どもども、エリーナです。

 

この度中古担当からDAP担当になりまして性能の進化に驚く日々を過ごしております。

 

そんな中、Cayinの真空管入りエントリーDAP、N3proが発売されました。

 

せっかくなのでゆっくりじっくりと聴いた感想を皆様にお伝えさせていただきます。

 

 

Cayin N3Pro  レビュー

 

Cayin とは?

まずはCayinというブランドの説明をさせていただきましょう。Cayin(カイン)は1993年に創立された中国のオーディオブランドです。

 

CDプレイヤー、真空管アンプ、スピーカーなどを中心に扱っていたメーカーでしたが、2013年よりポータブル製品の製造も行うようになりました。

 

真空管アンプHA-1A MK2や、真空管入り高級DAPのN8などが有名です。

 

今回発売されたN3proはN8と同じく真空管を搭載し、N8よりコンパクトで低価格なプレイヤーです。

 

 

N3Proのスペック

リリース時の情報で少し変更点があるようですが、こちらがN3Proのスペック表です。

 

 

外観をチェック

N3Proの外観をチェックしていきましょう。

 

まずは表面から。

スクリーンは上約半分にまとめられており、下半分には真空管が収納されているスペースと、再生しているファイルのサンプリングレートによって色を変えるLEDリングが見えます。

 

再生中の画像がこちら。

光に照らされている真空管の姿は工場の夜景みたいできれいですね。

 

背面はこちら。

N3Proは色味が若干ピンクを帯びたゴールドと黒で統一されていて高級感がありますね。

 

中央には素敵なCayinのロゴが。

 

お次は右側面。

電源ボタンを兼ねる大きな音量調節ダイアルと、再生停止・曲送り・曲戻しのボタンが配置されています。

 

ダイアルの回し心地も硬すぎず緩すぎず、1ずつしっかり調節できる塩梅です。

 

反対の左側面。

SDカードスロットは一つのみですが、最大1TBまで使用することができます。SIMピンの必要がない、カチャっと押し込むだけのタイプです。

 

上面はとてもシンプル。

上にはボタンもなにもありません。かなり珍しいですね。

 

そのかわり、底面には差し込み口がいっぱい。

左からUSB Type-Cポート、3.5mmラインアウト、3.5mmアンバランスフォーンジャック、4.4mmバランスフォーンジャック&ラインアウト。

 

USB Type-Cは充電・USB入出力・S/PDIF Coaxial(同軸)出力の機能をもっています。

 

USB同軸出力を使用するには専用のケーブルが必要になります。

 

 

4.4mmバランスでラインアウトできるというのもまた珍しい。こちらの4.4mm→XLR×2のケーブルなんかをつかってアンプに接続なんてことも可能でございます。

 

 

ポータブル性は良好

N8しかりN6iiしかりCayinのDAPといえば「重たい・でかい・所有感」といったイメージがありますが、N3Proは「軽い・ほどよい・所有感」とポータブルオーディオに相応しい持ち運びのしやすさがあります。

 

大きさは横63.5mm×縦115.2mm×厚さ18.9mmとかなりコンパクトに作られています。

ザ・男らしい手を持つミツカン君(@eear_mitsukan)に持っていただきました。

 

梅田EST店一手の小さい私が持つとこんな感じ。手の長さが16cmもなくても、本体に指をかけたまま親指で画面の端まで操作することができます。

 

重量は195g。持ったときに重いとは感じないけれど所有感はしっかりと満たされるとても良いバランスです。

 

 

タッチスクリーンを採用し、感度も程よい

余計なソフトウェアが入っていないのでかなりスムーズです。タッチスクリーンの感度も申し分ありません。

 

アルバムアートの表示は画面に写っているところのみ描写される”キャッシュがたまらないようにする仕様”なので毎回読み込みが入ります。

 

画面上から下へスワイプすると再生に関するメニューが出てきます。ここで真空管の作動モードを変更することができます。

 

真空管で再生を始めるとき、真空管を予熱するために5秒間まってねの表記がでますが、良い音を聴くためしっかりと待ちましょう。

その他の設定は、画面下からスワイプしてくると出てくる項目からいじることができます。

 

 

再生時間は最大11時間

スペック表によると再生時間は以下の通りです。

 

  • 3.5mmでソリッドステート使用で11時間
  • 3.5mm真空管使用で9時間
  • 4.4mmバランス(ソリッドステートのみ使用可)での再生で9時間

 

こちらの時間の検証は、画面off、ワイヤレス関連全てoff、ゲインはミドル、音量30、32Ωのイヤホン使用、44.1kHz WAVの音源再生の環境でテストされています。

 

実際にN3Proを使用してみて気付いたのですが、しばらく音楽を再生していなかったり、イヤホンを抜くと勝手に真空管が止まったりと無駄な電力消費と真空管の損耗を防ぐための工夫が施されていました。

 

 

対応コーデックは SBC、aptX、UAT、LDAC

スペック表(リリース時の情報)から変わり、AACではなくかわりにaptXが追加され、SBC、aptX、UAT(3モード)、LDAC(3モード)の4つのコーデックに対応しています。

 

設定画面でパッとコーデックを変更できるのが嬉しいですね。 

実際に梅田の地下ダンジョンでSONY WF-1000XM3とLDAC音質優先モードで接続して試してみました。

 

帰宅ラッシュ時の電車内でもぜんぜん途切れず、とても快適に音楽を聴くことができました

 

さすが音質有線モード、普段iPhoneでAACで聴くときよりも音の濃密さを感じることができました。N3Proのコンパクトさと相まって、ポータブル性も良好です。

 

ちなみにUATというコーデック、LDACの音質有線モードよりさらに情報量の多いサンプリングレート192kHzでワイヤレスサウンドを堪能できるというものです。

 

eイヤホンで取り扱っているUAT対応ワイヤレス製品は2020年9月現在、BluetoothレシーバーのHiBy W3のみとなります。今後注目していきたい規格ですね。

 

 

真空管モードとソリッドステートモード2つを採用

N3proでは真空管を通して再生する真空管(DAPにはTubeと記載)と真空管を通さないソリッドステート(DAPにはSolid Stateと記載)の2つの音色を選ぶことができます。

 

さらに真空管で再生するときにトライオードモード(TRIODE)ウルトラリニアモード(UltraLinear)かを選べます。

 

 

これらの各モードをじっくり聴き比べてみました。

 

 

音質レビュー

試聴には4つの音源と愛機のmaxell MXH-MD5000を使用しました。

 

  • 楽器の多さとボーカルバランス代表 The Eagles Hotel California 192.0kHz/24bit
  • デジタル感代表 宇多田ヒカル Automatic 96kHz/24bit
  • 余韻代表 Norah Jones Don’t Know Why 192.0kHz/24bit
  • JROCKとスピード感代表 ONE OK ROCK Lost and Found 44.1kHZ/16bit

 

ソリッドステートモードで試聴

ソリッドステートモードで聴いてみると、音が細かな粒となってまっすぐ前方に広がっていくイメージです。

 

音の角がやや丸っこく、ちょっと柔らかいのにデジタル感がしっかりある音だなという印象でした。音の初まりから音の終わりまで、低音域から高音域までの音の出方が一貫しているのでどの楽曲も聴きやすかったです。

 

レコーディングされた環境をしっかり再現していると感じられるような音場の広さでした。

 

「デジタルオーディオプレイヤーと聞いて思い浮かべる音の鳴り方より、少し音の出が強い」と想像していただければ近いかもしれません。

 

 

トライオードモードで試聴

次にトライオードモードで試聴。宇多田ヒカルとNorah Jonesの楽曲で強く感じたのですが、ボーカルがぐんと前へ、BGMは一定の距離を開けてボーカルの後ろ周りでなっているような感覚になりました。

 

ボーカル帯の中でも低いところの沈みこみをカットし、中から高の部分を目立たせることで声が特にハッキリ聞こえるようになっていました。

 

ソリッドステートが音の粒が耳の前方に飛んでいくイメージに対し、トライオードモードは縦に伸びている中心部が膨らんだ線を耳で受け止めるようなイメージでした。

 

真空管と聞いてイメージする、ものすごく暖かくてボワーっとした音鳴りではありませんが、音の響きの末尾にあっさり引き締まった余韻を感じることができました。

 

 

ウルトラリニアモードで試聴

ウルトラリニアモードで聴いてみると「抑揚!!!」の一言に尽きます。

 

音の強弱がかなり主張されます。強いところはグーっと強く、弱いところは本当に弱く、音の全体がダイナミックに。縦向きの波線が所々太くなったり細くなったりしているイメージです。

 

高音域がやや前に、低音はかなり深く沈むこみ、奥行きもしっかり感じ取れるようになるので、The Eaglesの曲の聴きごたえがかなり上がりました。音の余韻もトライオードモードと比べて長く感じました。

 

なぜかONE OK ROCKの曲はトライオードとウルトラリニアモードでの差を他の曲ほど感じませんでした。

 

 

Cayin N3Pro まとめ

  • コンパクトなプレイヤーが欲しい
  • 真空管サウンドを中価格帯で体感したい
  • ワイヤレスでもしっかりつかえる性能が欲しい

 

そんな方はぜひCayin N3Proを試してみてください。

 

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以上、エリーナがお送りしました!