どもっ!eイヤホン アンバサダーのたっくんです。
今月2度目となるアメリカ出張にいってきました!
今回の出張はNAMM SHOWの視察がメインでしたが、NAMM SHOWの視察の前に、ケーブルやDragonFlyで有名なaudioquestの本社にお伺いすることが出来ました!
ロサンゼルス国際空港に到着すると、audioquestの方が迎えに来てくれました!
空港から1時間ほど車を走らせた場所にaudioquestの本社があります。
とても大きな建物で、立派な社屋でした!
1980年にアメリカ・カルフォルニアでビル・ロウによって設立されたオーディオブランドです。
海外での評価はとても高く、国内でも人気を誇るブランドです。
audioquestといえば、ケーブルにDilectricBiasSystem(DBS)という電池を搭載したケーブルがとても印象的です。
ケーブルの外側に位置する絶縁体を安定させる役割と共に、信号が流れやすい様に磁界に整った方向性を持たせる役割があるそうです。
audioquerstのハイエンドモデルにのみ搭載されているDBSは、その見た目やアイデアに驚かされた方も多いのではないでしょうか?
では、早速工場の内部を見てみましょう!
audioquestのケーブルは、ここカルフォルニアで職人によって手作業で作られています。
これまで多くのメーカーの工場を訪れましたが、audioquestのラボも塵一つ落ちていない程に清潔に保たれていました。
ケーブルを作っている工場なので、被膜のカスや細かな線材が散らばっているイメージでした…(^^;
ラボの壁一面にケーブルが並べられていました。
RCAケーブルや、HDMIケーブル、電源用の極太のケーブルまで、数十本のケーブルがロールで管理されています。
ラインナップを多く持つaudioquestならではですね!
よく見ると拠り方が異なるモデルや、素材が違うモデルなど、皮膜のカラーで見分けがつくようにされています。
生産の際は必要となる長さを切り出し、端末の処理を行います。
audioquestではプラグまでオリジナルで作っていてケーブルに対するこだわりを強く感じました。
audioquestはケーブルだけのメーカーではなく、日本でも高い人気を誇る小型のDAC/AMP『Dragon Fly』など、25年の歳月で培った高い技術・経験が今日の製品に生かされています。
熟練のスタッフ達によって作り上げられたケーブルは、全数が導通のチェックを受けます。
ここに捨てられているのは、audioquestの高いクオリティコントロール(QC)の水準を満たさなかったものだそうです。
全数チェックを厳密に行い、QCを高水準に厳密に保たれているのが分かりますね。
QCのチェックを受けた製品は、この巨大な倉庫でパッケージングされます。
パッケージングで使用される化粧箱も、この倉庫にストックされています。
パッケージングが行われた後、出荷までこの倉庫で保管されます。IKEAの様な倉庫ですが、どこに何があるのかが分かりやすく整理整頓されていました。
例えばHDMIケーブルは集めて保管され、代理店や販売店からの注文があれば、買い物の様にピックアップして配送の手配をします。
棚板にはローラーと傾斜がつけられていて、手前の製品を取ると、前に製品が出てきます。先入れ先出しが徹底されていました。
保管の際には、製品に埃が被らないように、空気を循環させる目的で、巨大なプロペラ型のシーリングファンが取り付けられていました。
製品の保管にも細かな気配りを感じますね!
製品の製造の現場を見せて頂いた後に、開発のチームのいるオフィスを見学させて頂きました。
2015年春頃に発売を予定しているaudioquest初のヘッドホン
『NightHawk』が開発された現場です!
リキッドウッド採用
『NightHawk』は、ヘッドホンでは初のリキッドウッドハウジングを採用した、audioquest初のヘッドホンです。
リキッドウッドは、製紙用のパルプを製造する過程で抽出される、再生利用可能な植物繊維から作られています。 熱を加えて液化させることで、木材なのに、金型を用いた成型を行う事が可能です。
リキッドウッドは、プラスチックや木材よりも音質、強度に優れ、形も自由に設計できます。
NightHawkのハウジングの内側には、梁の様なものを放射状に並べています。
ハウジングの強度を高め、余計な共振を抑える機能を持つそうです。
こういった複雑な構造も自由に作れるので、ヘッドホンでの使用に適しています。
ドライバーには50mmのバイオセルロース振動板を採用しています。
このドライバーのエッジには、スピーカーの様なゴムが用いられています。
まるで、スピーカーのドライバーをそのまま小型化した様な、ドライバーになっていて、優れた音源再生を可能としています。
ドライバーの後方には、3Dプリンターで作られたグリルが取り付けられています。
NightHawkのグリルは、「SLS法(レーザー焼結法)」という、先進付加製造技術を利用した3D プリントでしか制作できないそうです。
このグリル一つとっても、何度も形状を試作してこの形状にたどり着いたそうです。
セミオープン型のヘッドホンとなりますが、空気量を適切にし音質を整える役割を果たしています。
いざ試聴しようと手に取ると、超軽量のヘッドホンであることが分かります。
左右の形状がオフセットで作られており、耳をすっぽりと覆う様な装着感はとても秀逸です。
ポータブルオーディオプレイヤーでも駆動できる程、能率良く造られているのも本製品の魅力の一つですね。
軽量な本体に反して、音にはしっかりとした重量感を感じます。
耳当たりの良い柔らかなサウンドで、JAZZ、クラシックにはとても相性の良いヘッドホンだと思います。また工夫されたグリルの影響か、セミオープンながら、空間の広がりをしっかりと感じられます。
デザイン・音質にとことん拘って作られたヘッドホンだと思います。
モノラルのミニプラグを左右に用いており、ケーブルの着脱も可能となっています。audioquest製のNightHawk用のリケーブルも登場するとの事で、さらに期待が高まりますね!
アメリカでは599ドルでの販売を予定しているそうですが、個人的には1000ドル近い値段を想像していました。個人的にとてもオススメのヘッドホンなので、日本での発売が待ち遠しいです!
NightHawkのイメージで作ったadidasのシューズまで!
NightHawkをデザインしたSkylarさんのありきたりなヘッドホンではなく、唯一無二のヘッドホンを作りたいという想いを感じることが出来ました。
と言う事で、audioquest本社視察レポートお届けしました。
以上!たっくんでした!
PS.もっと製品の魅力を伝えたくて、メーカー視察に行っていますが、ミイラ取りがミイラになってしまう様に、僕が一番視察した製品が欲しくなっています。NightHawkは多分買います…(^^;
イヤホン・ヘッドホン専門店「e☆イヤホン」社長のたっくんこと岡田卓也です。
元々イヤホンが趣味で、e☆イヤホンのお客の一人でしたが、2010年にe☆イヤホンにアルバイト入社し、早いもので十数年。気が付いたら社長として働くことに。
社長になる前は、TBS『マツコの知らない世界』に3回出演するなど、主に広報などPR関連の仕事をしていました。
カスタムIEM「VISIONEARS ELYSIUM」と、モニターヘッドホン「AUDEZE LCD-XC 2021」がお気に入りです。