流行り物は敏感な方ですが、なにかとアナログ気質な私。
そんな今年の流行は何かご存知でしょうか。
個人的には音楽業界での2016年のキーワードは「原点回帰」。これに尽きるような気がします。
近年、音源をネット配信できるデジタルな世の中で、トップアーティスト達はレコード盤やカセットテープの制作に力を入れている様にも感じます。「IFA 2015」や「CES 2016」でも各メーカーはアナログレコードプレイヤーに目をつけ、Technicsの復活は、多くのオーディオファンの心に灯をともしました。
本日は、シンプルなのに複雑な面も合わせ持つ、独特のオーラを放つ個性派イヤホンと併せて、個人的に注目している「アイスランド音楽」もご紹介したいと思います。
GRAO GR10e
体の芯から温まる、そんな耳にとっての楽園がここにある
ムービングアーマチュアという独自で開発したドライバーを採用。
前作GRADO GR10よりもどっしりと構えた低域が特徴的。中高域の再現力は変わらず、脳内いっぱいに響き渡る感覚は癖になりそう。今回紹介した4機種の中でもっともウォームな音質です。小粒でデザインも美しいので、女性に着けてほしいイヤホンです。
このイヤホンの得意とする楽器は「アコースティックギター」だと思います。
是非、通常のダイナミック型ドライバーでは味わえない「生々しさ」を感じてほしいです。
このイヤホンで是非聴いてほしいアイスランド音楽はこちら!
klipsch X10
POPなシンセから美しいピアノサウンドまで幅広く対応!
細かい水滴の弾く音まで繊細に表現!より立体的な音楽を求めるならKlipsch X10
先ず、この筺体を見よ。
まあ細い、クリオネの様に美しい筺体からは想像以上の世界が広がる「未知との遭遇」。
女性でも耳の奥までしっかり装着する事が出来ますし、フィット感も抜群なので3万円以下のミドルクラスでポータブルイヤホンをお探しの方に一押しです。
「BEST FOR JAZZ(ジャズを聴く為のイヤホン)」というキャッチコピーですが、ギターストリングスやボーカルの息遣いを間近で感じる事の出来る優秀イヤホンです。
音質自体は非常にナチュラルで、低域から高域までの諧調も非常に緩やかなので、癖がありません。昔のシングルドライバーのイメージは音が硬く、ぶっきらぼうなイメージもありましたが、X10はその概念を覆す「シングルの本気」。
多ドライバーが流行するなかで、発売から約8年間も変わらずに人気を維持できるのは凄いことです。
このイヤホンで聴いてほしいアイスランド音楽はこちら!
Ortofon e-Q7
ビョークを聴く為に生れてきた!?
独自設計で可能にした鳥肌サウンド!
Ortofonはレコードのカートリッジ、スピーカーシステム、アンプ等、とにかくアナログサウンドにこだわったメーカーで有名ですね。ちなみに、大阪日本橋本店スタッフ・タラオさんもORTOFON concordeシリーズのレコードカートリッジを使用しているそうです。
このイヤホンの最大の魅力は、ホール会場でオペラを聴いているかのような美しい反響音。そして、女性ボーカルの艶やかさをリアルに再現してくれます。
再生周波数は10 – 20,000Hzと、ダイナミックドライバーに比べるとやや狭く感じますが、狭さを感じさせない表現力に脱帽します。個人的にはボーカルを主体とする鳴り方なので、Image X10と同じ位置づけの様にも感じます。
程良い低域再生はアナログらしいマイルドでブーストされていない感じが好印象。このイヤホンでBjorkやSigur Rosを聴くと涙が出ます。
こちらの商品は3色展開でしたが、ブラックのみ生産完了となりました。
現在レッド・シルバーの2色展開です!
このイヤホンで聴いてほしいアイスランド音楽はこちら!
Etimotic Reseach ER-4PT-B
イヤホン界の老兵!癖の強さはナンバーワン
個人的に「個性的」「BAらしい音」と言えばER-4シリーズでしょう。ER-4シリーズのインピーダンスの違いはケーブルで変わります。今回はER-4Pをチョイス。こちらはER-4Sに比べてインピーダンスが低く、やや低域が強く感じられるのでポータブル向けです。
このザ・業務用な無機質なデザインが大好きです。
beyerdynamic DT770PROのようなマットブラックにグレーカラーのイヤーパッドが使用者側の感情もストイックにさせるエッジの効いた商品です。この現代らしくない、絶妙な「ブレ感」。これがマニアからは高評価を受け、今も尚人気があります。
特徴的な「三段キノコ」と呼ばれるイヤーピースを初めて装着した時の感動は今でも覚えています。遮音性は勿論、繊細で癖の無い音質を耳へ届けるには一番相性がいいでしょう。
そんな鬼軍曹イヤホンには、池田亮司やムームの音源がベストだと思います。
とことん前衛的に向かいたいなら、前衛音楽で攻めていきましょう。
このイヤホンで聴いてほしいアイスランド音楽はこちら!
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ここからは個人的なブログに…。
アイスランドと言えば名前の通り、「氷の国」と呼ばれ、国の殆どが絶景に囲まれた人類最後の癒しの大地です。そんな楽園の中からはあの有名なビョークやシガーロスにムーム等、独特の存在感を持った個性的なアーティストが沢山生れ、毎年11月に開催される「AirWaves」という音楽フェスは、「世界で行って良かった音楽フェス第2位」に選ばれるほど(日本で開催されているFUJI ROCKは第4位)。
そんな世界中にファンの多い国アイスランドより、マツコおすすめのアーティストをご紹介したいと思います。
1.Singapore Sling(シンガポール・スリング)
歪んだギターサウンドとネガティブセンスなボーカルはジョイディヴィジョンとヴェルヴェットアンダーグラウンドを掛け合わせたようなバンド。アイスランドの冷たく曇りがちな気候にピッタリなダークさが好き。
2.OYAMA(オヤマ)
これぞアイスランド!といわんばかり、どこか懐かしさを感じるポップなメロディに荒々しさの残るギターカッティング。Sonic Youth好きな人にはドンピシャではないでしょうか。
メロディの中にも若者らしいアートな部分も垣間見える、2016年アイスランド期待のアーティスト。
個性的なシングルBA型イヤホンやアイスランド音楽の中には、流行りに流されないながらもマニアックな「ブレ」を感じさせるものばかりです。
是非、この機会にシングルBAの代表4機種とアイスランド音楽に注目してみて下さい。
以上、マツコでした○
元e☆イヤホン大阪日本橋本店2F・買取/中古スタッフ。
ドイツへ移り住んでから早1年が経過しました。e⭐︎イヤホンを離れ、2019年5月に渡独。現在は主にドイツ・ベルリンの音楽やアート、ローカルカルチャーを専門に取材、執筆しています。また、自身でドキュメンタリー&カルチャーマガジン「MOLS magazine」を出版し、取材、執筆、編集を監修。現地に蔓延る見えない・聞こえないサインを捉え、ジャーナリズムにスタンダードからアンダーグラウンドまで発信しています。2020年に自主レーベル「MOLS」を設立。YouTube、SoundCloud、BandCampなどのデジタルコンテンツにて、ベルリンで活動するアーティストと携わり、PR、プロモーターとしても活動しています。