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皆さんおはこんばんちは。

e☆イヤホンのりょう太です!

 

Astell&Kernブランドから”新スタンダード”と位置付けられたプレイヤーAK320が登場しました。

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IRIVER Astell&Kern AK320

 

 

 

シリーズの最上位であるAK380のデザインやスペックを一部踏襲したモデルであること、更に価格はAK380の約半額ということもあり気になっている方が多いのではないでしょうか。


 

<気になるAK380とAK320の主な違い>

・筐体素材とデザイン

・DSDおよびPCMのネイティブ再生能力

・内蔵メモリの容量

 

まずはデザインを見ていきましょう。

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左:AK380 右:AK320

”光の陰影”をモチーフとしたデザインであることは共通していますが、若干AK320の方がシンプルなデザインであることがわかります。

筐体の素材はAK380がジュラルミン(アルミ合金の一種)製であるのに対し、AK320はアルミニウム製。AK320のフロントパネルは525gのアルミ材の塊から削り出し、たった41.5gだけが筐体として残る。

 

以下、メテオリックチタン(茶色っぽい色)がAK380、ガンメタルがAK320とご判断ください。

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出力端子やボタンの配置はそれぞれほとんど同じ。

 

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ハードキーのある側面もわずかに形状が異なります。

 

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デザイン面で最も違うのがボリューム部分。

AK380は歴代AKシリーズの主流であるタイプのボリュームダイヤルを採用していました。

対してAK320はシリーズのエントリー機であるAK Jrのものと類似した”背面と平行”なタイプのボリュームダイヤルを備えています。

どちらが操作しやすいか、個人的には使い慣れたAK380のものがわずかに操作しやすく感じるのですが、初めてそれぞれを触れる方にとっては特別どちらが操作しやすい、といったことはないと思います。

 

 

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背面デザインおよび素材が違います。

AK380の背面にはカーボンが採用されていました。

対してAK320の背面はアルミが採用されていて、どこかで見たことのあるパターンが刻印されています。

 

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AK120IIと同じパターン。

見覚えがある理由、それはAK120IIの背面デザインと同じだからです。

Astell&Kernブランドの「A」を模したブランドロゴを4つ組み合わせた星型のパターンを並べたもの。

これは、Astell&Kernシリーズの第二世代機AK120IIに対し、AK320が第三世代機においての同じポジションに位置することを意味しています。

 

本体の形状が異なるため、付属ケースもAK380と共通とはいかなくなります。

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付属ケースの色がはブラック。

AK320にはイタリアのconceria WALPIER(コンセリア・ワルピエール)のレザーケースが付属。

今までの他の機種用に発売されたブラック系ケースよりも光沢が強い印象。

 

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裏面を見るとAK320専用。

AK380用と非常によく似てはいますが、やはりボリューム部分のデザインが大きく異なるため専用ケースとなります。

今後はAK320用の別カラーケースが発売されたりするのでしょうか?

 

 

さて、デザイン面での違いはおわかりいただけたでしょうか?

次は音源の再生性能について、そして内蔵メモリの容量についてです。

 

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▼AK380

DSD256(11.2MHz/1bit)までをネイティブ再生可能。

PCM32bit/384kHzまでをネイティブ再生可能。

 

▼AK320

DSD128(5.6MHz)までをPCM24bit/176kHzへ変換して再生。

PCM32bit/384kHzまでを再生可能。ネイティブ再生は24bit/192kHzまで。

※352.8kHzは176.4kHz、384kHzは192kHz、32bitは24bitにダウンコンバート。

 

実は結構違います。

AK380のセールスポイントのひとつ、DSD256までのネイティブ再生能力ですが、残念ながらAK320はネイティブ再生には対応しておらず、再生できるのもDSD128までなのでDSD256は再生自体が不可能。

また、PCMについてもネイティブ再生は24bit/192kHzまで。それ以上のレートはダウンコンバートとなっています。

スペックにしてみると顕著な差ですが、逆に言えば「DSDを聴かない」「ハイレゾは聴いても24bit/192kHzまで」といった方にとっては全く問題ない差であるとも言えます。

大事なのは自分がどういった音楽ファイルを再生するか、ということです。

 

 

続いて内蔵メモリの容量について。

▼AK380

256GB

 

▼AK320

128GB

 

AK380に対してAK320は半分の容量になっています。

例えば約4分間の24bit/192kHz FLAC形式の音源を入れた場合AK380なら約1,560曲、AK320なら約780曲収録可能とされています。

 

microSDカードスロットをAK380、AK320ともに1スロット備えています。

最大で128GBまでどちらも認識するので、内蔵メモリと合計するとAK380は最大384GB、AK320は最大256GBまで一度に読み込むことが可能となっています。

 

128GBでも十分な容量に思えますが、ハイレゾ音源をメインに聴く方にとってこの2倍の差は大きいかもしれません。

 

音の違いは?

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バランス端子も搭載。

・音質の違いは「ある」。

AK380とAK320、デジタル部分でのスペック差はあっても使用しているDACは共通しており、音質差についてに明確な記述などは公式にはほとんどありません。

しかし、プリント基板の構造が異なる点や、筐体素材、筐体構造の違いなど、過去にAK240とAK240SSの例もあるように些細なことで音に影響を与えることは多々あります。

AK380は圧倒的なS/Nの高さと、広大なサウンドステージ、音源が持つ音の細部まで緻密に表現することができる、ポータブルプレイヤーの中では抜きん出たポテンシャルを持つ製品です。

AK320はその特性を受け継いでいますが、やはり構造的な相違点が影響してか音質面にも違いが感じられました。

AK320はわずかに低音域の量感が多く、音のキレの良さが加わった印象。言い換えれば余韻が少し控えめになったのではないでしょうか。反面、サウンドステージの広さ、セパレーションの良さについてはAK380の方が数段上手となり、一言で表すと「余裕がある」のはAK380です。

キャラクター的にはAK380はやや暖かい傾向のフラットバランスで、AK320はややクールでややドンシャリな傾向でしょうか。第二世代機で例えれば、やはりAK240とAK120IIの違いに少し似ているかもしれませんね。

とは言え意図的に「全く違う音を目指した」にしては差が少なく思えますし、はっきり言うと音質差に対する価格差があまりにも大きいです。これを「AK320はコスパが良い!」と言うには、AK380とAK320の販売価格を考えるとあまりにも暴力的な言い方になってしまいますが、様々なスペック差を考慮しても、やはりAK380に対してAK320はお値打ちに感じられる完成度を持っています。

 

・AK380「専用」のアイテムが一部使用可能。

前述の通り、ケースはそれぞれの形状が異なることを理由に使い回しできませんが、音質向上用の外部アンプ「AK380AMP」、PCレスでCDのリッピングが可能となる「AK CD-RIPPER」、XLRバランス端子を備える「AK380 CREDLE」がAK320でも使用可能となっています。

AK380同様、AK320も音質面、機能面での拡張性は広く設けられているのは価格面でAK320を検討する場合には嬉しいところです。

 

 

 

もし、AK380、AK320の購入で迷われる場合、それぞれの出来ること出来ないことの差をしっかりと見極め、「AK380を買う必要があるのか」「AK320で十分なのか」をご判断ください!