ついに今月発売。FiiOから登場の最新モデル『M9』を実際に使ってみたレビュー!
だいせんせいです。
先日、FiiOから『M9』というDAP(デジタル音楽プレイヤー)が発表されました。
00年代後半〜10年代前半にかけ、ポータブルアンプの人気ブランドのひとつとして名を馳せたFiiO。
ポタアン人気が下火となった近年においても、新作モデル『Q1 MarkII』が品薄になるほどの売上を見せるなど、根強い人気を持つブランドです。
そんなFiiOですが、ポータブルアンプに併せてDAPも発売しており、こちらも高い評価を得ています。
2013年発売の『X3』から2018年発売の『X7 MarkII』まで続いた『Xシリーズ』は、まさに同社のDAPの歴史そのものと言ってもよく、物理キーからタッチパネルへ、そしてAndroidを搭載と、時代に柔軟に対応するFiiOらしい変遷が垣間見えます。
そして、2018年に『M7』が発売。
従来のハイレゾDAPとしての性能はもちろん、新たにハイレゾ級ワイヤレスであるaptX HDやLDACにも対応し、次世代の音楽プレイヤーとしてのカタチを示したM7。
高機能ながら2万円台という極めて高いコストパフォーマンスも同社ならではで、ライト層からマニアックな層まで、幅広い注目を集めました。
衝撃のM7と共に幕を開けた『Mシリーズ』。
その上位機種として登場したのが『M9』というわけです!
FiiO M9
前機種『M7』と比べても、さらにコンパクトな印象を受けるこちらのM9。
果たしてどんな変化があるのでしょうか?
まずは外観からチェックしていきます。
M7とは対称的に、画面を筐体上部に寄せたデザインになっています。
直感的でわかりやすいインターフェイスはそのまま、UI自体は大きく変わっていないように見えます。
変更点としては、ホーム画面を上にスワイプさせるとSpotifyなどのアプリが表示されるようになっています。
ストリーミングサービスが流行ってきている昨今、DAPに標準で搭載されているのは嬉しいポイントですね。
搭載しているCPUはM7と同じとのことですが、ソフトウェアの作り込みが進んでいるのか、最新(記事執筆時点)のファームウェアのM7と比べてもサクサクと動きます。この辺りがストレスフリーなのは、普段使いするプレイヤーとしてはありがたいところ。
物理ボタンは向かって左側に集約されており、上部から電源ボタン、ボリュームダイヤル、再生/一時停止、送り/戻しとなっています。
個人的に好みなのが幅の細いボリュームダイヤルで、指先でもカリカリと軽く回すことが出来ます。それでいて誤作動も少なそう。ちょうどいい塩梅ですね。
バランス接続に対応&USB Type-C搭載!
今回のM9では、M7で対応していなかったバランス接続に対応しています。
バランス接続用ジャックは、一般的な2.5mmプラグ用のもの。
また、3.5mmステレオミニジャックがラインアウトと同軸デジタル出力を兼ねているのも、FiiOらしい設計です。
「M7はバランス接続が出来ないからなあ……」と二の足を踏んでいた方も、購入のきっかけになるかも?
あと、充電/同期用のケーブルがUSB Type-Cになっているのもポイント。
「この世の全部の端末がmicroUSBからType-Cになってくれ」と思っている方、多いのではないでしょうか。僕もその1人です。
TPUケースが付属
FiiOのDAPではおなじみ、TPU製のクリアケースが付属しています。
やはりこういったアクセサリは、寸法に間違いのない純正品が最も信頼出来ますよね。
追加で購入する必要がないのも嬉しいところ。
装着した様子。ズレなくピタッと装着されています。
端子周りも大きく開口されているので、大きめなプラグも問題なく挿さるかと思います。
個人的に嬉しかったのが、TPUケースを着けたままmicroSDを抜き差し出来る点。
いちいちケースを外す必要が無いので、複数のDAPを使い分けている方も運用しやすいかと思います!
コンパクトなサイズ感
iPhoneXとサイズを比較するとこのような感じ。
近年のDAPの中ではやや小ぶりな印象ですが、小さすぎず、手の中にちょうどよく収まるサイズ感です。
前機種のM7とは殆ど同じサイズですが、縦幅が小さくなり、横幅がやや広くなっています。
また、画面が筐体上側に寄っているので、親指でのタッチがしやすくなっています。コンパクトな端末ならではの嬉しい配慮ですね。
筐体形状としては向かって左部がラウンド状、右部が角ばっているという特徴的なもの。
どちらの手で持っても違和感無く持ちやすい形になっていますが、個人的には左手で持つと良い感じにフィットしました。
ちょうど親指にかかる位置にダイヤルがついていて、スムースに音量調整が可能です。サイドボタンも押しやすいですね。
試聴にはSony IER-M9を使用しました。
全体的にふくよかで、音色としてはどちらかというと柔らかめ。
粒立ちの良さがグイグイくる感じよりは余韻を楽しめる感じのしっとりした鳴りですが、解像度は高く、打ち込み系のハイテンポなフレーズもキレよく再現してくれます。
やや厚みのある低域は量感がしっかりとしており、気持ちよく響きます。
ボーカルの表現もハッキリしていて、宇多田ヒカルさんの『Flavor Of Life』などでは、輪郭がパキッとしすぎず、カドが絶妙に溶け込む心地よさがあります。コーラスの分離感も良いですね。
音場感はなかなか広く、特に縦方向の広がりはかなり余裕が感じられました。
その一方で、濃淡でいうと濃い目の、一音一音にギュッと身の詰まった響きが楽しめます。
よしうらけんじさんのアルバム『TONES』などを聴くと、パーカッションの胴鳴り、そして重く響く低音など、巧みな空間表現が魅力的に映えます。
個人的に一番好みだったのは、大石昌良さんの弾き語りアルバムより『ファイヤー!』。
大石さんの芯の通ったハイトーンボイスと、高い技術のギターが心地よく調和し、軽快なスラップも綺麗に響きます。
シャープなサウンドも上手く再現してくれるDAPですが、アコースティックな音色とは特に相性が良いと思います。
ボーカルもハリがありつつ、繊細な部分もしっかり表現してくれるので、歌モノを良く聴く方にも気に入ってもらえそうです。
【試聴環境】
Sony IER-M9
【試聴音源】
ファイヤー! / 大石昌良(16bit/44.1kHz)
Orbital Resonance / よしうらけんじ(24bit/192kHz)
Flavor Of Life[Ballad Version] / 宇多田ヒカル(24bit/96kHz) 他
以上、FiiOの新作DAP『M9』のご紹介でした!
こちらは11月22日(木)から発売中!
e☆イヤホン各店で順次試聴も可能となりますので、ご来店の折にはぜひチェックしてみて下さいね!
お相手はだいせんせいことクドウでした。それではまた次回。
【制作協力】
株式会社エミライ
※記事中の商品価格・情報は掲載当時の物です。
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