昔から男性が好むようなものが好きで、「無機質」で「業務的」なデザインには心を擽られます。趣味が高じて、挙げ句の果て私生活でもどんどん男性化していく始末。休みの日はアナログシンセを触りに行って、レコード店で時間を潰して、夜はいつもの飲み屋でボトルキープをしている麦焼酎と白子ポン酢を嗜む。そしてたまに一人旅に出かける。俗に言う「おひとりさま」を全力で楽しんでいます。今回は、わたしの休日の過ごし方と、おしゃれでお勧めヘッドホンをご案内いたします。
私が選んだのは、こちらの2機種。
【beyerdynamic DT770 PRO】
【beyerdynamic DT1770 PRO】
日本でモニターヘッドホンといえばSONY MDR-CD900STですが、beyerdynamic DT770シリーズは、海外でもモニター用ヘッドホンとしてとてもポピュラーな製品です。どちらもインピーダンスは高めの250Ωをチョイスいたしました。
さて、撮影のために今回向かったのは、大阪・難波ハッチの近くにあるレコードショップ「LOSER」。
アメリカを中心に世界中のレーベル事務所に直接出向き、シーンの今を発信提供する大阪発セレクトウエアー&ミュージックレコードショップです。ビートミュージック系をはじめ様々なアイテムを豊富に取り揃えている大阪のディープなお店です。LOSERでは国内外のアーティストを召還し、過去にはMachine DrumやMNDSGN等のインストアライブも頻繁に行われており、海外からの支持もとても厚いショップなのです。
いつもワクワクする細いビルの階段を昇り、3階にお店があります。
中にはオーナーのmayumiさんが直接アメリカで買いつけてきたレコードやカセットテープ、アーティストのTシャツやスニーカーがずらり。
上の写真はmayumiさんが自主制作したZINE。アメリカに拠点を持つ「dublab radio」ではDJ出演もされるほど親交が深く、このZINEはdublabのスタジオで撮影したものだそうです。いいなあ、節目の年までにはアメリカへ行ってみたいです…
今回は、LOSERオーナーmayumiさんにDTシリーズを装着していただき、実際に試聴して頂きました!ありがとうございます!!
まずはDT770 PROを装着。
真剣に選曲されております..。業務的なデザインですが、後ろ姿も様になります。女性が装着してもかっこいい。これ、素晴らしい事です。
このブログでは、併せてLOSER mayumiさんが選ぶ「オススメアーティスト」をご紹介して頂きました♪
マツコ「mayumiさん、初めてのbeyerdynamicでの試聴ですが、いかがでしょうか?」
mayumiさん「もしかして、凄く聴く音楽ジャンルが限られるヘッドホンなのかな~と感じました。低域は乾いた印象で、全体的にタイトなイメージでした。」
mayumiさん「重心は基本ボーカルメインですが、若干音程によってはかすれる部分も感じました。モニターヘッドホンとしての位置づけなだけに、マスタリングやミキシング作業など玄人向けな音質に感じました。ただ、ストイックさは少なく、低域・高域の個性が強いので、ジャンルによっては合わないものも出てきそうです。」
確かに、個人的にはとても好みの音質なのですが、低域の再現力に関して同じノリのいい曲でも「相性」がありました。
そしてDT770 PROに合う音源はこちら
▶ Einstürzende Neubauten Sabrina
ドイツの実験的バンド。インダストリアル・ミュージックやノイズ・ミュージックの代表的存在である。1980年、西ベルリンでブリクサ・バーゲルトを中心に結成。インダストリアルやエレクトロニカに分類されることも多いが、ノイバウテンの活動とサウンドはこういったカテゴリーと必ずしも一致しない。彼ら自身の感性で独自のスタイルを確立し、実験的音楽を作り続けているバンドと言える。自作の楽器(スクラップの金属片や建設用機材から作られること多し)やノイズを通常の音楽機材と合わせて使うことが、このバンドのトレードマークの一つ。による片耳モニタリング可能です。(wikipediaより)
▶ Oneohtrix Point Never
ニューヨークはブルックリンを拠点とするミュージシャン、ダニエル・ロパティン (Daniel Lopatin)のソロ・プロジェクトである。ノイズ、アンビエント、ドローンといった要素を中心にした実験的な音楽は、批評家筋の評価が高く、2010年リリースの『Returnal』はピッチフォーク・メディアのこの年のベスト・アルバムランキングで20位[1]に、2011年『Replica』は同17位[2]に、2013年の『R Plus Seven』は同24位[3]に選出されている。(wikipediaより)
お次はDT1770 PRO
DT1770 PROはイヤーパッドもブラックでよりプロ仕様な外見に。
mayumiさん「DT1770 PROはDT770PROに比べると断然解像度もあがってますね!広範囲でクリアなのですが、特にシンバルの跳ね返りがとてもよく、現代の電子音楽のミキシングなど、硬い音にはとても敏感なイメージでした。ベースもDT770より比べるとブイブイ鳴らしてくれるので、上品なクラシックと合わせるよりかは、本当にドイツのテクノ文化に習ってマット質な音源の方が合っていると思います。実はアニソンにも合うかもしれないです。シンセサイザーやピアノ楽器との相性も良いので、アイドルの歌ものにも合いそうですね。」
マツコ「確かに、DT770 PROよりは、ジャンルを問わず、ボーダーレスで使えそうです。実際に装着感も若干DT1770 PROの方がフィット感も向上されている様にも感じましたし、ケーブルが着脱できる様になったのもユーザー視点で改良されたのかなと思います。」
特に感じたのは、アナログ音源とデジタル音源の音質の違いがDTシリーズでははっきり感じられるようになりました。これにはmayumiさんと二人で大興奮!!保存形式ファイルに如何に左右されているのかが明確になった瞬間でした。
そしてDT1770 PROに合う音源はこちら
▶ D/P/I Boiler Room Los Angeles DJ Set
2014年の各媒体を大いに賑わしたニューフェイスARCAやGiant Clawと並び、オンライン・アンダーグランド~レフトフィールドにおけるエレクトロニック・ミュージックの新時代を切り開くLAの注目トラックメーカー。R&B / ヒップホップの名義Heat Wave、アンビエント / ドローンの名義Deep Magic、グリッチ / ミュージック・コンクレートの名義D/P/I、そしてジューク / リディムの新名義Genesis Hullなど、様々な名義で活動している。
▶ Damo Suzuki Network Palermo – excerpt #1
ダモ鈴木は、主に元・カン(CAN)のボーカリストとして世界的に有名だが、1990年代以降は一貫してセッション・スタイルで世界各国をツアーしながら、現地のさまざまなジャンルのミュージシャンやバンドと積極的な活動を行っており、インスタント・コンポージングと呼ばれる独自の即興的歌唱法で、楽譜もリハーサルもなしに行うライブ・パフォーマンスのスタイルを確立している。
カン(CAN)自体は、一般に日本ではサイケデリック・ロックやクラウト・ロックに分類されるものの、ダモの活動や音楽は、一定のジャンルにおさまりきらないものであり、ロック、パンク、ジャズ、ノイズ・ミュージック、エレクトロニカ、テクノ、ヒップホップなど、さまざまなジャンルのアーティストたちからリスペクトを受けている。(wikipediaより)
【番外編】
今回、オーナーのmayumiさんにbeyerdynamic DTシリーズ2機種をご試聴頂きましたが、現在mayumiさんが実際に使用しているヘッドホンはこちら。
日本メーカー「nue(ヌー)」のDJモデルで、日本ではseihoさんも愛用していたヘッドホンで知る人ぞ知る名機です。クリアな音とパンチの利いた低域再生。価格帯が1万円以下でありながら、可動式スイベルイヤーカップによる片耳モニタリングが可能だったり、ケーブルも着脱ができる仕様となっており、耐久性もある万能タイプです。mayumiさんは海外への買い付けやDJとしても活動しているので、音漏れも少なく、タウンユースに使えることは勿論、コストパフォーマンスの高い機能性に魅力を感じたそうです。
mayumiさん「アメリカの友人にもプレゼントしたのですが、使い勝手のよさから大変喜ばれました。基本的に海外の自宅ではスピーカーを大音量にしてミキシングできる場所が確保されていることが多いのですが、日本の自宅では近隣への騒音問題など、そうもいきませんよね。そういう時にはHX-1が大活躍します。beyerdynamic DT770/1770PROシリーズは、そういった意味で、スピーカーで鳴らすことを見越したミキシングに最適だと感じるので『現場向き』だと思います。」
マツコ「とても参考になるレビュー、ありがとうございました!」
LOSER まゆみさん、本当にありがとうございました。気になった方、是非。
以上、マツコでした○
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元e☆イヤホン大阪日本橋本店2F・買取/中古スタッフ。
ドイツへ移り住んでから早1年が経過しました。e⭐︎イヤホンを離れ、2019年5月に渡独。現在は主にドイツ・ベルリンの音楽やアート、ローカルカルチャーを専門に取材、執筆しています。また、自身でドキュメンタリー&カルチャーマガジン「MOLS magazine」を出版し、取材、執筆、編集を監修。現地に蔓延る見えない・聞こえないサインを捉え、ジャーナリズムにスタンダードからアンダーグラウンドまで発信しています。2020年に自主レーベル「MOLS」を設立。YouTube、SoundCloud、BandCampなどのデジタルコンテンツにて、ベルリンで活動するアーティストと携わり、PR、プロモーターとしても活動しています。