大先生です。
2017年も折り返し、下半期もまだまだ盛り上がりそうなポータブルオーディオ界隈。
先日の『ポタフェス』でも多数の新製品や参考展示品が並び、多くの皆様を沸かせたことも記憶に新しいかと思います。
中でも、先日の僕の記事『個人的ランキング』で5位に挙げた『EN120』は発売以降の注目度も非常に高く、購入報告も多数耳にしております。
そんな中、ポタフェス秋葉原で初登場した品では無かったため上記ランキングには入らなかったものの、この上半期で最も衝撃を受けた商品がございます。
今まで数多のイヤホンを聴いてきた中で、ひょっとしたら最も僕の好みに直撃したイヤホンかもしれない。
聴いて頂いた方々も皆一様に好感触な評価が多いのですが、そのモデルが持つある種のマニアックさというか、価格帯も相まってなかなか万人に広く周知してもらうのが難しいところがあったのかもしれません。未だ隠れた名機感が拭えないのです。それはあまりに勿体無い。
というわけで、この超個人的な記事でアピールしたいと思います。
それがこちら……。
はいドン!!
acoustune
HS1551
このアイアンマンもかくやというメカメカしいデザイン。ロマンすら感じます。
グランブルー×ゴールドとバーガンディ×ゴールドの2つのカラーバリエーションがあり、どちらも上質さを感じさせるカラーリングでカッコイイですね。
というわけで、実機に触れてきましたのでご紹介して参ります。
今回試聴に使用したのは、秋葉原店で展示中のグランブルー×ゴールドモデル。
ブルーとゴールドって案外相性が良いんですよね。ブルーだとシルバーを合わせられることが結構多いイメージですが、それと比べても少しだけ温かみというか、アナログライクな印象がプラスされるので、なんとなく親しみを持てます。
ちなみに、ブルー×シルバーは下位機種のHS1501が該当します。
また、バーガンディ×ゴールドは展示がありませんでしたが、e☆イヤクリニック・ドクターのがっきーさんが私物を貸してくれたので、写真を撮らせて頂きました。
こちらはクリニックのサービスのひとつである『eSiq』を施してあり、ややハウジングの色が深くなっているとのこと。確かにマットな素材感ながら、美しいツヤがありますね。
こちらのHS1551、付属品がなかなかに豪華。
イヤーピースは4種類(シリコン×2種類、ダブルフランジ、フォーム)と、かなり豊富に用意されています。後述しますが、フィッティングの難しい本機を補うための配慮かもしれません。
本革らしきキャリーケースは手触りも良く、同じ素材で作られているケーブルクリップも高級感があります。
そして、もう少しラフに使いたいという方への配慮か、マジックテープ式のケーブルタイも付属していました。一部のカスタムIEMメーカーも採用しているタイプですが、使用している時も邪魔にならずに大変便利です。何気に単体での販売って見つけづらいんですよね……。
また、別で保管しているため撮影が出来ませんでしたが、パッケージングに使われているキャリーケースもそのままポータブル用途に使用出来る作りになっています。無駄の無いプロダクトデザインですね。
試聴にはAK300を使用しました。
この機種の魅力はなんといっても低音域。タイトかつズシンと来る、深みのある低域です。
キレがありつつもぐっと伸びるので、打ち込み系の楽曲でもスピード感がありますし、生音系の楽曲でも壮大な広がりが楽しめます。特に、オーケストラ系の迫力は非常にマッチしています。
中高音域も分離に優れており、ボーカルも決して主張は強くないながらも存在感は充分。
解像度も高く、高音域の金属音系のシャープなまとめ方もなかなかのもの。音数の多い楽曲にもしっかり対応出来る地力があるので、オールラウンドに鳴らしてくれます。
ただ、個性としてはややドンシャリ気味で、味付けもかなり濃いめ。
見た目もそうですが、かなり『オトコノコ』って感じの音です。ひたすらアクションが続く映画のような矢継ぎ早の派手さがあり、楽曲中のブレイクなどのかっこいい部分を本当にかっこよく鳴らしてくれる、キメの巧さが特に素晴らしい。
その分やはりと言いますか、聴き疲れしてしまう方もいるかと思います。その辺りは好みであったり、使用するシチュエーションなどに応じて考えて頂きたいところ。
また、逆に音数の少ない楽曲も普通に良い音なんですが、上記の通りややクセのある味付けが前に出て来る分、いわゆる原音的な響きはあまり期待出来ないかもしれません。
総じてハイテンポな楽曲と相性が良いです。ノリの良い音楽に没入したい方には本当にオススメですね。脳汁出まくり。
また、形状からなんとなく察する部分もあるかもしれませんが、フィッティングが若干難しいところがあります。
耳に当たる部分は丸みを帯びているので、『ゴツゴツとして装着しにくい』ということはありませんが、やや特徴的な形をしているのは確か。
付属のイヤーピースはもちろん、他社製のものも色々試して頂けるとより最適に近づけるかと思います(ちなみにステム径はコンプライで400番程度)。
以上、acoustuneの新作『HS1551』のご紹介でした。
個人的には好みは分かれそうだと思いつつも、『今eイヤに行くならとりあえず聴いてくれ』と言ってもいいほどのよく出来た機種です。
ご来店 or web店舗をご覧の際には、ぜひチェックしてみて下さいね!
お相手は大先生ことクドウでした。それではまた次回。