ソニー・秋の新作はなんとIEM。2モデルを写真も交えて、じっくりチェックします!
だいせんせいです。
皆様、先日発表となりました『IER-M7』『IER-M9』はご存知ですか?
いわゆるハイエンドなIEM(イン・イヤー・モニター)がコンシューマー層にも浸透してきている昨今。
過去にソニーが発売したステージ用IEMといえば『MDR-EX800ST』がありましたが、あちらはあくまで完全な業務用モデル。
今回の2機種はコンシューマーにも視野を広げた展開をしていることで、注目している方も多いのではないでしょうか。
また、現在ソニーストアなどの一部ショップにてご試聴が可能になっているため、既に聴いたよ! という方もいらっしゃることと思います。
今回はそんな両機種を、細かい点までしっかりチェックして参ります!
箱を開封すると、以下のようになっています。
左上にイヤホン本体、左下にイヤーピース各種。
真ん中に2種類のケーブル、右下にハードケースがそれぞれ収納されていますね。
イヤホン本体
ソニーのイヤホンというと、機種によって大幅にデザインが異なっていたりもしますが、今回はステージ用IEMということもあり比較的ベーシックな形状になっています。
筐体素材の違いはあるものの、サイズ感は同一。
コンパクトで耳への収まりも良く、装着感の完成度は流石ソニーといったところ。
IER-M7は、ノズル部分に真鍮が採用されています。XBA-N3などと同一の仕様ですね。
一方IER-M9は筐体全体がマグネシウムで出来ており、耳にするとヒンヤリとした感触が。
イヤーピース
イヤーピースは、ハイブリッドイヤーピース×7サイズとトリプルコンフォートイヤーピース×6サイズで圧巻の13ペアが付属しています。
いわゆる一般的なシリコンタイプのイヤーピースであるハイブリッドイヤーピースはもちろん、水洗い出来る耐久性のある特殊なフォームタイプのトリプルコンフォートイヤーピースも付属しているのは嬉しいポイントですね。
サイズの刻み方もここまで細かいものはなかなかありませんので、耳にバッチリフィットするものが見つかると思います。
ケーブル
ケーブルは、どちらも銀コートOFC線を採用。
IER-M9の付属ケーブルのみシルク編組が使われており、タッチノイズの抑制と高級感のあるビジュアルを実現しています。
また、なんと標準で4.4mmバランス接続用ケーブルが付属しております。
ウォークマンなどの4.4mmバランスに対応した機種をお持ちの方であれば、追加でケーブル等を購入する必要なく、最初からバランス接続で音楽を楽しむことが出来ます。
これぐらいのプライスレンジの製品を購入する方となると、バランス接続を活用している方、もしくは検討しているという方も多いハズ。標準で選択肢として組み込まれているのは嬉しい仕様ですね。
ハードケース
ハードケースは両方同じサイズ・形状になっておりますが、天面の素材が異なります。
IER-M7付属ケースの天面は柔らかいPUレザーのような素材が使われていますが、IER-M9付属のものは金属パネルが使われており、全然違った印象を受けます。
また、側面は共通でポリエステルクロス(布)を採用。
内装の素材もわずかに異なり、IER-M7付属のケースは普通の布地という感じですが、IER-M9付属のケースはベロアのような素材が使われていて、上質な肌触り。
ケーブルホルダー
ハードケースの中には3つのアクセサリが収納されています。
中でも注目は上図の真ん中にあるケーブルホルダー。
一見するとただのシリコンバンドにイヤホン収納部が付いただけのように見えますが、実はマグネットが内蔵されており、このように真ん中がくっつくようになっています。
そのため、イヤホンのケーブルを円形に綺麗に束ねることが可能。
しかも、ハードケースの真ん中にもマグネットが内蔵されているので……、
束ねたケーブルホルダーがケースの中心にピタリと収まります。
逆さにしても落ちないほどちゃんとくっついているので、ケースを開いた際に不意に落ちてしまう、という心配もありません。
使った感触としてはそんなに強いマグネットではないので、外しやすさと外れにくさを絶妙に調整しているのだと思います。
しかもこのケーブルホルダー、真ん中をマグネットで留めているだけなので、ケーブルを持ってそのまま引っ張るだけでホルダーから外すことが出来ます。
地味なポイントかもしれませんが、ケーブルホルダー系のアクセサリとしては革新的に便利だと感じました。
その他製品仕様等につきましては、製品ページも合わせてご覧くださいませ。
やはりモニター用として開発されただけあり、どちらも比較的クセの少ない、素直なサウンドが魅力的に感じました。
しかし、キャラクターとしては明確な違いがありましたので、そちらをそれぞれご紹介して参ります。
IER-M7はスッキリ響く見通しの良さがありながら、少し柔らかく、ふくよかな響きが印象的。
空気感の再現性が良く、わずかにライブ感のある抑揚が、ステージ用である所以なのだと思います。
どちらかというと生音系を綺麗に鳴らしてくれる傾向のサウンドで、一音一音を優しく丁寧に響かせてくれます。
リスニング用としてもオールジャンルで楽しめる出来栄えですが、個人的にはジャズやR&Bなどのジャンルと組み合わせが好みでした。
一方でIER-M9はカチッと硬質なサウンドで、IER-M7と比べてもキレや粒立ちの良さが目立ちます。
より分析的で、IER-M7にも共通するポイントですが、音場感や定位感が極めて正確。
オーケストラなどの規模感の大きなジャンルでも、どの位置からどんな音がどれくらいの音量で鳴っているのかがしっかりと感じ取れます。この当たりは流石のモニターモデルといったところ。
また、IER-M7よりさらにフラットめに感じさせるバランスでありながら、ステージ用IEMというだけあり、パフォーマンスに向けたノリの良さ、音楽的な楽しさを併せ持っているのも見事なチューニングです。
こちらもオールジャンルを万能に鳴らせる懐の広さがありますが、ハイテンポな楽曲をモタつかせずに聴かせてくれるレスポンスの良さが嬉しく思いました。
以上、『IER-M7』『IER-M9』のご紹介でした!
こちらは2018年10月6日(土)発売予定!
気になった方はぜひぜひ、チェックしてみて下さいね!
お相手はだいせんせいことクドウでした。それではまた次回。
※記事中の商品価格・情報は掲載当時の物です。