こんにちは、マツコです。
ミネソタ州南部には、通称「世界一静かな部屋」があるという記事を読んでとても好奇心を揺さぶられました。静かな場所にいて、耳が慣れてくると神経が研ぎ澄まされたような感覚になりますよね。次第に、静寂な虚無の空間からは自分の心臓音が聞こえはじめ、肺の音もときたま聞こえて、胃がゴボゴボという音なんかも煩く感じるくらいだそうです。自分自身が音になる、その音に発狂する人も少なくないみたいで、生きている間に是非「無響空間」にチャレンジしてみたいなと思いました。
さて、本題へ。
前回、こんなブログを挙げたことはどなたかの記憶には残っているのだろうか。
【外部リンク】【中古お宝発掘隊 vol.06】聴く前に見ておくべき「建築」目線で語る名機4品を御覧ください【建築萌え】
あれ知ってる? Netflixオリジナル作品「世界の摩訶不思議な家」がとても好きなんです。うっすらと好評いただき、今回第二弾ということで新たなる「造形美」の世界へとご案内いたします。
SONY MDR-SA5000 e☆中古特価¥49,900-(税込)
まさに地球に降り立つ宇宙船もしくはブルガリア共産党本部
建造物度 ★★★★★
造形美度 ★★★★☆
萌え度 ★★★☆☆
前置きとして言いますが、劣化は「ある程度仕方がない」部分があると思います。だって2004年発売モデル。むしろ、年号が変わる2019年までよくぞバランス不良無く、正常なまま残っていたなと思いました。
自然が織りなす景観や産物も美しいですが、その中に巨大建造物がずしんと建っているさまも好きなんです。なんかこう違和感を感じるものにゾクゾクする感覚ですかね。
このヘッドホンのアーチを眺めていると、そんな幻想的な気持ちにさせられます。
ホールを囲むようにして巡らされた廊下(ヘッドホンアーム)を辿ると、中央には美しい網目状ハウジングが。開放型ヘッドホンの老兵と言われ、今でもオーディオマニアからは「幻の名機」と称えられるSA5000は、当時から美しいデザインにも注目が集まっていました。生産完了品として、今は中古でしか手に入れることの出来ない一点ものですが、愛着を持って接すれば、きっと傷や錆でさえも愛おしく感じることでしょう。
GRADO GS2000e e☆中古特価¥99,000-(税込)
趣のあるウッドハウジングと肌触りの良い木材に古都・京都の南禅寺を重ねる
建造物度 ★★☆☆☆
造形美度 ★★★★☆
萌え度 ★★★★☆
見てください、これヘッドホンですよ。息を飲むほど美しいですよね。木材ハウジングは年数が経てば経つほど深みが増して、この世にたった一つの色・肌ざわりに変化します。京都洛東にある南禅寺は、臨済宗南禅寺派の大本山。京都でも屈指の格式をほこるお寺です。有名ですが、京都では一番好きな建造物で、季節や年月を越えて、変化の楽しめる一点ものだと思います。
GS2000e自体は非常に簡易な作りですが、素材に拘ったハイエンドモデルです。ウッドハウジングで開放型というところに、今までなかった斬新なデザイン。雲海ような網目ハウジングが私の萌えポイント。美しいですね~。
枯山水(みたい)!開放型ヘッドホンの中でも一際存在感のある骨太な網目加工に、温もりを感じるハウジングから流れる音は非常にアナログチックで繊細な空間表現です。
beyerdynamic DT1990 PRO e☆中古特価¥44,900-(税込)
ドイツが誇るモダニズム建築「BAUHAUS」のように歴史に残る洗練されたフォルム
建造物度 ★★★★★
造形美度 ★★★☆☆
萌え度 ★★★☆☆
現代のグラフィックデザイン界はバウハウス・ムーブメントから大いに影響を受けているといっても過言ではありません。beyerdynamic DT1990PROは現代美術のモダンデザインを感じさせるデザインで、以前からとても好きなブランドです。
「形より機能」の理念を感じられるシンプルながらユーザーの為に設計された、頑丈で安定感のある造り。
「ブランドロゴ」も建造物目線で見ると高得点ポイント。主張も激しくなく、ヘッドアームに刻印されています。音質だけと言わず、所有欲を満たされるヘッドホンです。
STAX SR-009 e☆中古特価¥229,000-(税込)
吸い込まれそうなその奥には何もない暗闇か、神田川取水施設
建造物度 ★★★☆☆
造形美度 ★★★☆☆
萌え度 ★★★★★
ずっと撫でながら1時間は時間を潰していられます。私が見たヘッドホンの中でもっとも細かく滑らかな格子状の網目です。「もしかしたら肉眼では見えないなにかがこの奥に潜んでいるのかもしれない」と妄想させられるデザインです。
地下につばがるダクトホースのようなオリジナルの幅広の平行型。絡まり防止は勿論、「音の鮮度」が向上するそうです。TSAXで販売されているアンプでのみ鳴らすことが出来るという非常にニッチなヘッドホンですが、ピュアオーディオファンにとっては一台は手に入れたいハイエンド機なのです。STAXではほとんどの製品の修理用のパーツを長期に渡り保管し修理対応を可能にしています。そういった信頼感も非常に魅力的ですよね。
しなりのある柔らかいヘッドバンドで長時間の装着も安定して利用可能。一見、近寄りがたい見た目ですが、音色は非常にシルキーで、音数の少ない音楽だとより高度な技術で製造されたのかが分かります。
さて、いかがでしょうか。
実際に価値観を捨てて物事をみると、全く今までとは想像しなかった愛らしい場面が見えてくることありませんか。たとえそれがただの「餃子」だったとしても。
実は、まだまだあったのですが、流石に狂気さえも感じましたのでここまでとします。中古でしか出会えないイヤホン・ヘッドホンもありますので、その際は是非、「造形美」にも目を向けてみてください。中古でしかマジマジと触って確認できないハイエンドモデルも、もちろん、eイヤホンは実際に触って、聞くことが出来ますよ。
今回、ご紹介させて頂いた商品は、現在各店舗にある在庫よりピックアップさせて頂きました。
上記商品の中古価格は、満額商品の場合の価格となりますのでご了承ください。
勿論、店頭にてそれぞれご試聴頂けますで、ぜひ中古フロアへお越しください♪
ちなみにeイヤホンにある中古商品の在庫確認は、下記URLよりご覧いただけます~
以上、マツコでした〇
元e☆イヤホン大阪日本橋本店2F・買取/中古スタッフ。
ドイツへ移り住んでから早1年が経過しました。e⭐︎イヤホンを離れ、2019年5月に渡独。現在は主にドイツ・ベルリンの音楽やアート、ローカルカルチャーを専門に取材、執筆しています。また、自身でドキュメンタリー&カルチャーマガジン「MOLS magazine」を出版し、取材、執筆、編集を監修。現地に蔓延る見えない・聞こえないサインを捉え、ジャーナリズムにスタンダードからアンダーグラウンドまで発信しています。2020年に自主レーベル「MOLS」を設立。YouTube、SoundCloud、BandCampなどのデジタルコンテンツにて、ベルリンで活動するアーティストと携わり、PR、プロモーターとしても活動しています。