大先生です。

 

皆さん、『SAFE LISTENING』ってご存知ですか?

 

『SAFE LISTENING』とは、FitEarと同じ須山歯研による、ヘッドホン・イヤホンで音楽を安全に楽しむために、正しいリスニングの仕方を知って頂くためのプロジェクトです。

 

SAFE LISTENINGについて

ヘッドホンやイヤホン、今やすっかりライフスタイルの一部になりましたが、「周囲の音」・危険を知らせる実は大切な音情報が得にくく、時と場所によっては気がつかないまま危ない状況で使用していることがあります。
耳が持っている優れた環境適応能力は、大きな音にもすぐに対応してくれますが、それゆえ知らず知らずのうち再生ボリュームが大きくなってしまうことも。
長時間連続してのリスニングも聴覚への大きな負担となります。音楽に没頭すると、どうしても時間が経つのを忘れてしまいますが、「ちょっと一息」は音楽鑑賞でも大切な耳の休憩時間です。
知らない、気づかないうちに折角の楽しい時間を失わないように・・・。「これは駄目!」、「間違っている!」と押し付けるのではなく、「音楽を安全に楽しむ」ことをテーマに、音や耳、聴覚の仕組みに少しでも関心を持っていただくために、SAFE LISTEING(セーフリスニング)を立ち上げました。

公式サイトより抜粋)

 

近年スマートフォンの普及などにより、上記の紹介文の通り人々の生活にかなり浸透してきた音楽視聴。

しかし、必要以上に大音量で聴いてしまうと耳への負担もあります。また、自転車などに乗りながらイヤホン・ヘッドホンで音楽を聴くのも非常に危険だと言えます。

そんなSAFE LISTENINGについて、先日のe☆イヤホンTVでは須山歯研の須山社長が登場。FitEarと併せて特集させて頂き、発案者ご本人に解説をして頂きました。

 

 

 

その際、番組で募集をしているお便り『e☆フツオタ』に沢山の質問が寄せられました。

番組内で須山社長に回答して頂いたものの、放送時間の関係上、全ては回答することが出来ませんでした。

 

 

 

そこで!

 

 

 

放送終了後に須山社長にお願いし、放送出来なかったご質問への回答をして頂くことが出来ました!

今回はそちらをまとめてご紹介させていただきます!

 

 

 


 

PN:ZAKI さん

セーフリスニング、という言葉を知ったのはこの2、3ヶ月なのですが、確かに耳を大事にすることはオーディオファンとして1番大事といっても過言では無いことと思います。

個人的に一日中イヤホンをつけて音楽を聴いていることが多いので、適度に休みを入れるよう心掛けています。

ここで疑問なのですが、耳を休めるときに、耳栓などをした方が耳は休まるのでしょうか?

よろしくお願いします!

 

[須山社長]

セーフリスニングへのご理解と実践、ありがとうございます!

耳の休憩ですが、もし周りに大きな雑音が無い場合にはあえて耳栓を利用する必要は無いかと思います。

作業しながらですとついリスニング時間が長くなってしまうようなことも正直ありますが(私も、笑)、聴覚への負担は「音量×時間」とお考えいただき、そんな時にはいつもよりちょっとボリュームを落とすのも良いのではと思います。

 

 

 


 

PN:京都水族館の山椒魚 さん

須山さんはじめまして。いつもツイッターを見て腹をすかせております。

質問が2つ、まず、フォームタイプのイヤピを外したとき、たまに耳の中が押し広げられたせいか少し痛みを感じることがあるのですが、これはサイズを変えるべきなのか、はたまたフォームはこんなものなのでしょうか。

次に、自分は顎関節症なのですが、カスタムを作ったとき、装着感などに影響はありますか。

 

[須山社長]

基本イヤーピースは素材の反発性を活かし耳あなを遮蔽しますが、フォームタイプのイヤーピースの場合、なるべく耳あなの広い範囲に接触を求めることで高い遮蔽性と様々な耳あなへの適合が図られています。一方でその反発力は常に耳あなに圧力を加えていますので、お話のように長時間利用した場合、痛み疲労感につながることが。

現在様々な種類のイヤーピースが各メーカーから販売されていますが、遮蔽性、装着感、音質変化、耐久性など製品により得意不得意もあります。フォームタイプでも一回り小さいものが手に入れば問題の緩和につながるかもしれません。またフォーム素材にも反発力の強弱があるものもありますので、このあたりは販売店の店頭でお試しいただく、店員さんにご相談いただくのも良いかと思います。

 

顎関節症とのこと、カスタムでは外耳道に合わせてシェルを製作しますのでどうしても顎関節の影響がありますが、その程度によってはあえてシェルの外耳道長を通常より短く製作してもらうことでその影響を抑制することも可能です。もし顎関節症の治療(歯科矯正などもですが)を行われている場合、治療前後で噛み合わせによる安静時の外耳道形状が変化する場合もありますので、治療が終了し咬合/顎関節の状況が安定した後に耳型を採取されることをお薦めいたします。

 

 

 


 

PN:ttt さん

皆さまこんばんわ。耳のこと。聞いてみたいです。

耳かきはどのように、程度、頻度で行いますか?

耳鼻科などに行って綺麗にしてもらったほうがよいのですか?

 

[須山社長]

耳かき、癒しとか趣味という方も多いかと思いますが(笑)、近年では「耳かきはなるべくしない」という意見が多いようです。これは使用する耳かき、綿棒により、耳あかを鼓膜方向に押し込んでしまうことがある、また耳あな自体が老廃物を勝手に外に押し出してくれる機能を持っていることがその理由です。また外耳道を傷つけてしまい、出血やそれが元に外耳道炎といったトラブルにつながることも……。

 

とはいえやはり耳掃除がしたい!という場合、あまり耳あな深くまでではなく(ピリッと痛みが出るようなところは皮下組織の薄い骨部外耳道となりますのでその手前までで……)、またご自身の耳あなサイズに適したみみかきや綿棒を選択しましょう。またお風呂上がりなど耳あなに湿気があるタイミングで、同じく軽く湿らせた綿棒で拭うようにお手入れしていただくと綺麗に、また外耳道を傷つけにくくお掃除ができると思います。

耳垢の種類や外耳道サイズ/形状によりうまくお手入れができないようなケースでは、耳鼻科医でご相談いただき、耳あな状態のチェックと必要に応じては清掃、また適切な掃除方法を指導していただくのが良いでしょう。

 

 

 


 

PN:ちゅう太 さん

カスタムを検討する過程で、「起源はヨーロッパなどで、多湿な日本では雨季などの使用は厳しいしメンテナンスが大変」と聞いたのですが、ユニバーサルとの優劣は価格や納期、他人とイヤホン共有出来ないという以外で、どのような点が挙げられるでしょうか?

 

[須山社長]

日本の高温多湿さは確かに条件としては厳しいものがありますが、本来カスタムが用いられる現場はライブコンサートのステージ上で、汗や時としては雨などで常に濡れる条件で何時間もトラブルなくできることを前提として製作されています。近年では音楽鑑賞に特化したカスタムもあり一概には言えませんが、業務系で利用されているカスタムであれば高温多湿な日本でもそれによるトラブルは極めて少ないと思います。

 

ユニバーサルとの比較ですが、やはり遮音性と長時間装用時のフィット感がカスタムの優位性となります。ユニバーサルは様々な耳あなサイズ/形状の方になるべく広く対応できるよう、各メーカーが工夫をこらしたイヤーピース(イヤーチップ)が添付され、その中で最もご自身にあったものを選択して利用します。カスタム並みにピシャッと装着できるケースもありますが、なかなかうまく耳が遮蔽されない、使っているとズレてしまう、長時間使っていると痛みや疲労感が生じるということも。装着状態により高域が遠くなってしまった、といった音質的な不安定さを経験された方もいらっしゃるのではないでしょうか。

 

カスタムでは一人ひとり異なる耳あなの形に合わせて製作しますので、こうしたユニバーサルの問題点を解決してくれます。しかしカスタムだから「音が良い!」とは断言できません。最近は同じモデルでカスタム版、ユニバーサル版が販売されるケースもありますが、ユニバーサル版の方がワイドレンジであったり、装着感も軽快、着脱も簡単といったことも。

 

カスタムである必然性、これは直接音質への影響というよりも、「音楽鑑賞をする上で静寂な環境を安定的に提供する」ことが主目的となります。もしユニバーサルモデルをご利用で、その使い勝手や音質に満足されているのであれば、またお使いいただく環境がそれほどうるさくない場所であれば、カスタムを製作する必然性は小さくなります。

それでもカスタムを試してみる理由としては、実際にカスタムを製作をした時の非常に高い遮蔽性が、それまでは不満に思わなかった環境騒音の抑制に大きな効果がある場合があり、一度その世界を知ってしまうと戻れなくなってしまうことも・・・(笑)。

 

もう一点、通常ユニバーサルモデルは数千、数万という数量を販売する前提で開発されることが多いため、よくも悪くも「無難な」製品となりやすい傾向にあります。カスタムの場合、それこそ「数台」とかでも製品として成立するため、ある意味メーカーや開発者の方の「わがまま」を実現しやすく、ニッチなターゲットを狙った非常にチャレンジングな製品も存在します。

カスタムは取り扱うお店が限られたり製作に時間も費用もかかるのでおいそれとお薦めできる製品ではありませんが、形だけではなくご自身の感覚にもぴったりあった音を見つけ出すという醍醐味があると言えます。

 

 

 


 

PN:上半期で13キロ太ったマン さん

こんばんは。

音楽の話から少しそれるのですが、自分は仕事柄騒音に晒される事が多く、仕事をしながら片耳イヤホンで同僚と連絡を取らないといけません。また、家が線路の上にあるので、絶対耳に悪いなと思いながらも騒音を回避する方法がありません。

ちょっとでも耳を休ませる方法が知りたいです。

 

[須山社長]

騒音環境で片耳にイヤホンとのこと、騒がしい中でイヤホンからの声を聞こうとすると、どうしてもそのボリュームを上げてしまいがちになるのではと思います。

騒音のレベルやお仕事上のコミュニケーション、周囲への安全配慮の必要性など条件にもよりますが、イヤホンと反対側の耳にイヤープラグを利用するのはいかがでしょうか。コミュニケーションがイヤホンだけで完結し、また周囲に工作器具や重機など危険なものが無い環境であれば(サーバルームなど)、遮蔽性の高いイヤープラグをすることで雑音の抑制とともにイヤホンのボリュームを抑えても同僚の方とのコミュニケーションをしっかり確保することができます。

 

周囲の音がある程度聞こえないと安全確保に問題がある(工事現場など)、騒音環境でイヤホン以外のコミュニケーションも取る必要がある(パチンコ店のホール係など)ようなケースであれば、耳栓でも完全に音をシャットアウトするタイプではなく、雑音を抑制しつつもある程度周囲の音を通す音響フィルター付きのタイプを選ばれると良いかと思います。ニーズに応じ、騒音抑制レベル、異なる周波数バランスの製品が販売されていますのでご検討いただければと思います。

 

ご自宅での騒音、これもそのレベルや質にもよりますが、まずはドアや窓枠に遮音スポンジのようなものを利用されるのはいかがでしょうか。それでも抑制しにくい場合、ノイズキャンセリングタイプのヘッドホンを利用するアプローチがあるかもしれません。低い周波数の騒音はなかなかアコースティックでは抑制しにくいですが、位相反転を用いた昨今のノイズキャンセリングヘッドホンですとかなり改善が期待できるかと思いますし、ついでに適切な音量で音楽を楽しんでしまうのもアリかもしれません。

 

長時間なるべく耳に痛みなど負担をかけずに騒音抑制をしたいという場合にはオーダーメイドのシリコン製イヤープラグという選択肢もあります。こちらもニーズに応じて音響フィルターを選択することができますので、ご相談をいただければ幸いです。

 

FitEar Silence

http://fitear.jp/silence/index.html

 

 

 


 

PN:btb さん

皆さんこんばんは。いつも楽しく拝見しております。

「耳を大事にする上で知りたいこと」ですが、私はアマチュア吹奏楽団でトロンボーン奏者をしているので、普段から気を使っているところですが、小さな音量でも快適に聴けるよう「遮音性の高いもの」や「遮音性がそこまで高くなくても低音がしっかり出て電車内でも低音がはっきり聞き取れるもの」をイヤホン選びの基準の一つにしています。また、3時間以上連続してのリスニングも避けるようにしています。このような対策は正しいのでしょうか?

 

[須山社長]

遮音性の高い製品の選択は、音楽が持つダイナミックレンジを再現しやすく過度にボリュームを上げてしまうことを防ぐ上で大変良い方法です。

ユニバーサルモデルなど、イヤーチップの適合で遮音性が得難い場合もあります。ご指摘の通り遮音性と低域再生は大きく関連し、遮蔽製不足での音楽再生は低域周波数の減衰と同時に外部からのノイズによるマスキングからどうしてもバランスの悪化につながります。

 

そうした意味では実践されている選択基準は正しいアプローチですが、一点、「騒音環境と静音環境ではそのバランスがかなり大きく変化する」ということが。使用環境が電車の中などある程度固定している場合には問題にならないかと思いますが、静かな環境だと少々ブーミーになってしまうこともあるため、やはり可能な範囲で一つ目の選択肢を優先するとともに、イヤーチップの選択、社外品イヤーチップの適用もあわせてご検討ください。

 

リスニングの時間、聴覚への負担は「音量×時間」という面積のようにお考えいただくのが良いと思いますが、それゆえ聴き続ける時間を意識していただいていることは聴覚保護の上でとても重要です。お話ですと大音量ではなく比較的抑えた音での音楽鑑賞かと推察いたしますが、音楽をしっかり聴くということであればやはりそれに集中できる時間もありますし、アルバム1枚分くらいで軽く休憩、というのが良いかもしれません。

 

レコードが主流の頃は片面15分から20分でひっくり返すのに一度音が止まり、アルバム1枚聴いても40分程度でまた別のレコードに取り替えて……といったのどかな時代でした。しかしもしかするとそれくらいがちょうど音楽に集中し、かつ耳を休ませる上でも合理的な時間だったのかもしれません。現在デジタルオーディオプレイヤーの大容量化が進み、それこそ電池が切れるまででも音楽を聞き続けることができるだけに、自ら意識を持って音楽鑑賞と聴覚保護を両立することが求められると思います。

 

 

 


 

PN:かい さん

皆さんこんばんは!

『耳を大事にする上で知りたいこと』

私は普段、遮音性至上主義で、電車内で音楽以外の音が聞こえることが許せません…。

そのため、つい音楽に没頭できる音量まで上げてしまいがちなのですが、これってやはり耳にはよろしくないことなのでしょうか?

人により差異があることは承知の上で、どのくらいの音量が適正と言われているのか、教えていただければ幸いです。

 

[須山社長]

私もかいさんと同様、結構音量上げて聴いております(笑)。生楽器の音であったり、もしくはライブでの音圧を前提に、音楽が作られ表現された上で「これくらいのダイナミックレンジが欲しい!」となると、どうしてもある程度ボリュームを上げてしまうわけで……。

 

SAFE LISTENINGという話をすると、どうしても「ボリュームは小さく」することと思われがちなのですが、音楽には非常に小さい音から、時としては非常に大きな音も含まれます。時間軸で周波数分布と音圧の変化で表現される芸術が音楽ですので、単にボリュームを小さくしてしまうと、肝心の音楽表現を損なってしまう場合も・・・。

もちろん音楽表現に必要がないほどに過大な音は抑制する必要がありますが、音楽鑑賞には大きな音も必要です。一方で聴覚保護も考えなければならないとなると、ご質問の「どのくらいの音量が適正か」というテーマにぶつかります。

 

私の主観ではあるのですが、オーディオで語られる音質をどうする、音源は何で機器の組み合わせは……というのはあくまで付随的なもので、もしかするとオーディオの究極のテーマというのは「どのくらいの音量で音楽を聴くか」にあるのではと考えています。

音楽のジャンル、それぞれの楽曲、アレンジ、構成などにより、音楽の聴きどころ、その楽曲が持つ音響エネルギーは異なります。マスタリングという作業である程度それを揃え聴きやすい形で供給はされているものの、弦楽四重奏とEDMを同じボリュームで聞いた時、音楽の感じ方や聴覚への負担は当然変わってきます。

 

答えになっていないようで恐縮ですが、最も大切なことはかいさんが「どのくらいの音量が適正か」というテーマにすでに気づかれていることです。耳は爆発音や先ほどの音楽表現に必要のない過大な音、という音圧でない限り、すぐ大きな音で聞こえなくなってしまうほどヤワではありません(笑)。でも長期間に渡りそうした状況を継続すると、蓄積するように聴覚に影響を与えていきます。

繰り返し申し上げている通り、聴覚への影響は「音量×時間」とお考えいただき、もし「ガツンと聴きたい!」という時であれば、聴き続ける時間をちょっと短くし、その後耳を休ませる時間をしっかり取るというアプローチを取っていただくと、音楽表現自体は我慢せずに、かつ聴覚への負担も抑制することができます。

 

「音楽体験の充実と聴覚保護を両立する」「そのために音や聴覚に関心を持ち自ら意識的に音楽を聴く」。これがSAFE LISTENING一番の目的です。

 

 

 


 

PN:東京在住になりたいみぃ さん

先月の待ちに待ったMH334のオーダーから1ヶ月、神の手のような耳型採取の技術にまず感動しつつ毎日到着を心待ちにしています(魔がさして今日AZLA迎えましたが…)

今日は須山さんにお聞きしたい事があります。私は気圧の変化に特に敏感で天気や少しの高度の変化で頭と耳が痛くなる事が多いです。その為極力飛行機を避けたり機種を選ぶようにしています。

耳型採取時のコンディションもですしやはり気圧と耳の関係は避けて通れないと思うので気圧により耳に起こる事や注意できる事を一から教えて頂きたいです。宜しくお願いします。

 

[須山社長]

MH334のご注文、ありがとうございます!もうお手元に届きご利用をいただいておりますでしょうか?

 

ご質問の気圧変化による頭と耳の痛み、気象の変化や低気圧により誘発される片頭痛、それに伴う耳(鼓膜)の痛みはまだそのメカニズムが解明されていない点があるようで今後の研究進展と対策の確立が待たれますが、ここでは気圧と鼓膜の一般的な関係性に触れてみます。

 

鼓膜は外気圧の変化により内側方向に押される、外側方向に引かれます。これは鼓膜の外側(外耳)と内側(中耳)の気圧に変化が生じるためですが、こうした時、上咽頭と中耳腔を繋ぐ「耳管」が一時的に解放され(通常は閉鎖されています)、外耳と中耳の気圧整合がなされ鼓膜への気圧負荷が解消されます。

エレベーターに乗った時、飛行機で上空に至った時に耳がた詰まったりツーンとしたりした時、つばを飲むなどいわゆる「耳抜き」をしてこれを解消されている方が多いと思います。個人的には「舌の奥の方を喉の方に引き下げる」感じで耳抜きをしています。風邪で耳管が閉塞し気圧整合がうまく機能しないようなこともありますが、慢性的な場合には耳鼻科医など専門家への相談をお薦めいたします。

 

カスタムを装着した時の鼓膜への影響ですが、基本的には挿入時には気圧が上昇する方向、取り外す時には低下する方向で変化が生じますが、装着時でも「これでOK」と手を離したら耳の弾力でカスタムが外方向に押し返されることで、ちょうど耳に吸盤が張り付くように気圧が低下する(鼓膜が外に引っ張られる)状態で維持されることも。こんな時にはシェルの珠間切痕部(耳あなの二つの小さな膨らみである耳珠と対珠の下にある切れ込み部分)を軽く上方に押し上げて僅かに隙間を作ってシェル奥・外の気圧整合を行った後静かに手を離しカスタムを所定の位置に収め直してください。

取り外す時も前述の気圧整合方法と同様、珠間切痕部を上方に軽く押し上げて通気を確保し、そのまま上後方に「釘を抜く」ように引き上げてもらうと鼓膜への気圧変化による影響を小さくすると同時にスムーズにシェルを外耳道から抜き出すことができます。

 

 

 


 

以上、須山社長によるご質問への回答のコーナーでした。

イヤホン店のスタッフとしても非常にタメになる内容でした。皆様もぜひ『SAFE LISTENING』を意識して頂けたらと思います。

 

『SAFE LISTENING』公式サイト

http://safelistening.net

 

 

 

お相手は大先生ことクドウでした。それではまた次回。


 

※記事中の商品価格・情報は掲載当時の物です。