有線・無線どちらでも使える話題のイヤホン『KPro01』を試聴レビューしました!
皆さんこんにちは。
イヤホン・ヘッドホン専門店『e☆イヤホン』のだいせんせいです。
今回は、オーディオ界隈の枠を超え、各所で話題騒然となったあのイヤホンをご紹介!
Owltech KPro01
こ、これはー!!
クラウドファンディングサイト『Makuake』で、目標金額の300万円を大幅に超える1億6000万円もの支援を集めた驚異のプロジェクト『KPro01』です!
声優・小岩井ことりさんが完全監修を務めていることでも注目されたKPro01。その最大の特徴は完全ワイヤレスイヤホンでありながら有線接続も可能であるという点。
つまり、『有線イヤホン』『完全ワイヤレスイヤホン』2つの顔を自在に切り替えられるという極めて珍しい製品なのです!
今回は、そんな『KPro01』のほぼ最終版となるプロトタイプモデルをお借りいたしました。
以前にも開発中のモデルは試聴させていただいたことがありますが、本格的に完成となった製品を試すのは今回が初めて。果たしてどのような製品に仕上がったのか? さっそくチェックしていきましょう。
※この記事には製品の詳細な写真が含まれます。「自分で開封の儀を行うまでデザインを見たくないよ!」という方は到着をお待ちください。
専用ポーチ(サイン入り)
まずは専用ポーチから。クラウドファンディングの目標金額である300万円を達成したため、KPro01標準セットにもれなく付属することとなりました。
上品な青を基調としたカーボン調のデザインに、『KPro』のロゴがエンボスで彫り込まれています。サラリとした質感で、造りもしっかりしていますね。
リミテッドエディションを支援した方のための、小岩井ことりサインの印刷サンプル。白で描かれたサインが、青地に美しく映えています。
開けてみるとこんな感じ。下部はスッキリとしたシンプルな空間。上部は大小3つのポケットが備わっています。
予備のケーブルやイヤーピースなどのアクセサリを収納することが可能。特にKPro01は有線・無線を切り替えることができるイヤホンなので、着脱したケーブルを気軽に収納しておけるのは嬉しいポイントですね。
本体デザイン
快晴の空のように鮮やかで快活な印象を受けるブルーの筐体カラー。フェイスプレートのカッティングに合わせて異なるブルーがあしらわれており、KPro01が持つ2Way完全ワイヤレスという特徴を表現しているようにも見えます。
一般的な完全ワイヤレスイヤホンというより、カスタムIEMメーカーが手掛けるユニバーサル・モデルのような形状になっています。
3Dプリントで精巧に形作られたレジン筐体はビルドクオリティも高く、フィット感も良好です。
S・M・Lの3サイズのイヤーピースが付属する他、ノズルは一般的なサイズ感なので、小岩井ことりさんコラボの『SednaEarfit』を始めとして多くのイヤーピースが装着できます。
しっかりとイヤーピースのサイズを合わせていただければ、有線接続時はもちろんのこと、イヤホン本体で支える完全ワイヤレス接続時にも耳から外れる心配はほとんどありません。
コネクタ部分は、カスタムIEMなどで一般的な0.78mmの2pinのメス端子の下に、もうひとつの2pin端子がせり出しているという独自の構造。これにより、オーディオ信号と電力供給の両方をまかなうことが可能になっています。
埋め込みは浅めですが、一部セットに付属するシルバーケーブルをはじめとして、一般的なカスタムIEM用2pinのケーブルは問題なく使用することができそうです。
付属ケーブル
KPro01の標準セットには、USB Type-Cでの有線接続に対応した充電ケーブルが付属します。
有線イヤホンとして使用しながら充電も同時に行えるので、Type-C対応端末をお持ちの方には嬉しい仕様ですね。もちろん、一般的なType-C用電源アダプタで充電することも可能です。
また、一部セットには銀メッキ銅線を使用したオリジナルケーブルが付属します。こちらは使用中の充電はできないものの、一般的な3.5mmプラグを採用しており、ほとんどの機器に接続することができます。
完全ワイヤレスイヤホンとしての機能
本製品は2Way完全ワイヤレスイヤホンということで、有線接続だけでなく、ワイヤレスでも使用できます。
ワイヤレス使用時には小岩井ことりさんの声でシステムアナウンスが流れるので、まさに「監修イヤホン!」という感じで嬉しいですよね。
フェイスプレート部(着けたときに外側になる面)にタッチパネルが搭載されており、タッチ操作によって直感的に操作が可能です。
個人的に面白いなと思ったのは、あえて完全ワイヤレスイヤホンとしての機能を制限しているという点。
完全ワイヤレス接続時に使用できる機能は、
・電源のON/OFF(5秒ほどタッチ)
・再生/一時停止(1.5秒ほどタッチ)
の2つのみです。
これは、有線と無線を切り替えるという製品性質上、誤操作を防ぐための配慮とのこと。
有線接続時には電源をOFFにすることを推奨されているので、「有線で聴こう!」と思ってケーブルを繋げているときに、誤って電源が入ってしまうとストレスになってしまいます。あえて機能を増やさなかったというのは良い決断ではないでしょうか。
専用アプリでカスタマイズ
それでも、「僕はイヤホン単体で○○の操作をしたい!」という意見も出てくるかもしれません。
ご安心ください。KPro01はクラウドファンディングのストレッチゴールである7000万円の支援を達成したため、専用アプリのリリースが決定いたしました!
専用アプリでは、タッチ操作のカスタマイズ、イコライザーの調整、ファームウェアのアップデートなどが行なえます。
加えて、平山笑美さん、桐谷蝶々さん、郁原ゆうさん、渡部恵子さん、大関英里さんの5名の声優さんによるシステムアナウンスを追加で選択できるようになるとのこと。ご、豪華すぎる……!
こちらは2020年内のリリースを予定しています。配信が楽しみですね!
製品の主なスペック
Bluetoothバージョン:Bluetooth 5
マルチペアリング:3デバイス
対応コーデック:SBC, AAC, aptX
対応プロファイル:A2DP, HFP, HSP, AVRCP
最大再生時間:約5~8時間
充電時間:約2時間
充電:USB-C専用ケーブル
ドライバー:Φ6mmダイナミック型
応答周波数:20Hz~20kHz
感度:95±3dB
インピーダンス:16Ω
通話用マイク:有
試聴レビュー
完全ワイヤレスで使ってみた
というわけで、音を聴いてみましょう。まずは完全ワイヤレスイヤホンとして使用してみます。
今回はiPhone XS Maxとペアリングしてみます。KPro01はSBC/AAC/aptXの3つのコーデックに対応しているので、iPhoneでもAACコーデックで高音質をお楽しみいただけます。
イヤホンを装着して、左右のフェイスプレートを長押しし続けると、ペアリングモードに入ります。
起動すると、さっそく小岩井さんの声のシステムアナウンスでテンションが上がります。一般的なBluetoothイヤホンのアナウンスは無機質なものが多い(そもそも日本語音声自体少ない)ので、こういったポイントでも思った以上に特別感がありました。
音質はパワフルでスピード感のある低域をベースにメリハリが効いており、リズムを楽しめる音作りになっています。
また、中低域を中心とした独特のリバーブ感があり、音の立体感もなかなか。ボーカルもしっかりと立っています。このイヤホンを購入する方は特に女性ボーカルを楽しみにしている方が多いと思う(偏見)ので、歌モノを楽しむのにもオススメです。
YouTubeで動画なども視聴してみましたが、音ズレなどの違和感はほとんどありませんでした。リズムゲームなどのシビアなタイミングが要求されるコンテンツでなければ、完全ワイヤレス接続での視聴も問題ないと思います。
有線接続(USB Type-C)で使ってみた
続いて、付属ケーブルでの有線接続を試してみます。今回はNintendo Switchを使ってUSB接続を試してみました。USB Type-Cでオーディオ出力ができる機器であれば、概ね対応しているかと思います。
ちなみに、電源を入れたままでも有線接続は可能ですが、意図しないノイズなどが乗ってしまう可能性があるため、基本的には電源をオフにしてケーブルを繋ぐのが良いとのこと。
接続するだけで認識され、そのまますぐに使用することができました。
僕のSwitchに入っている音ゲーがイカのゲームの中で遊べるやつしかなかったので、ひとまずそれでプレイしてみました。
特に音ズレもなく、快適にプレイすることができました。操作音のキックやクラップもキレよく表現されていて、音質的にもリズミカルに楽しめます。
また、姫を救うために広大な世界を冒険するゲームなども遊んでみましたが、足音や風の吹く音などの環境音をリアルに表現できるので、ゲームの世界に没入することができます。
音楽視聴に限らず、ゲームや動画などもマルチに楽しめる(むしろ、そっちのほうが向いているくらい?)音作りになっていると思います。
有線接続(3.5mmステレオミニ)で使ってみた
最後に、一部セットに付属するシルバーケーブルを使用して試聴してみます。
ケーブルの影響、そしてそもそも有線接続であるということも手伝ってか、ワイヤレス接続時より一段クリアになった印象です。
カスタムIEM用ケーブルが使えるということもあり、やはり音質にこだわって楽しむなら有線接続がオススメです。
また、有線接続はリズムゲームのプレイにもオススメ! ということで、この記事を読んでいる方の大半が遊んでいるであろうリズムゲームも試してみました。
詳細は書きませんが、PERFECT率95%以上でフルコンボできたので、遅延に関しては全く問題ないと思います。
音質傾向的にも音楽ゲームと相性がよく、リズムも取れつつ、歌声をじっくり楽しむことができました!
以上、2Way完全ワイヤレスイヤホン『KPro01』のご紹介でした。
こちらはクラウドファンディングで制作された製品ですが、一般販売も予定しているとのことです。
e☆イヤホンで発売となった際には、ぜひチェックしてみてくださいね!
お相手はだいせんせいことクドウでした。それではまた次回。
【協力】
株式会社オウルテック
※記事中の商品価格・情報は掲載当時のものです。