ハイエンドの魅力を手頃に体感できる7年ぶりの新機種は高音質で、機器性能にも寛容だ


e☆イヤホンのかわちゃんです。今回の記事ではブランド待望の新製品であるAudio-Technica ATH-ADX3000をご紹介いたします。Audio-Technicaのフルサイズの開放型ヘッドホンの新製品はかなり久々で2017年に発売されたトップエンドモデルであるATH-ADX5000以来7年ぶりの新登場となりました。

 

 

Audio-Technica ATH-ADX3000

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真の開放型ヘッドホンを気軽に楽しめる

ATH-ADX3000を含むADXシリーズは「真の開放型」という意味が込められた、トゥルーオープンエアーオーディオに位置づけられています。シリーズ初代モデルのATH-ADX5000は、個人的にオープンエアー型ヘッドホンの手本ともいえる優等生タイプでありつつ、音楽を楽しむ喜びもしっかりと備えた素晴らしい製品だと感じていました。

 

ATH-ADX5000

 

一方でやはりトップエンドモデルなのでブログ執筆時の価格でe☆イヤホンWEB本店価格¥261,800‐(税込)とお値段も高く、アンプやDAC等の性能をかなり要求する機種でした。敷居がちょっと高いんですよね。そこで!せっかくならADXシリーズの素晴らしさを更に多くの人に体感してほしいということで開発されたのがATH-ADX3000です。

 

 

結論から言うとTHE正統派なヘッドホンで開放型の良いところをトップクラスに感じられるのがこの機種の一番の長所だと感じています。王道のオープンエアーヘッドホンとして最高クラスの音質を、より手頃な価格でお求め頂ける!しかも、ポータブル環境でも鳴らしやすいので再生機器の性能に対しても寛容です。

 

 

かっこいいデザインとフルサイズとは思えない軽さ

デザインは非常に秀逸で、オーディオテクニカらしい精緻さが感じられます。無駄のないミニマルな見た目は、まさにプロダクトデザインのお手本のようです。まず手にとって感じたのはとにかくめちゃくちゃ軽いというポイント。スペック上の重量はわずか257gでATH-ADX5000より13g軽量です。フルサイズのヘッドホンにも関わらずこの重量は驚異的ですね。

 

 

ハウジングやヘッドホンアーム部分やバンド部分には穴抜き加工がされて、軽量化に関して非常に考えて設計されたんだろうなと感じました。無駄を削ぎ落としたデザインは軽量化にも寄与しています。快適なヘッドホンを追求する上で重量は大事な要素ですよね。この軽さなら長時間音楽を聴いても疲れず快適に楽しめるでしょう。

 

 

 

良好な装着感。フルオープンなので蒸れにくい

小細工なしのシンプルな見た目のヘッドホンからは想像もできない良好な装着感に感じました。軽量であることに加え、幅広でフカフカとしたイヤーパッドと圧力を分散させる二重構造のヘッドバンドが装着感の良さを更に底上げしている印象です。側圧は強めで首を振ってもズレにくく、それでいて締めつけ感はほとんど感じない絶妙なバランスですね。イヤーパッドの内径も広く深めなので大きい耳や出っ張ってる人も痛くなりにくそうだなと感じました。起毛素材のイヤーパッドとヘッドバンドの肌触りがよく、例えるなら高級車の内装のようです。

フルオープン型の仕様上かなり蒸れにくいのも長所といえるポイントの一つです。かなり通気性がいいので、夏場の暑い時期でも快適に使えるでしょう。逆に、遮音性は皆無でながら聴きヘッドホン並に外の音を通すのでATH-ADX3000のよさを活かすためには静かな環境を準備するのも重要そうです。

 

 

ポータブル環境でも鳴らしやすい

トップエンドモデルであるATH-ADX5000は420Ω・100dB/mWとかなりのハイインピーダンスです。駆動力の低いDAPやスティックDACと組み合わせると音が痩せてしまうので、据え置きのパワーのあるアンプとの組み合わせがをおすすめしていました。ガッチガチの環境で楽しむような製品です。一方でATH-ADX3000は50Ω・98dB/mWなのでスティックDACなどのポータブル機器でも簡単に駆動が行えるスペックです。DAC、アンプなどの性能に対しての敷居がが低いと感じました。エントリークラスのスティックDACでも音痩せせず、少し肩の力を抜いて良さをじっくりと感じられるような良好な音色が楽しめます。

 

 

 

自然さを極めた王道サウンド

Audio-Technica ATH-ADX3000は音のヌケが非常に良く、壁を感じさせない伸びやかさが特長です。広大なサウンドステージと素直なトーン、そして開放型とは思えないしっかりとした低域も魅力です。“自然さを極めた”というフレーズがピッタリの機種に感じました。実際に聴いて、まず感じたのがとても澄んだ音色です。音に濁りがなく繊細にかき分けるタイプで、音の細かいニュアンスなどもストレートに耳に届けてくれました。どちらかと言うとくっきり系のタイプです。緻密な描写をするヘッドホンなんですけど、音のエッジはキツすぎずエアリーな質感です。

オーディオテクニカのイヤホンには高域に独特な金属的な響きがあるイメージを個人的に持っていましたが、ATH-ADX3000はATH-ADX5000のように高域がくっきりしていながらも刺さることのない絶妙なチューニングだと感じました。

 

 

 

開放型のヘッドホンのイメージを覆す音質

サウンドステージを重視したヘッドホンって一歩引いた距離から全体を見つめるような機種が多いイメージだったのでした。一方で、ATH-ADX3000は広がるけど音が遠すぎず、力強さも感じられるようなバランスだと感じます。特にボーカルとの距離感が絶妙で、近くで歌っているような距離感です。分離感がかなり高いのですが、他の帯域とも完全に調和が取れてますね。左右の音の展開がかなり立体的で音がパンするのがすごく掴みやすいと感じました。タングステンコーティングを施しているドライバーを採用しているので、全体の音の立ち上がりも素早く音がスッと立ち上がって付帯音無くフッっと伸びるのも良いポイントです。音の傾向はフラット。どの帯域を観察してもクセやピークが無く違和感を感じないので、どんなジャンルの音源でも安定して楽しめると思います。

 

 

また開放型のヘッドホンの特徴として、低域は少しふわふわとした緩めの質感の機種も多いというイメージを個人的に持ってました。このポイントを弱点に感じている方もいるかも知れません。一方でATH-ADX3000はそういったイメージを払拭するような低域も大きな魅力です。質感はかなりストレートでレスポンスが早くスッ!っと立ち上がるような低域です。量感もそこそこあり、地に足がついたような安定感のある低域だなと感じました。無駄な響きや残響を感じないのも特徴の一つに感じます。ギチギチ過ぎずスッっと伸びていくような体験ができました。ドライバーをバッフルに組み込む一体成型構造のおかげでこのようなストレートな表現を実現したのでしょう。

 

 

 

ADX3000 vs ADX5000:10万円差をどう捉えるか

 

ATH-ADX5000との比較です。音の開放感や素直さ、無駄な残響を感じないクリアなトーンなど兄弟機といって差し支えないほど傾向が似ています。差を感じたポイントは低域のレンジ感と全体的な音の艶感、ボーカルの安定感です。

一番はボーカル部分の表現かなと思います。ATH-ADX5000はとにかくボーカル表現がとても優れていて凄く透明感がありスッっと抜けるのに加えて、地に足ついた安定感も両立しているのが一番の魅力なんですよね。クオリティは肉薄しているものの、聴き比べるとADX3000は少し上ずったように感じました。

 

 

低域の質感と量感はよく似ていますが上位機種であるATH-ADX5000はよりレンジが広いです。深い部分の帯域がグッっと低域の見晴らしが良くなったような印象を受けました。どの帯域も誇張なく自然とレンジだけが拡張されています。また、オーケストラなどを聞いているとさらなる安定感に加え、低域情報量が増えていると感じられました。ATH-ADX5000はより全体的なニュアンスにツヤ感があります。特に中高域部分が更に綺麗で、比較するとATH-ADX3000はモニターライクといいますか、淡々と感じられる部分がありました。

ATH-ADX3000の最大のライバルはATH-ADX5000です。上記の差に10万円近くの差額が払えるかが選ぶときのポイントなのではないでしょうか。ADX5000めっちゃ欲しいけど予算的に見送っていた方に一番刺さるようなヘッドホンだと思います。

 

 

 

他のオーテク製ヘッドホンと比較して

ATH-AWAS

オーテク製の密閉型ヘッドホンで、同じくニュートラルさを極めた製品としてATH-AWASがあります。こちらも、どのジャンルの楽曲も楽しめるようなクセを全く感じないヘッドホンです。万能タイプと言うところがATH-ADX3000に共通していると思いました。一方でサウンドステージはATH-ADX3000より狭く密閉型ハウジングらしく、箱庭的な展開です。ATH-ADX3000より定位はしっかりと明瞭。低域の刺激 さらに控えめで少し緩め。より長時間聴いていられるような耳あたりの優しいヘッドホンかなと思います。とにかく刺激の少ないニュートラルな音質なATH-AWAS。開放的でのびのびとしたタイトめな音質なのがATH-ADX3000です。

 

 

これら2機種と真逆の音質に位置づけられるのがATH-AWKTなのではないでしょうか。

 

 

 

昔ながらの刺激的なオーテクサウンドが好きな方はこれ

ATH-AWKT

ATH-AWKTは往年のテクニカのクセを最高峰に活かしたような音質です。中高域に金属的なピークがあるタイプで低域の量感は少なめでくっきりさを重視しているタイプ。高域と低域が少し刺激的に加えてウッドハウジングの良さを最大限に活かしたようなバランスのヘッドホンに感じました。
昔からブランドの音が大好きな方におすすめできるのがこの機種です。

ATH-AD2000Xも同じ開放型のATH-ADX3000よりかはATH-AWKTに近い音質です。昔ながらのオーテクのヘッドホンのように高域にピークを感じられる金属的な響きが特徴かなと思いました。テクニカらしいくっきり刺激のある音をオープンエアーらしい開放感を感じながら楽しみたいかたにおすすめです。

 

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フルオープン型ヘッドホンのお手本と呼べるようなヘッドホンが更にお手頃に楽しめるようになりました。濁りのないピュアな音と全く壁のないヌケ、クセのないチューニングによりどんなジャンルでも楽しめる万能タイプです。音質以外にも快適な装着感や造りの良さなど、老舗ブランドであるAudio-Technicaだからこそできる品質でしょう。気になった方はぜひe☆イヤホンお試しください。ご試聴は無料ですからね~!\(^o^)/

 

さらに詳しいスペックは、e☆イヤホンの公式WEBページをご参照ください。

 

提供 オーディオテクニカ