音楽制作の第一線で活動されている宮崎さんにヘッドホンのレビューをお伺いしました!


hamachan

e☆イヤホンのはまちゃんです!

 

今回のブログは、音楽制作の第一線で活躍されているクリエイターの方にお話しを伺います!2019年8月に発売されました、SONYの新モニターヘッドホン「MDR-M1ST」とモニターヘッドホンの定番「MDR-CD900ST」の聴き比べをしていただきました。

お伺いしたのは株式会社KEYTONE のスタジオ「ONE LAB.」、代表であり第一線のクリエイターである宮崎 京一さんにインタビューをさせていただきます!

 

 

株式会社KEYTONE のスタジオ「ONE LAB.」

 

株式会社KEYTONE (キートーン)

http://keytone.jp/

 

 

 

 

 

宮崎京一さん

宮崎 京一
【作詞/作曲/編曲/サウンドプロデュース/ディレクション】

2つのバンドでメジャーデビューを経験した後、個人での活動に主軸を移す。

作曲に関してはドラマチック且つ叙情的なメロディーラインを得意とし、アレンジに関してはバンドグルーブを主軸としたアレンジを得意としている、またライブの現場ではギターの他、バンドマスターも兼任しライブ現場でのサウンド面をサポートしている。
2019年、音楽制作チーム『KEYTONE』を立ち上げ、チーム内での積極的なコライト、サポート環境の構築、自身の経験を所属作家に伝える環境を作ろうと活動を始める。

 

 

 

 

インタビュースタート!

 

――よろしくおねがいします!

 

 

 

宮崎さん:よろしくおねがいします!

 

 

 

音楽制作の原点

 

――ギターを本格的に始められたのは、二十歳からということですが。何がきっかけでギターを始められたのですか?

 

 

 

宮崎さん:中学校の時、文化祭でバンドをやっていたのですが当時はボーカルをやっていて、それで活動を終えて普通に生活をしていました。その後、二十歳の時、偶然、一緒にバンドをやっていたベースを担当していたメンバーにばったり会って、その時にまた一緒にバンドをやらないか?と誘いを受けてまた活動を再開することになりました。

「またボーカルで活動するのかな?」と思っていたところ、メンバーに「もうすでに良いボーカリストがいる」と言われました。そこで、パートは何をすればいい?とメンバーに聴くとギターやれば?と言われギターを始めました。

その一年半後に「コロンビア」でデビューしました。当時は新潟に住んでいたんですけど、たまたま「Break Out」という番組に取り上げられることになって、22歳の頃上京し、東京でデビューすることになりました。それでなんだかんだで今に至るという形になります。

 

※Break Out(ブレイク・アウト):テレビ朝日系列で放送している音楽番組。全国のインディーズバンドを紹介し、ランキングの発表やライブのレポートを行なっている番組。 制作局のテレビ朝日では1996年10月に放送開始。番組は2001年12月19日に一旦終了したが、それから約10年後の2012年1月6日より再び同系列局で放送している。

 

 

 

――え!?だいぶ端折りましたね。

 

 

 

宮崎さん:(笑)22歳でデビューして、ギターを始めて1,2年なので、ギタリストがプロデューサーだったんですけど、全然弾けないし、今の現場みたいに「Pro Tools」みたいなソフトウェアもなかったので。卓を使ってテープリールで録音して32時間ギターを引き続けるとか。

 

※Pro Tools(プロ・ツールス):アメリカのアビッド・テクノロジー社が設計開発及び販売しているパーソナルコンピュータを核としたデジタル・オーディオ・ワークステーション (DAW) 用のソフトウェアの名称であり、音声信号を入出力させるオーディオ・インターフェースと組み合わせて使用されるシステム全体の呼称でもある。

 

 

 

――修正しつつ、ですか。

 

 

 

宮崎さん:修正も当時はアシスタントさんがパンチインでわざわざやっていました。僕がもう、あまりにも間違うのでアシスタントさん寝ちゃってもうパンチインできないみたいな(笑)。

 

※パンチイン:間違えた部分などの録音をやり直すのに、その部分のみを録音開始すること。

 

 

 

――合わせられない感じですね(笑)。

 

 

 

宮崎さん:そう合わせられない感じ(笑)。

 

そんな感じで音楽を始めたのは結構遅いほうだと思います。だからよく若い作家さんに、二十歳ぐらいから始めるのは遅いですか?と、よく聞かれるんですけど、その時は全然遅くないですよって答えています。それこそ打ち込みで作曲やったり編曲やったり、バックバンドやったりを始めようと思ったのも三十歳過ぎた頃からなので。二十歳から音楽を始めても、全然遅くないと思います。

 

 

 

――そのことはしっかりと書いてバンドの人口を増やそうと思います。

 

 

 

宮崎さん:ぜひぜひお願いします(笑)。

 

 

 

――音楽を聴く時、作る時、って環境が変わると思うんですが。音楽を普段聴くときはどういうスタイルで聴いていますか?例えば家に帰ったら実は音楽は聴いていないとか?

 

 

 

宮崎さん:一番聴くのは車の中で移動の時ですね。それも、自分のやっていない音楽を聴きます。

 

 

 

――「やっていない音楽」というのはジャンル的にどんなものですか。

 

 

 

宮崎さん:いわゆるR&BとかJazzとか、Rockではないやつを……(笑)。あとはサブスクの音源を家でスピーカーで流しっぱにしながら聴くっていうのが多いです。

 

 

 

――サブスクはどのサービスをご利用されているのですか?

 

 

 

宮崎さん:Apple Musicを使っています。Appleのスマートスピーカー「HomePod」を使って聴いています。

 

 

 

――HomePodを使ってプレイリストの音源をランダムで流してみたりとか。

 

 

 

宮崎さん:そうですね。ランダムで流しています。昔はそれこそCD、カセットテープ、レコードで歌詞カードを見ながらちゃんと聴くのをずっとやっていて。しかし、音楽の仕事を始めて、自分の仕事にそれが感化されるというか影響される気がして。音楽は流すんですが、分析的にしっかりと聴くというのは減ってるのかもしれないなぁ。

 

 

 

――今は音楽を聴く!というよりは流しておくみたいな感じなんですね。

 

 

 

宮崎さん:そんな感じです。

 

 

 

――音楽作りをしている時はスタジオのアウトプットスピーカーを使って作るというのが主ですか?

 

 

 

宮崎さん:作ってるのは実は自宅が多くて、じゃあ何故スタジオを作ったのか、というのは、ウチの会社は若い世代の作家が多くてコライト(共同制作)するさいの作業スペースがあるといいなと思ってて。

例えばエンジニアや若い作家が、集まって時間制約無しにコライトできる。そういう場所があればいいなと、僕自身、若い頃から思っていたので、無理してでもスタジオ作ろうかなということで作りました。

 

 

 

――そういう環境があったら良いなというのが目的でしょうか。

 

 

 

宮崎さん:そうだね。あとはうちの事務所の案件で他社のスタジオを使ってると時間やバジェットなど色々制約がかかってくるじゃないですか。いろんな実験したりとか試してみたいこととかというのは、なかなか難しいとこもあるので、自分たちのスタジオがあると時間を気にせず何でも試せて、面白いかなと思って。

 

 

 

――研究所的な存在ですね。

 

 

 

宮崎さん:そうそうだから「ワンラボ」というスタジオ名です。マイキング一つ取ってもギター録音だったら、アンプシミュレーターも良いんだけど、実際にアナログアンプを立てていろんなキャビネットだったり、ヘッドを持ってきて、マイクも色んなものを試して、これがほんとにいい音なんだって、若い人たちが自分で発見して行くような環境が作れるといいかなと思って立ち上げました。

 

 

 

――楽曲を制作されているときと、スタジオで作業をしている時は両方ヘッドホンは使用されていますか?

 

 

 

宮崎さん:使いますよ。家で作っているときはデモなんかを落とす(ミックスダウンする)時に使いますね。デモを作っていて打ち込んでいる時はスピーカーでやっているんですけど。なんとなくスピーカーで作った後にそれこそMDR-CD900STを使って、もうかれこれ20年ぐらい使っているヘッドホンです。細かいところ、例えばここをもうちょっと前に出そうとか、ここ足らないなとか、混ざり具合とかそういうのを調整するときに使っています。

 

 

 

 

――より細かいチェックというか最終的なチェック用に使うことが多いといった感じですね。

 

 

 

宮崎さん:そうですね。あと僕ギタリストなのでギターの音をずっとMDR-CD900STで聴きながら録音するのが多いんですけど。録音する時は大体ヘッドホンでやっています。MDR-CD900STで「こう聴こえるなら、こうしようかな」と、判断時に便利なのでヘッドホンを使っています。

 

 

 

 

――先程短い時間ではありましたが、スピーカー、MDR-CD900ST、MDR-M1STで聴き比べ頂いたのですが、改めて比較するとどういう風に感じられましたか?

 

 

 

宮崎さん:新しいMDR-M1STは上も下も広がっていて、全体的にリスニングヘッドホンに近いのかなと感じました。やっぱりそれが作る音楽や聴く音楽にもよると思うんですけど。例えばClassicやJAZZだったりとか、生音で上も下もしっかりと出てるような楽曲の際は音を聞きやすい印象を受けました。

 

 

 

 

――MDR-CD900STは30年も前に作られたモニターヘッドホンなので、多分その当時必要だった音を出すためのヘッドホンだと思うんですよ。製品名の「MDR-CD900ST」という名の通り「CD」が普及しだした時代。レコードからCDに変わる時代に合わせて誕生したらしいんですけど、今回新しく登場したMDR-M1STもどこかそういう意味合いを持って誕生したと思うんですよ。

 

 

 

宮崎さん:それこそ「ハイレゾ」だったりね。

 

 

 

――後は、凄いロー(低音)の部分を出すミュージック・シーンというのが大きくなってきたと思うんですよ。

 

 

 

宮崎さん:MDR-M1STはローが凄いクリアに聴こえるのでそういう音作りをする際にいいですね。

 

 

 

――そこのところがモニターから少しリスニングよりの音質になった理由なのかなという印象があります。

 

 

 

宮崎さん:さっきも打ち込みでベースがよくなっている音源、サイドチェインがボーンと鳴っているものを聴いた時に、MDR-CD900STはぼやけてちゃってるんだけど、MDR-M1STはクリアに出てて、そういう音楽を作る方にも良いかなと思います。

 

 

 

――今回のMDR-M1STってハイレゾ対応なんですよ。スペック的にも再生帯域が伸びていて、下も上も数値上はMDR-CD900STを大幅に上回っているんですよ。なので、おっしゃるとおり、そういう用途で良さが発揮されるような製品に感じます。

 

 

 

宮崎さん:MDR-CD900STはTHEミドルっていう感じの音質だもんね。

 

 

 

――声!って感じの音質ですよね。

 

 

 

宮崎さん:そうそう、声とかギターとかドラムでいうとスネアとか。登場したのが90年代音圧戦争が始まった時ぐらいの製品なので。それに合わせて真ん中がグッっと詰まって聴こえるという感じですね。それに合わせてMDR-M1STは今の時代に合わせて上も下もしっかりと出るといった感じなのかな。

 

 

 

――音の差もなんですけど、他には細かいことではありますがケーブルの絡みにくさとかはどうでしょうか。

 

 

 

宮崎さん:ケーブルの絡みにくさ!かなり感じた!めちゃ感じました!

 

 

 

――セレーションケーブルと言ってケーブルに細かい溝を掘ることによって絡みにくい構造になっているんですよ。

 

 

 

宮崎さん:そうなんだ……!後はMDR-M1STのほうが高級感があるよね。ケーブルもそうだけど後はヘッドホン自体の作りとか。

 

 

 

 

――ケーブルも脱着可能になったんですよ。断線しても修理をしなくてもよくなりました。

 

 

 

宮崎さん:ね!!今までは買い替えていたのに!

 

 

 

――買い換えられてたんですね!弊社はヘッドホンの修理も行っているのでぜひぜひ……!

 

 

 

宮崎さん:ほんとですか!(笑)

 

 

 

――ケーブルを交換できるというところも進化した点ですし、あとは折りたたみができるようになりました。スイーベルして平に折り畳めるんですよ。使う人のターゲットというか、時代に合わせてを変えてきたと思うんですよ。ケーブルの長さも2.5mと50cm短くなったのもそういう理由かもしれませんね。宮崎さんから見て、MDR-M1STはどのような層におすすめでしょうか。

 

 

 

宮崎さん:それこそ、さっき言ったクラブミュージックだったりとか打ち込みベースの音楽を聴くのに良いかなと感じました。

あとは、さっきも言ったのですが、楽しく音楽を聞けるヘッドホンなのかなと。音源のジャンルや場所を問わず楽しめると思います。MDR-CD900STってずっと聴いてると耳が痛くなってくるんですよ。疲れちゃうんですよね。それが全然ないから楽しく聞けるヘッドホンかなと。個人的にかなり好印象です。

 

 

 

――MDR-CD900STで聴いてると音を分析的に細かく聴くという気持ちになりますね。

 

 

 

 

宮崎さん:そうそう、もうこの音に慣れちゃってるからね。若い人たちがこれからMDR-M1STで曲を作っていくとそれも変わるかもね。

 

 

 

――ロー(低音)の見晴らしが良い、いうところを見ると、やっぱりドラムを生で録れない環境の方、例えば打ち込みでやらなきゃいけないクリエイターに対してすごく良いのかなと。ボーカロイドなどで曲を使ってる人たちに対してもすごくマッチしてるんじゃないかなと。

 

 

 

宮崎さん:僕もそう思います。

 

 

 

――スピーカーで鳴っている音をヘッドホンで鳴らすことは不可能だと思うんですよね。それらしい音を鳴らしたりするのはできると思うしそれは醍醐味の一つですけど。ちなみに家でMDR-CD900STは使っています?

 

 

 

宮崎さん:家ではAKG K240を使ってます。

 

 

 

――モニターヘッドホンとして人気のモデルですね。

 

 

 

宮崎さん:そうなんですね。この機種、実は意外とローがよく見えるなと思っていて。あとは長時間使ってても非常に楽なんですよ。あとはもちろん後はMDR-CD900STかな。

 

 

 

――イヤホンは使われますか?

 

 

 

宮崎さん:事務所の作家のデモチェックの時には使うけど、後はほとんど使わないかな。実はAirpodsとかも欲しいんですけどね。

 

 

 

――実はAirpods以外にも沢山の完全ワイヤレスイヤホンがあるんですよ。

 

 

 

宮崎さん:いきなりの営業ですね(笑)。

 

 

 

――(笑)ご自身の楽曲の中でこういうところを聴いて欲しいというのはありますか?

 

 

 

宮崎さん:一番はメロの部分ですかね。一番作るのに時間がかかるところなので。

 

メロディにドラマ性を持たせたいな、とずっと思っていて。メロ聴いて歌詞見て、感動して泣いてしまう、どんなに落ち込んでても音楽聴いたらいつの間にかハッピーになってる。そんな体験が僕の音楽を作りたいっていう原点なので。メロディだけ聴いて泣かせたいとかハッピーな気持ちになってほしいとか、それがほんとに自分の中で大事にしているところです。

 

後はアレンジであってもできるだけ生録にこだわってやってます。打ち込みももちろんやりますけど、元々がバンド出身なので、音楽って空気じゃないですか。それをできるだけ録りたいというのにはこだわりたいなと思っています。

 

 

 

終わりに

――今回の記事で制作された楽曲をご紹介しようと思っているんですが、オススメや、代表曲をお伺いしてよろしいでしょうか?

 

 

 

宮崎さん:よく代表曲とかあるじゃないですか。それ自分のプロフィールに全く書いたことがないんですよね。たまたま売れたりとかたまたまTVアニメのOPに使われたりとかあるんですよ。自分の中に優先順位とかなくて全部いっしょなんですよ。だからどれって難しいよね。。。

TARITARI OP主題歌「Dreamer」とかかな……後は10月から始まるDAPUMPさんの新曲は、めちゃめちゃパーティソングなんで。(笑)
こんな曲も書くんですか(笑) みたいな、楽しくなって頂ければ。ぜひ聴いてみてください!

 

 

10月5日放送開始 NHK Eテレ 午後5:35より放送開始
アニメ『魔入りました!入間くん』OPテーマ

DA PUMP 『Magical Babyrinth』

作詞 : 宮崎京一  作曲 : 宮崎京一  
編曲 : 飯田涼太
Guitar : YOSHIHIRO

https://www6.nhk.or.jp/anime/program/detail.html?i=iruma

https://dapump.jp

 

楽曲配信サイトはこちら!

https://avex.lnk.to/dapump_mb

 


 

 

貴重なお話をありがとうございました!!

 

e☆イヤホンでは上記製品の試聴機をご用意させていただいております!クリエイター、アーティストの皆様は是非一度お試しいただきたい一品です!

 

本日インタビューさせていただきました宮崎京一さん、作詩・作曲の

DA PUMP 『Magical Babyrinth』 も!是非聴いてみてくださいね!

 

 

 

以上!

はまちゃんがご案内いたしましたー!

※記事中の商品価格・情報は掲載当時の物です。