群馬・高崎で開催された『intime ASSYミーティング』に参加してきました!
皆さんこんにちは。
イヤホン・ヘッドホン専門店『e☆イヤホン』のだいせんせいです。
突然の駅名標で困惑されたかもしれませんが、写真の通り群馬県高崎市にやってきました。
高崎といえば『音楽のある街』。音楽に関する活動が盛んなことで知られ、拠点を構えるオーディオメーカーもいくつか存在します。
そのうちの1つが、大人気イヤホン『碧』『煌』『轟』などで知られるintime。ポタフェスなどのオーディオイベントでの人気も高く、多くのファンから支持されるブランドです。
そんなintimeが、ユーザー参加型イベント『夏のASSYミーティング』を高崎にて開催。e☆イヤホンPRスタッフであるだいせんせいとたにみくの2人で取材させていただけることになったので、こうして高崎にやってきたというわけです!
『夏のASSYミーティング』の開催時間は10:00〜18:00というかなりの長丁場。一体どんな内容が待っているのか……!?
というわけで、やってきたるは会場である『TREE高崎』。木を基調としたオシャレな空間に、象徴的なライトブルーのスタンドPOPが映えます。
会場はいくつかのグループに分かれていて、班のような形で机に座ります。若い方も多く、intimeを支持するファン層の広さを改めて実感しました。
参加者があらかた揃うと、今回の主催者であるオーツェイド代表・渡部さんが登壇。ファンの皆さんへ感謝を述べるとともに、intimeの核となるセラミックサウンドの技術説明や、本イベントの流れをご紹介いただきました。
スケジュールが発表されると、参加者からは「おぉ……」という驚嘆の声が。かくいう僕も想像以上の手加減無しっぷりに驚きました。
今回の組立イヤホンは『煌』『轟』の筐体がベースとなっており、イベント用に施された簡略化はごくごくわずか。ほぼ実製品と同じ工程で製作するということで、楽しみな反面、「本当に完成するのだろうか」という不安もよぎります。はたしてうまくいくのか……!?
筐体カラーの選定
まず初めに、イヤホン本体のカラーを選ぶ作業からスタート。
樹脂パーツは『ユニットリング』『リア筐体』『リアキャップ』の3つに分かれており、それぞれ異なるカラーを選択することも可能です。
ベースとなった『KIRAブルー』『GOブロンズ』の他、『ライトブルー』『ワイン』『グレー』『クリア』といった製品化されていないカラーも用意されており、その組み合わせを自由に選べるということもあって、参加者の皆さんも大いに頭を悩ませていた様子。僕もギリギリまで悩みました(選んだカラーについては後述)。
筐体カラーを選んだら、続いてフロント筐体も選択することに。『煌』『轟』で使われているステンレスの他、真鍮やアンティーク(ステンレス+加工)といった素材を選択することもできました。
使用VST&ウーハーの選定
筐体を選んだあとは、搭載するドライバーユニットの選定に入ります。
今回組み立てるイヤホンはVST(セラミックツイータ)とウーハー(ダイナミック型ドライバー)のハイブリッド構成。それぞれを、歴代モデルで採用されたものの中から選択することができます。
『VST2』は『VST』の上位モデルでありながら、渡部さん曰く「目指す音質によっては必ずしもVST2が正解とは限らない」とのこと。参加者の中にはあえて『VST』を選ばれる方もいらっしゃいました。
そしてウーハーに使われるダイナミック型ドライバーは、『煌』で採用されたグラフェンコート振動板のドライバー、『轟』で採用されたチタンコート振動板のドライバーから選ぶことに。もともとの両モデルも人気を二分していただけに、こちらも偏ることなく好みが分かれていました。
ユニットサイドの組立
ドライバーユニットの選定が終わると、いよいよ組立がスタート。最初に選択した『ユニットリング』のパーツに、VSTとウーハーをそれぞれ組み込んでいきます。
具体的にはユニットリング内にある0.数mmの段差部に接着剤を塗布し、ウーハーを固定、VSTをかぶせてレジンをわずかに充填させたあとにUVライトを照射して硬化させるという、ヤバいくらい本気な作業工程です。
初っ端からめちゃくちゃシビアな作業が始まり、「なんか挿し込んだりするだけっしょ(笑)」と思っていた僕は完全に面食らいました。
ただ、会場内にはintimeのスタッフさんが常に回ってくれており、万が一失敗してしまってもすぐにアシストしてくれるということで、かなり安心して作業をすることができました。
昼食
文章だとサクサク進んできましたが、ここまでで既に2時間強が経過。作業に熱中すると時間があっという間に流れてしまいますね……。
というわけで、ドライバーユニットが完成したところで昼食タイム。渡部さんがずっとお世話になってきた(群馬県民はだいたいそうらしい)という、『登利平』のお弁当が振る舞われました。
「こういうところで出てくるお弁当ってこんなもんだろうな」という想像を遥かに超える美味しさ(お肉がめちゃくちゃ柔らかい)で最高でした。次回も昼食が出るなら取材しにいきたいと思います。
リアサイドの組立
お腹も膨れたところで、組立作業も再開。ついにハンダ付けに入ります。
リア筐体内のMMCX端子から伸びている配線を、ユニットリング内のドライバーユニットとつなぐという作業。内部配線なのでかなり小さなサイズへのハンダ付けとなります。これは難関では……!?
……と思わせつつ、何気にハンダ付け経験のあるだいせんせい&たにみく、なんとかクリア。
渡部さんも「自信が無かったらスタッフが代行しますよ!」とおっしゃっていたものの、ほとんどの方が自力で挑戦されていました。少し難しい工程ではありましたが、やはりここを乗り越えてこその達成感を得られたのではないでしょうか。
ハンダ付けが終わったら、今度はリア筐体とユニットリング(写真の赤いパーツと青いパーツ)をレジンで接着していきます。
レジンが多すぎるとフロント筐体(ステンレスのパーツ)が上手く合わなくなり、少なすぎると隙間ができてチューニングが不完全になるという、これまた地味な難所。
僕は一度傾いた状態で接着してしまいましたが、剥がしてもらってから今度は上手く接着することができました。やはりスタッフさんが付いてくれているのは心強いですね。
音質調整
リアサイドの組立が完了したら、いよいよ自作イヤホンの醍醐味である音質調整がスタート!
リアサイド・リアキャップ・フロント筐体をビニールテープで固定し、音質をチェックしていきます。
調整についての詳細は企業秘密なので詳しくは書けませんが、筐体内の極めて小さな箇所をスタッフさんに都度調整していただくことで、まるで別物かというほど音が変わっていきます。
リア側とフロント側で別個に調整を行うのですが、選択肢が多く、かつそれぞれの組み合わせによっても音が変化していくということもあり、参加者の皆さんもこれまた頭を悩ませていた様子。
調整に関しては、事前にスタッフさんが作成したサンプルを試聴しつつ、その調整内容を見せてもらうことで、「こうやって調整したらこういう音になる」という感覚を掴んでいきます。
僕は「とりあえずこんなもんだろ」くらいの気持ちで調整したのですが……。
最高……。
一発目にして、完全に着地点(ゴール)に届いてしまいました。自身の調整のしっくり具合にも驚きましたが、何よりintimeの各パーツのクオリティの高さ故に実現している音質だと思います。
ちなみに、たにみくは「あとちょっとだけ……!」と言いつつ3回くらい調整を重ねていました。めちゃくちゃこだわっただけあり、会心の出来に仕上がったとのこと。これは完成が楽しみだぞ……!
そして完成へ……
音質調整が完了したら、仮留めしていた筐体を固定してしまいます。
多めに接着剤を塗ったリア筐体とフロント筐体をクランプで固定し、そのまま30分ほど放置。
接着剤がはみ出していますが、これは固まってしまったあとにペリペリと剥がすことができます。
「接着剤を剥がしたあとも、2時間程度は置いてから鳴らしてほしい」という渡部さん。完成したイヤホンはそのまま持ち帰って、鳴らせるようになるのを楽しみに待ちます。
ちなみにintimeのシルバーコートケーブル(intime公式サイトで5,500円)とacoustuneのAET07イヤーピース(全サイズ)も貰えちゃいます。家に着いたらすぐに楽しめるぞ!
というわけで、大満足のASSYミーティングはこれにて終了。スタッフさんの数も決して多くはなく、時間も押してしまうなど緊張感のある場面もあったのですが、全く渋ることなく親身に調整や作業をしてくださっていました。
組立が終わったあともエグいほどお得なアウトレットセールが行われており、皆さんがとてもホクホクとした表情でお帰りになっていたのが印象的でした。
intimeが多くの方から愛されている、その理由が垣間見えた1日でした。
完成したイヤホンをレビュー!
そんなわけで時間も経ち、いよいよ組み立てたイヤホンを聴けるようになりました。
だいせんせいとたにみくのイヤホンがどのようになったのか? 早速ご紹介いたします!
だいせんせいのイヤホン
自分好みのサウンドを作れるということで、『低域が強め』と『低域強すぎ』のボーダーラインに乗せるようなイメージで、「人によっては好みが分かれるかな……」という若干トガりめのバランスを目指しました。
低域において、量感と合わせて意識したのはタイトさ。力強くも引き締まった低域にすることで、必要以上に色を乗せすぎず、オールジャンルに楽しめる1本に仕上がったと思います。
VST2の恩恵か中高域もスッキリと聴こえ、楽曲によっては低域に隠れてしまうこともありつつ、決して悪くないバランスで楽しめます。先述の通りパーツそのもののスペックが高いので、ある程度振り切ったチューニングでも上手く鳴らしてくれるのでしょう。
筐体カラーはGOブロンズ→ライトブルー→ワインと、グラデーションを意識して入れてみました。スケルトン筐体ならではの角度によって色が混ざって見える感じが気に入っています。
たにみくのイヤホン
intimeの轟(GO)をベースに作っていきました。音質は軸のしっかりした低域と少しキラッとした高域で、スピード感のあるバンドサウンドに合うようにしました!
「低域がすき! しかしボーカルは絶対に埋もれさせたくない!」というこだわりから、低域の調節が難しく、親切なスタッフさんたちに手伝っていただきながら自分好みのイヤホンに近づけていただきました。おかげさまで理想なイヤホンが完成し、本当ありがたいです( ; ; )
筐体のカラーも部分ごとに何通りかの組み合わせで選べ、わくわく選びながら全部「ワイン」にしました。かわいい!
渡部さん曰く、「今後も色んな場所でASSYミーティングを開催したい」とのこと。
今回の記事でお伝えできた本イベントの魅力はごくごく一部ですので、ぜひいつかはこの記事をご覧の皆様にも参加していただいて、イヤホン組立てをお楽しみいただけたらと思います!
お相手はだいせんせいことクドウでした。それではまた次回。
※記事中の商品価格・情報は掲載当時の物です。