ポタアンのFiiO、入魂の一本。BTアンプ・BTR3を実際に使ってみたレビュー!
だいせんせいです。
皆様もご存知のことと思いますが、ここ数年でBluetoothイヤホン・ヘッドホンが飛躍的に浸透し始めています。
同じく急速に普及したスマートフォンと相性が良いこともあり、現に海外などでは、既に有線イヤホンよりもシェアが大きくなっている地域もあるといいます。
それと同時に、最近少しずつ話題になってきているのがBluetoothヘッドホンアンプという分野。
いわば有線のイヤホン・ヘッドホンとプレイヤー本体をワイヤレスで中継してくれるような製品なのですが、音にこだわったモデルはサイズが大きかったり、逆にコンパクトなモデルは音質的にまずまずだったり……と、いわゆる定番どころのような機種は未だ無く、各社から多種多様な製品が発売されている状況です。
そんな中!
とある新製品が、Bluetoothヘッドホンアンプの新定番たりえるのではないか……!?
そう思わせてくれるほどの高い完成度で登場致しました。
早速、ご紹介させて頂きましょう……。
はいドン!!
FiiO BTR3
こちらの『BTR3』を開発したのは、ポータブルアンプやDAPでおなじみのFiiO!
特に往年のポータブルオーディオファンであれば、FiiOのポータブルアンプに思い入れがある方も多いのではないでしょうか。
近年ではイヤホンやBluetoothケーブルも手がけるなど、最新の流行や技術を積極的に取り入れるFiiOですが、ポータブルアンプに定評のあるFiiOが手がけたBluetoothヘッドホンアンプ……となると必然、期待も高まります。
今回はそんなFiiO『BTR3』を実際の使用感を交え、レビューしていきます。
全てのBluetoothオーディオコーデック&NFCにも対応
Bluetoothオーディオにおいて、対応コーデックは最も重要な要素のひとつです。
『A2DP』という音楽を再生する上で必須となるBluetoothのプロファイルがあります。
データをそのまま伝送は出来ないので伝送する際に音声を圧縮して転送します。
その圧縮方式のことをコーデックと呼びます。
Bluetoothのオーディオコーデックのバリエーションは徐々に増えてきています。
しかし、種類が多くなるということは必然、最適な組み合わせが難しくなるとも言えます。
例えば、aptXに対応したBluetooth機器を持っていても、AACにしか対応していないiPhoneと接続すると、デフォルトのコーデックであるSBCで接続されてしまいます。
最適な組み合わせのためには、自分の持っている端末がどのコーデックに対応しているかをしっかり理解し、それに合わせた機器を選ぶ必要があるわけですね。
その点、BTR3であれば、下記のコーデックに対応しています。
- SBC
- AAC
- aptX
- aptX Low Latency
- aptX HD
- LDAC
- HWA
全部入りですね。
お手持ちの全ての端末で、最適なコーデックでBluetoothオーディオを楽しめるというのはかなり大きなアドバンテージだと思います。
特にファーウェイの最新コーデック『HWA』にも対応しているというのは、流行に敏感なFiiOらしいフットワークの軽さですね……!
加えて、抜け目なくNFCにも対応しています。
ペアリングの手間なく、ワンタッチで接続できるのはありがたいところ。
コンパクトなサイズ感
Bluetoothヘッドホンアンプは数あれど、音質にこだわったモデルは必然的にサイズが大きくなりがち。
しかしBTR3は極めてコンパクトなサイズ感で、煩わしさを感じることは殆どないはずです。
重量も約26gと非常に軽量。10円玉5〜6枚くらいの軽さです。
カバンに入れておいても全く負担になりませんし、なんならシャツにつけっぱなしにしていてもいいくらいではないでしょうか。
今回の試聴では実際にシャツに取り付けて行いましたが、殆ど装着感も無く、快適に運用出来ました。
1.5時間の充電で11時間の連続再生
BTR3に搭載されているバッテリーは300mAhで、わずか1.5時間でフル充電が完了。
しかも11時間連続再生が可能となっております。
一般的なBluetoothイヤホンでも連続再生時間は6時間〜8時間程度のものが多いので、それを上回るロングライフな設計は魅力的ですね。
マイク内蔵でヘッドセットとしても使用可能
BTR3は本体側面に操作ボタンがあり、イヤホンに付いているリモコンと同じ感覚で操作が出来ます。
電源ボタンと決定ボタンの間にはマイクが内蔵されており、通話用ヘッドセットとしても使用可能。
Bluetoothイヤホンとしては標準的な機能なだけに、同様の使い方が出来るのは嬉しいポイントです。
USB-DACとしても使用可能
個人的に一番面白いと感じたのが、こちらのUSB-DAC機能!
上述のUSB Type-C端子でPCと接続することで、USB-DACとして使用することが可能になります。
本体がコンパクトなので、ポータビリティの高さだけでなく、デスクトップに置いても邪魔にならないというのも素晴らしいポイントだと思います。
BTR3はDACチップに旭化成エレクトロニクス製「AK4376A」を採用しており、音質にもこだわって作られているモデル。PCでの音楽・映像視聴を手軽に高音質化してくれます。
移動中はスマートフォンや音楽プレイヤーとBluetooth接続、出先の作業中はノートPCとUSBで接続……といった、場面に応じた使い分けをするのも便利かもしれません。
スマートフォンアプリで機能の調整が可能
FiiOから提供されている『FiiO Music』アプリを使用することで、BTR3の機能を細かく調整することが出来ます。
(※BTR3本体のFWアップデートが必要な場合があります)
入力元のデバイスの認識を手動/自動で切り替えるかを選択出来たり、
左右の出力バランス、Bluetoothコーデックも(プレイヤー側が対応する範囲で)選択出来るなど、カユいところに手が届く調整が可能。
ご自身の環境に合わせて細かくカスタマイズ出来るのは、ヘビーに使い倒すユーザーからしてもありがたいところです。
手持ちのiPhoneと、NW-ZX300に接続して使用してみました。
はじめは有線のイヤホンを使っていながら手の中の端末からケーブルが伸びていないということに少し奇妙な感覚があったものの、少し使っているとすぐに慣れ、むしろその取り回しの良さはBluetoothイヤホンにも引けを取りません。
途切れもほぼ感じず、アンプ本体を手で覆っても問題なく再生を続けてくれるので、接続強度の信頼性はかなり高いです。
傾向としては若干柔らかめでシルキーなサウンド。
やや丸めの輪郭でゆったりとした音でありながら、解像度はなかなかに高く、LDACやaptX HDなどの再生にも高いレベルで応えてくれる性能があると思います。特に横方向の広がりは自然に心地よく響き、空間の広さが感じられます。
バランスはやや低音寄りですが、極端に振ってはおらず、楽曲ジャンルによる向き不向きはそこまで色濃く出ないように思います。ポータブルでのリスニングでも外の喧騒に埋もれること無く、しっかりと音楽を楽しめるチューニングになっていると思います。
また、iMacとの接続で、USB-DAC機能も試してみました。
ケーブル1本のバスパワー駆動で使える手軽さももちろん、そのコンパクトさからは想像も出来ないほどクオリティの高い再生に驚きました。
高出力が必要な大型のヘッドホンなどには向いていないかもしれませんが、イヤホンなどで簡単に高品質な音楽を楽しみたい方にはもってこいの組み合わせではないでしょうか。
【試聴環境】
プレイヤー:iPhoneXSMax / NW-ZX300 / iMac(USB-DAC)
イヤホン:IER-M9
【試聴音源】
『BELIEVE』 / 石川綾子(24bit/96kHz)
乙女よ大志を抱け!! / 天海春香(24bit/96kHz)
Fly Me to the Star / スタァライト九九組(24bit/48kHz) 他
以上、FiiOのBluetoothヘッドホンアンプ『BTR3』の使用レビューでした。
こちらは現在e☆イヤホン各店にて好評発売中です。
イヤホンは有線のモデルを使いたい……。
でも、変換などを挟んでスマホに接続するのは面倒くさい……。
そんな、今のリスニングの形をちょっと変えてみたいという方にオススメの製品となっております。
ご来店の際にはぜひ、チェックしてみて下さいね!
お相手はだいせんせいことクドウでした。それではまた次回。
※記事中の商品価格・情報は掲載当時の物です。
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