほしいなぁとか思い始めました。来年になったら買おうかとか考えてます。
というところで本日のテーマはこちら!
WESTONEイヤホン全機種聴き比べ&レビュー
WESTONEといえば、去年の10月末あたりにW60に変わるWシリーズの新しいフラッグシップ機として『W80』がリリースされましたね。かなり高額な部類に入るものの、その高い音質、完成度によりポタフェスなどのイベントでご試聴いただいたお客様からも好評を得ています。
また、W60のカスタムIEM版にあたる『ES60』も非常に人気が高く、e☆イヤホンスタッフでも所持者が高い機種になっています。僕も欲しいです。
そんなわけで今回は、そんなWシリーズの系譜をたどっていきましょう。
W10
スペック
ドライバー構成 | BAドライバー×1 |
入力感度 | 122dB |
インピーダンス | 27Ω |
周波数特性 | 20Hz – 16kHz |
WESTONE Wシリーズにおいては最も安価な、エントリーモデルにあたる機種です。ドライバー構成や価格帯を見ると、先日記事を書いたSHUREのSE315を彷彿とさせますね。
(→関連リンク:【聴いてみた】SHUREイヤホン全機種聴き比べてみた!)
SHUREのSE315がかなり中音域寄りで、ボーカルが聴き取りやすいチューニングだったのに比べると、このW10は高音域寄りの音になっています。
シングルBAらしいスッキリした音で、聴きやすいです。高音域はかなり引き締まっており、シンバルやハイハットなどの金属が叩かれる音がシャキシャキとはっきり聴き取ることができます。ただ、人によっては刺さるかなと感じるかもしれません。気になる人はフォームイヤーチップなどを使うと、高音域の少し尖った感じは和らぐと思います。
高音域のタイトな感じに比べると低音域は少しボワついたイメージで、ある程度の迫力はあるものの解像度はあまり高くありません。
シングルBAゆえかハウジングは非常にコンパクトで、女性などでも装着はしやすいと思います。一方で男性の僕の耳には少しフィット感が悪く、イヤーピースや装着位置をかなり気にしないと低音域が逃げてしまうように思いました。
ピアノがメインのクラシックやインスト楽曲などと相性がいいと思います。
W20
スペック
ドライバー構成 | BAドライバー×2 |
入力感度 | 119dB |
インピーダンス | 27Ω |
周波数特性 | 20Hz – 18kHz |
BAドライバー2基を搭載したW10の上位機種にあたります。
ドライバー数が増え、再生周波数帯域が少し広がっているのがわかりますね。W10にくらべ、全体的な音の細やかさや解像感も向上しているように感じます。特徴的な変化としては、W10のもともとのチューニングに加えて『中音域が強化された』という感じですね。聴き比べれば明らかに中音域の量感が増しており、ボーカルとの相性がよくなっています。
音の解像感や分離感は取り立てて良いわけではないですが、音場はそれなりに広いように感じました。縦方向ではなく、前後左右への広がりがとても心地よいです。 楽器などの演奏の音よりもボーカルが少し前に出てくるように感じます。中音域の音の太さは男性ロックバンドと相性がよく、特にライブ音源とかを好んで聴く人にオススメです。
ただ、装着感はやっぱり人によって相性があるかと感じます。ステムが耳に対しが少し斜め上から入るぐらいが一番ちょうど良かったです。
W30
スペック
ドライバー構成 | BAドライバー×3 |
入力感度 | 107dB |
インピーダンス | 30Ω |
周波数特性 | 20Hz – 18kHz |
低音域・中音域・高音域に1基ずつ、合計3基のBAドライバーを搭載したモデルです。WESTONEのイヤホンは製品名からドライバー数がわかりやすくていいですね。
ドライバー数の増加によりW10・W20に比べてハウジングが少々大きくなっていますが、それにより(個人的に)装着感が良くなったと思います。また、ドライバーの追加に伴いW20に加えて低音域の量感や厚みが増しました。W20のような特徴的なボーカルの近さは少し抑えられていますが、ドライバー構成のとおり非常に全体的にバランスの良いチューニングに仕上げられています。
前2機種に比べると低音域のドラムやベースなどの主張がかなりわかりやすくなっており、それでいて中高音域の音を覆わないように心地よく響いてくれます。また、その音の広がりや余韻の表現もかなりよくなっており、大きめのスピーカーで聴いているかのようなイメージを感じられます。
解像感や音の分離感はすこし甘めですが、目立つ特徴やクセがない分楽曲や人を選ばない、オールマイティでコスパに優れる機種だと思います。
W40
スペック
ドライバー構成 | BAドライバー×4 |
入力感度 | 118dB |
インピーダンス | 31Ω |
周波数特性 | 10Hz – 18kHz |
BAドライバー4基搭載のWシリーズのミドルクラス機です。
ドライバー構成は低音域×2/中音域×1/高音域×1となっており、再生周波数帯域が低域方向に広くなっているのを見てもらってもわかるとおり、低音域寄りのチューニングになっています。しかしあからさまに低音域だけを強化したような不自然さは感じず、低音域を中心に全体の音の厚みが増しています。
オーケストラなどの多数の楽器で構成される楽曲との相性が非常によく、ホルンやトランペットなどの金管楽器の重厚な響きに関してはWシリーズでも随一の表現力を持っていると思います。音の広がりも非常に優秀で、イヤホンでありながらヘッドホンで聴いているかのような印象すら覚えます。
しっかり締まりつつも広がりを見せる低音域に比べると、高音域の表現は少しだけ埋もれてしまっているように感じられるかもしれません。音のつながりは非常にスムーズで、ゆったりした曲を楽しむ分には相性が良いですが、シャキシャキッとしたスピード感のあるキレのよい音とはあまりあわないかもしれません。
W50
スペック
ドライバー構成 | BAドライバー×5 |
入力感度 | 118dB |
インピーダンス | 25Ω |
周波数特性 | 20Hz – 20kHz |
BAドライバー5基搭載の、w40に並びミドルクラスのモデルになります。
ドライバー構成は低域×1/中域×2/高域×2となっており、w40とはうって変わって中高音域に寄っているようです。しかし実際に聞いてみると、以外にも高音域と低音域のバランスがよく、いわゆるドンシャリな感じのチューニングが施されています。激しいロックやメタルを聴いてみるとギターのうねりがすさまじく、非常に迫力があります。
スピード感やキレのよさに秀で、アカシックハードコアやカラーフュージョン、プログレッシブなどと相性ばっちりです。エピックプログレなんかもいいんじゃないでしょうか。激しく刻まれるドラムによるリズムとそれに支えられるメロディーとの調和が心地よく、ノリノリな気分になれます。音ゲー好きな人に聴いていただきたいです。
ゆったりした曲と相性が良いと感じたW40とは方向性が異なり、性能の優劣ではなく好みで分かれそうな機種だと思います。W30の音が好きで、なおかつもう少し解像感や分離感が欲しいと思った人にオススメです。
余談ですがこのW50、生産終了品に付き在庫限りです!お求めの方はお急ぎを!
W60
スペック
ドライバー構成 | BAドライバー×6 |
入力感度 | 117dB |
インピーダンス | 25Ω |
周波数特性 | 20Hz – 20kHz |
BAドライバーを6基搭載し、 W80が登場するまではWシリーズのフラッグシップの座についていた機種です。
その音は一聴きしてわかるほどに『濃厚』です。構成としてはBAドライバーが各帯域に2基ずつ配置されているものの、音のバランスはわずかに低音域が強めという感じです。
低音域だけではなく、中音域の厚みやボリューム感も魅力的で、ジャズが凄くよく合います。トランペットなどのブラスの音は非常に骨太で、なおかつ一音一音の切れが非常に良く、軽快に聴かせてくれます。リズムを刻むシンバルやハイハットの響きもカチッとタイトに響き、それでいて耳に刺さりにくい音になっています。
音場は極端に広いわけではなく、イメージとしては小さめのライブハウスのような感じでしょうか。大きな広がりは余りありませんが、力強く濃厚な音がストレートに耳に届くような印象です。演奏しているステージを間近で見ているかのように感じます。
打ち込み系の楽曲よりも、生楽器との相性がいいと思います。一番いいのはジャズだと感じましたが、ロックやあるいはギターインスト、メタルやなども十分聴き応えがあると思います。
W80
スペック
ドライバー構成 | BAドライバー×8 |
入力感度 | 111dB |
インピーダンス | 5Ω |
周波数特性 | 5Hz – 22kHz |
W60の登場から2年間の沈黙を打ち破り登場したWシリーズの新フラッグシップ機です。
BAドライバーを8基搭載し、その構成は低音域×2/中音域×2/高音域×4となっています。一見するとかなり高音域寄りの構成に見えますが、実際に聞いてみると驚くほどに全帯域のバランスが良いです。高い解像度、音の分離感はフラッグシップの名に恥じない性能と言えます。音のきめ細かさや繊細さ、そして音の量はW60と比べてみても圧倒的でしょう。伸ばすところは伸ばし、切るべきところはしっかり切る、そんなメリハリのあるサウンドになっています。
ドライバー数による恩恵か高音域のクリア感は見通しのよさはすばらしく、上方向に伸びて広がっていきます。余計な膨らみ方はせず、細かな音の粒が集まって厚みを出しているというようなイメージです。低域に寄っていないチューニングに加え、音の粒が細かいからか濃密ながら聴き疲れしにくく、長時間のリスニングにもモニタリング用途にも適していると感じます。
ALO社との共同開発による付属ケーブルは細くしなやかでありつつ耐久性を感じさせる造りで、使用時のタッチノイズもほとんどありません。イヤホン本体もドライバー数にしてはコンパクトなハウジングなので、装着感や携帯性も高いです。
バランス感、広がり、抜け感、解像感…どこをみても極めて高い完成度で、この価格帯でのユニバーサルイヤホンの最高峰といえる存在と思います。
というわけで今回はWESTONE Wシリーズ全機種を比較してみました!
個人的にはW30やW50あたりが非常に好みの音作りで、万人受けする機種なんじゃないかなぁと思いました。これを機にWESTONEのユニバーサル機に興味をもっていただけたらうれしいです!
そしてこのシリーズ、まだ終わりません。
次回、『WESTONE全機種聴き比べ – UMシリーズ編 -』に続く!
WEBチームのリョウがお送りいたしました。
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