SONY(ソニー) WH-1000XM5が遂に発売しました。この記事では、先代のSONY(ソニー) WH-1000XM4と何が変わったのか、その違いを徹底的に比較していきます。
こんにちは、e☆イヤホンWEB本店 店長ケイティです
今回ご紹介するのはこちら!
SONY(ソニー) WH-1000XM5
待ってました! 単体のレビューや詳しい情報はこちらの記事をご参照ください!
では、この記事では何を見ていくのかというと
最新機種「WH-1000XM5」と先代「WH-1000XM4」と徹底比較
それではよろしくお願いします!
スペック比較
製品名 | WH-1000XM4 | WH-1000XM5 |
ノイズキャンセリング処理 | 高音質ノイズキャンセリングプロセッサーQN1 & BluetoothオーディオSoC |
高音質ノイズキャンセリングプロセッサーQN1 & 統合プロセッサーV1 |
NC/外音取り込みマイク | 合計4 | 合計8(風ノイズ低減機構) |
NCオプティマイザー | 測定音を発生させ最適化 | 無音で常に最適化 |
通話品質 | 高精度ボイスピックアップテクノロジー マイク数:2 |
AIで進化した高精度ボイスピックアップテクノロジー マイク数:4 |
連続再生時間(音声再生) | 音声再生:最大30時間(NC ON時) 最大38時間(NC OFF時) |
最大約 30 時間(NC ON時) 最大約 40 時間(NC OFF時) |
連続再生時間(通話) | 最大24時間(NC ON時) 最大30時間(NC OFF時) |
最大24時間(NC ON時) 最大32時間(NC OFF時) |
本体充電時間(フル充電) | 約3時間(フル充電) | 約 3.5 時間(フル充電) |
クイック充電時間 | 10 分充電時 約5時間再生 | 10 分充電時 約5時間再生 / 3 分充電時 約 1 時間再生 |
PD充電 | 非対応 | 3分充電時 約3時間再生 |
対応コーデック | SBC, AAC, LDAC | SBC, AAC, LDAC |
Bluetoothバージョン | Bluetooth®5.0 | Bluetooth®5.2 |
対応プロファイル | A2DP, AVRCP, HFP, HSP | A2DP, AVRCP, HFP, HSP |
マルチポイント機能 | 対応 | 対応(アプリで接続機器を選択可能) |
ドライバー構成 | 40mm ドーム型(CCAWボイスコイル採用) | 30 mm 密閉型ダイナミックドライバー |
再生周波数帯域 | 4Hz-40,000Hz | 4Hz-40,000Hz |
重量(本体) | 約 254g | 約 250 g |
付属品 | ・USB Type-Cケーブル(約 20 cm) ・ヘッドホンケーブル(約1.2m、金メッキL型ステレオミニプラグ) ・キャリングケース ・航空機用プラグアダプター |
・USB Type-C(TM)ケーブル(約 20 cm) ・ヘッドホンケーブル(約1.2m、金メッキL型ステレオミニプラグ) ・キャリングケース |
純粋なスペックの違いは上記のとおりです。簡単に変更点を解説していきます。
ノイズキャンセリング・外音取り込み
目玉機能であるノイズキャンセリング・外音取り込みに関する部分の変更点は
・BluetoothオーディオSoCが統合プロセッサーV1になった点
「WH-1000XM4」(以下M4)では、高音質ノイズキャンセリングプロセッサーQN1とBluetoothオーディオSoCが協力し合って処理をしていましたが、「WH-1000XM5」(以下M5)では高音質ノイズキャンセリングプロセッサーQN1と、「WF-1000XM4」でも採用されていたBluetoothオーディオSoCと高音質ノイズキャンセリングプロセッサーを1つのチップに統合した「統合プロセッサーV1」を組み合わせることにより、より高度な処理が行えるようになりました
・NC/外音取り込みマイクが4つから8つになった点
M4では4つだった外音解析用のマイクが、倍の8つになりました。これにより、より正確に外音を解析できるようになります。
・NCオプティマイザーが測定音を発生させ最適化していたのに対し、無音で常に最適化できるようになった点
M4に搭載されていた、その時の状況を解析し、ノイズキャンセリングを最適化する「NCオプティマイザー」はアプリケーションで操作し、測定音を流すことで最適化を行いますが、M5では、これを無音で、常時行うことができます。
通話品質
M4に搭載されていた「高精度ボイスピックアップテクノロジー」がM5ではAIによりさらに進化したうえに、マイクも2つから4つに増え、通話品質が向上しています。
バッテリー周り
大きく変わらないですが、NCオフ時の再生時間が最大約 38時間から最大40時間に向上しています。
性能が上がっているのに、再生時間が横ばい、もしくは向上しているのには驚きですね。
重量・付属品の変更
若干の差ですが、重量がM4が約254g、M5は約250gと、4g軽くなっています。
また、M4の付属品にあった航空機アダプターは付属しなくなっています。サスティナブルな社会に向けてものをできるだけ減らそうという試みでしょうか。
スペック表からはわからないWH-1000XM5が進化したポイント
ドライバーユニット
実はドライバーユニットにも大きな変更があります。サイズがM4は40mm、M5は30mmと小さくなっています。オーディオファンの方々からすると、ドライバーが小さくなっているなんて、音に悪影響がるのではないかと考える方もいらっしゃるかと思います。ただ、変わっているのはサイズだけではありません。
中心部分はM4と大きく変わらず剛性の高いパーツを使っており、エッジ部分に柔らかいウレタンを使用しています。これにより、今までよりも低音域の再現性が向上するということです。
Walkman技術の活用
Walkman開発で培った技術も投入されています。
・「金入り」高音質はんだを採用し、微細音の再現力が増し、広がりや定位感の向上を実現。
・銅メッキを施した大型高音質抵抗を採用。磁気ひずみを排除し、伸びやかで透明感のある艶やかな音質を実現。
・基盤レイアウトを専用に最適化することで、S/N感の向上による微細なニュアンスの再現や信号への高い追従性を実現しています。
WH-1000XM5の新機能
M4にはなかったものとして「PD」充電があります。USB Power Delivery対応の充電器、ケーブルで充電することでたった3分の充電で約3時間再生することが可能です。
充電を忘れてしまってもお出かけ前のちょっとした時間で電車の往復分くらいは使うことができるようになるので心強いです。
見た目の違い
見た目はどこが違うか、というより全く別の形状になっていて驚きました。今までの1000Xシリーズは細かな変更はあれど、先代機種を踏襲したデザインになっていました。ですが今回のM5はすべてが違うといっても過言ではありません。
まず使用感にも影響する部分で、サイズ調整部分が大きく変更されました。先代は「カチカチッ」と段階的に調整するタイプだったのに比べ、今作は無段階にシームレスに調整可能になりました。また、その形状も平べったい長方形のような形状から、細い円柱のような形状になりました。
ヘッドバンドも細くなっており、頭に触れる範囲が少ないので髪型が崩れにくそうです。
ハウジングの質感はM4はつるっとしているのに比べ、M5はマットでさらさらとしています。
イヤーパッドの質感も変わりました。M4のイヤーパッドは表面が合成皮革のようなものでしたが、M5はパリッとしつつも柔らかく、形状記憶のように形の戻る不思議な質感です。肌あたりも優しく、すりすりしたくなるようなあまり触れたことのない感覚です。こちらもソフトフィットレザーという合成皮革の一種だそうです。
また、M4にはユーザーがヘッドホンを今装着しているかどうかを判断するセンサーがイヤーパッドの内側に見えていましたが、M5では装着検知の機能は保ちつつ、センサーが見えなくなっています。ほとんど見えない部分とはいえ、こういった箇所の見かけの配慮は嬉しいですね。
そして細かい点ですが、スイーベル(ハウジングを90ど折りたたむ)向きがM4とM5で逆になっています。首にかけるとわかりやすいですが、↓の画像のようにM4はハウジングが上向きに、M5はイヤーパッドが上向きになります。
首にかけるとこんな感じです↓
着け心地の違い
ヘッドバンドが細くなっているので、頭に痛みが出ないか不安でしたが、まったく無用の心配でした。3時間ほど使用していても全く不快感がなく、快適に使用できました。M4と比べてたった4gの違いですが、重さの負担もより少なくなっているように感じます。
イヤーパッドが当たる部分は、おおわれている感覚はありつつも、押し付けられているという感覚をあまり感じませんでした。側圧がゆるくて落ちそう、ということも全くないので新たに採用されたこのイヤーパッドの質感が成せるものなのでしょうか。
機能性の違い
いよいよ、その機能性をためしていきます。
ノイズキャンセリングの違い
私やe☆イヤホンスタッフの多くは、1000Xシリーズが出るたびに「前作も良かったのにこれ以上何がよくなるんだ」と口々にこぼし、試聴し、感動してきました。今回も例にもれず。
M4を聴いたときに「こんなに自然でしっかりノイズを消してくれるヘッドホンはかつてなかった」と口にした記憶がありますが、M5を聴いた後にM4を聴くと違和感があるかのように思ってしまうほど、M5はより自然で、より高性能に感じます。
外音取り込みの違い
M4と比べて、M5のほうが外音の輪郭もよりはっきりとしつつ、耳障りにならないよう絶妙な調節をされているような印象です。元のM4がとてもいいので違いとしてはこのくらいのものですが、単体としてみると非常に精度の高いものだと感じます。ほぼ肉耳(肉眼的な)で聴いているのと大差なく、自然に聴きとれるのでヘッドホンを付けているのを忘れそうです。
後述する音質のレビュー時に感じたことですが、純粋にドライバーの特性の差が出ているような印象です。
その他の機能の違い
右手をハウジングに添えるだけで再生を止めて外音取り込みができる「クイックアテンションモード」や、声を発するだけで再生を止めて外音取り込みができる「スピークトゥチャット」の機能もそれぞれ試してみました。同じ機能なので変わらないだろう、と踏んでいたのですがこれがびっくり! 体感ですが、反応速度がどちらもM5のほうが早くなっているように感じました。M4は、触れて(声を出して)からワンテンポあって起動、というイメージで、M5は触れた(声を出した)瞬間にシームレスに起動するイメージです。これによってとっさに話しかけられた際などの対応力が向上すると思います。細かなことですが、既存の機能でもしっかりと進化を感じられました。
音質の違い
Maroon5 /Sugarで比較してみました。
イントロのスラップベースやドラムのサウンドではっきりと違いが判ります。
「WH-1000XM4」が柔らかくゆったりと表現しているのに対して、「WH-1000XM5」は明瞭にスピード感のある表現をします。ボーカルがはいってくると、各楽器ごと、ボーカルの距離感や定位感、空間の広さの表現などにおいて「WH-1000XM5」の方が、よりくっきりはっきりしている印象です。また、特に低音の表現がM5のほうが優れているように感じました。より深くより芯の強い低音で、楽曲全体をパワフルに感じさせてくれます。「WH-1000XM4」も、もともとクオリティの高いヘッドホンなのでどちらがよい、というよりも好みの範疇かもしれませんが、個人的には「WH-1000XM5」の方が好みです。
続いて、360 Reality Audioの YOASOBI / 夜に駆ける を試聴してみました。冒頭から、M5のほうが全体の音が厚いように感じました。M4では、少し軽く感じてしまうような場面でも下支えがしっかりとしていて重厚感がありつつ、360 Reality Audio特有の立体感、空間の広さを感じられます。
総評として音域ごとのバランスとしては大きくは変わらず、それぞれの表現力がしっかりと向上している、という印象です。キャラクター的にはM4が柔らかくしっとりめ、M5はクリアで明るくアタック感のある音に感じました。定位感、距離感、音のつながり、情報量も更に向上し、よりクオリティの高いサウンドになっているのではないでしょうか
最後に
ここまで読んでくださったWH-1000Xシリーズユーザーの皆様、もしかして買い替えたくなっちゃたんじゃあないですか?
そんなあなたに朗報!
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WH-1000Xシリーズをお持ちでない方でもめちゃくちゃキニナルヘッドホンかと思います。
なんとこちらのWH-10000XM5
e☆イヤホン各店にてご視聴いただけます!
更に、先代のWH-1000XM4も併せて展示しておりますので、私と同じように比較試聴もできちゃいます!
比較してみて、自分はM4のほうが好きだな、M5の方がいいな、いろんな感想があるかと思いますのでぜひぜひご試聴しまくってください!
それでは、e☆イヤホンのケイティがお送りいたしました。
e☆イヤホンの何でも屋のケイティです!
▼愛機
カスタムIEM:AAW AXH
イヤホン:UM PRO30【redesign model】 SE425
ヘッドホン:SRH1540