皆さんおはこんばんちは。e☆イヤホンのりょう太です!
皆さまお待ちかね、Astell&Kernの新フラッグシッププレイヤーA&ultima SP1000 SS(ステンレススティール)が国内でも正式リリースとなりました。
つい先日、実機をタッチアンドトライする機会をいただきましたので、ファーストインプレッションをレポしてみたいと思います。
まずは実機の写真をずらりと。
ずっしり重い、AK380との差は?
サイズ(W×H×D) | 約75.8×約132×約16.2(mm) |
AKシリーズの中では最大級となるSP1000。重量も約386.6gとかなりの重量級。ズボンの後ろポケットに入れてみたところ、かなりのズッシリ感。
他モデルとの重量比較 | |
SP1000 Stainless Steel | 約386.6g |
SP1000 Copper | 約387.9g |
AK380 | 約230g |
AK380+AK380アンプ | 約393g |
AK380 Copper | 約350g |
AK380 Copper+AK380アンプCopper | 約647g |
AK380 Stainless Steel | 約340g |
AK380 Stainless Steel+AK380アンプStainless Steel | 約503g |
SP1000は今回リリースされたステンレススティール筐体の物と、追って発売されるカッパー筐体のものとがあり、その重量はほぼ誤差程度しか差がありません。
AK380シリーズと重さを比較すると、アンプユニット無し状態の各モデルに対してはいずれもSP1000の方が重くなっています。しかしジュラルミンボディのAK380+AK380アンプに比べるとSP1000の方が軽いという数字を見ると、380のオーナーさんの中には「おや、SP1000意外と軽いな」と感じる方もいらっしゃるのでは?わたくしアンプユニット有りのAK380を運用しなれたせいか「案外軽い」と思ってしまいました・・・。とは言え重量級であることに変わりはありません。
筐体形状はAK380などのイメージを残しつつ、よりシンプルに洗練されました。ボリュームノブの削り込みがかっこいい。
サイドキーはお馴染みの三連。センターボタンに突起が追加されました。
SP1000にはAK KANNにも実装されたUSB-C端子が。KANNには複数のUSB端子が設けられた特殊仕様でしたが、SP1000は単純にmicroB端子との入れ替えになっており、データ転送も充電もUSC-C端子で行われます。
USB端子の横には、AK300系同様にバランス端子と思われるものも。
SP1000は内蔵ストレージが256GBあるのに加え、最大256GBまで対応するmicroSDカードスロットが本体上部にあります。AKシリーズとしては初となる、いわゆるSIMカードスロットのようにピンで押し出すタイプのトレー式が採用されています。トレーを出すために付属しているピンはAKロゴを象った粋な計らい。他の物でも代用は効きそうですが、失くさないように気をつけたいところです。
裏面右上にはAK300系にもあったドッキングユニット固定用のネジ穴に似た穴が。ネジ目はなく、代わりに開口部が独特な形状になっています。今の所用途は明らかにされておらず、底面のバランス端子(と思われるもの)同様に今後何かクレードル等のオプションパーツが登場した際に使われるものかも知れません。
パッケージの内箱は木製
パッケージの内箱がまさかの木箱です。かなりしっかりしてます。
毎回AKのハイクラス機にはプレミアムレザー製専用ケースが付属してきましたが、SP1000にはスウェーデンのタルンショ フェルヴェーリ製ベジタブルタンニングを施した天然皮革を使用したケースが付属しています。やや赤みがかった茶色です。使い込むと良い風合いになりそうな質感です。
ケース背面の文字はいつものAstell&Kernではなく、A&ultimaに。
SP1000はディスプレイが5インチと大きめなため、ケースを装着すると今までの機種の形状から感じた”AKっぽさ”は少し薄まる印象。
ケースを着けたままでもUSB端子へのアクセスは可能。今まで純正ケースを装着したままではmicroSDカードの出し入れが出来ませんでしたが、カードスロットがサイドから上部へ移ったことで、常時ケース着けっぱ運用も問題なしとなりました。
より直感的操作を可能とする新UI
SP1000では「機能は可能な限り音楽再生に特化」「音楽データベースとそれを管理する機能へ安全にアクセス」「メニューのレイヤーはできるだけ浅くシンプルな構造」という3つのコンセプトにより新たなユーザーインターフェースを搭載しています。旧来のUIではホーム画面と再生画面が別になっていましたが、新UIではホーム画面自体が再生画面となっています。今までのAK380等を使っている方は初め戸惑うかもしれませんが、慣れるのにそう時間は必要ではないと思います。
画面が広くなって表示にもかなり余裕が文字が見やすい。
画面上部から下へスワイプすると現れるお馴染みのプルダウンメニューも、内容は従来のものと同じですがアイコンが大きくなりました。
プルダウンメニューはアイコンが大きくなった分、分割2ページになっています。左右のスワイプで切り替え可能。
ざっくりAK380と見比べる
SP1000はAK380に対して約20mm背が高くなりました。ディスプレイは4.0インチから5.0インチに拡大し、解像度もAK380のWVGA(480×800ドット)からHD(720×1280ドット)へ向上。確証は持てませんが、心なしか輝度や発色も良くなった気がします。
AK380までの独特な幾何学形状から、少し真四角よりの形状になったことに「それで良いんだよ」という思いと、少し残念な複雑な心境を抱かずにはいられません。
Copperモデルも登場
発売時期がまだアナウンスされていないCopperモデルも登場。単純に筐体素材が異なるだけのCopperモデル、数値上は1gほど重くなっていますが持ち比べてももちろんその違いはわかりません。
過去に販売されたAK380のCopperモデルは高純度故の”ボディの酸化現象”に対する対処対策がユーザー間で度々話題となりましたが、SP1000 Copperについては以前よりもかなり強力な酸化防止コーティングが施されているとのことでした。ちょっと安心。ちなみにCopperモデルはSSモデルと同額での販売を想定しているとのことです。
特に意味もなく重ねてみましたが色味以外は変わりません。
聴いてみた印象
まずはSSモデルを聴いてみました。過去、ベーシックモデルよりもステンレススティール筐体モデルの方が音の傾向が好みだったこともあり、かなり期待しつつ聴いたのですが、パッと聴きでその期待を上回る音質を感じられてひとまずは安堵。
AK380よりもスペック面で明確にS/N比が向上しており、聴感上もより明瞭で空間表現豊かな音になっています。AK380で十分、いや十二分に満足していた耳が、一度SP1000の音を聴いてしまうと「戻れない・・・」とか思ってしまうような魅力を秘めています。これは非常にまずい。
また、SP1000が初展示されたドイツのHIGH END取材へ行ったスタッフのインプレにもあったように、低音域の押し出しの強さ、高音域の煌びやかさも確かに感じられました。ジュラルミン筐体のAK380はかなりニュートラルで王道的なモニターサウンドなのですが、ステンレススティール筐体になることでシャープで煌びやかな音になっていたと思います。SP1000はS/N比が向上し、かつ初めからステンレススティール筐体が標準で登場したことでこの印象が増したと言えます。個人的にだいぶ好きな音です。
次にCopper筐体モデルを試聴。こちらもAK380の例の通り、Copper筐体機特有の温かみと響きが特長的なサウンド。AK380から基本スペックが向上したせいか筐体素材による音色の差がより明確に感られました。Copperモデルの方がより「銅筐体っぽい音」と言うか、すごく”らしい音”です。銅筐体の音が好きな方はぜひ機会があれば聴いていただきたいと思います。
趣向面での部分は別として、オーディオ的には確実にAK380の上を行く完成度となっているSP1000。国内最速で試聴できる機会は今週末のポタフェス愛知・名古屋となっています。ぜひ奮ってご参加くださいませ!
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