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皆さんおはこんばんちは。

e☆イヤホンのりょう太です!

 

”マッハ36”振動板をうたうヘッドホンがあります。

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maxell MXH-MD5000

マッハとは、音速を基準とした速さの単位のこと。マッハ1は340m/sなので、マッハ36ということは単純に36倍にして・・・12,240m/s!もう訳がわかりません

マッハ36を時速に置き換えると約44,000km。物体が地球の重力を振り切るのに必要な第二宇宙速度は時速40,300km=マッハ33なので、それをゆうに超えてしまっています。つまり、宇宙へ行けるヘッドホン・・・?

 

 

>一度冷静になって、MXH-MD5000の”マッハ36”どういうこと?

分解図-min

MXH-MD5000のドライバーユニット図解

MXH-MD5000がうたう”マッハ36”とは、ダイヤフラムに施されたベリリウムコートの、ベリリウムの音伝導性に由来します。

 

【物性比較】

速さ

Velocity(m/s)

硬さ

Young modulus

(E10N/㎡)

比重

Density(g/㎥)

ベリリウム 12,302 28.0 1.85
チタニウム 5,201 11.9 4.40
アルミニウム 5,092 7.0 2.70
マグネシウム 5,028 4.5 1.78
ダイヤモンド 16,270 90.0 3.40

※マクセルの試聴会資料より。

上の表でもわかるとおり、スピーカーユニットの振動板に使われることもあるベリリウムの音の伝わる速さはマッハ1の36倍ということになります。これが”マッハ36”の由来ということですね。

ベリリウムコートをすることで伝搬速度が向上し高音域の伸びが良くなる、硬度を得ることで振動時に変形しにくく音に歪みが生じにくい、内部損失特性が高いというのも余計な雑味を出さないポイントです。

 

 

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デュアルチャンバー構造

ダイナミック型ドライバーを搭載したイヤホンやヘッドホンには、振動板を振幅させるための空気を一時的にためておくためのチャンバー(空気室)を持つものがあります。MXH-MD5000にはチャンバーが二つ設けられており、この構造がドライバーユニットと密接に関係することでより高音質を引き出していると言えるでしょう。

 

ヘッドホンに”マッハ36”なんてなかなか眉唾なキャッチコピーですが、音作りについてはかなり真面目なこだわりを持った物だということがおわかりいただけましたか?

 


 

>デザインもなかなか渋い

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スタジオモニターヘッドホンっぽいやや大きめのシルエット

ガンメタルカラーで重厚な印象を受けますが、ケーブルを除いて約260gと実際のところそこまで重たいヘッドホンではありません。

 

 

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低反発素材を使った立体縫製イヤーパッド

ヘッドホンの音質、装着感に大きく影響するイヤーパッド。クッションには低反発素材を使い、立体縫製された構造により型崩れしにくく、長時間着けていても疲れにくいのが特徴。また、この構造により遮音性もかなり高め。

 

 

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ケーブルは着脱式でロック機構あり

MXH-MD5000はケーブル着脱式。左ハウジングからの片出し、端子は3.5mmミニプラグ。ねじ込み式のロック機構も設けているため、使用中不意にケーブルが抜ける心配もありません。

 

 

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ケーブルは2本付属

使用する場面に応じて使い分けできる、長さの異なる2本のケーブルが付属しています。

主にインドアで据え置き機器と接続して使う場面を想定した3.0mのケーブル。こちらは3.5mmステレオミニ端子を採用していますが、6.3mm標準プラグへの変換プラグも付属しています。

更に小型プレイヤー、スマホとの接続、アウトドアでの使用を想定した1.2mのケーブルも付属。こちらはプラグがL型になっています。

密閉型ヘッドホンですし、重量もそこまで重くはないのでサイズさえ気にならなければ屋外でも積極的に使えるヘッドホンではないでしょうか。

また、マクセルの担当者さんによると純正でバランスケーブルの発売も予定しているとのこと。期待!

 

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付属のキャリングポーチ

巾着袋のキャリングポーチが付属しています。かなりしっかりとしたもの。ヘッドホン本体だけでなく、付属のケーブルもまとめて収納できるサイズです。

 

 

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オシャレなワンポイント

 個人的に気になったのはこのメーカーロゴ入りのタブ。黒一色のケースだとなんだか味気ないのですが、このタブがあることで妙に特別なものに感じられます。

 


 

>MXH-MD5000の使用感 

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・重厚なルックスに似合わず軽めで良好な装着感

・側圧の強さ、イヤーパッドのクッション圧も丁度良い

・遮音性はやや高め

・どちらかと言うとインドア寄りのヘッドホン 

 

前述の通り、ルックスに似合わず軽量。また側圧の強さが丁度良いこととイヤーパッドもクッションの厚みなど丁度良いこともあり装着感は良好です。

またそれらの要素も相まって遮音性も十分。個人的にヘッドホンのサイズなどもろもろ考慮して、どちらかと言うとインドア向けなヘッドホンと思います。

密閉型なのでアウトドアでももちろん使用可能ですが、ある程度音量を上げると音漏れが気になるので、公共の場では音量にご注意を。

 


>MXH-MD5000の音質

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・ソリッド&スピーディー

・明るく突き抜けるように伸びやかな高音域

・誇張感のない立ち上がりの良い低音域

・サウンドステージが広く、空気感が生々しい

・とにかくレスポンスが良いが、高域は少し刺さる

・悪くない刺さり感・・・個人的にはむしろクセになる

・高音域の量感、伸びを求める方は必聴!

・足元に響くような低音を求める方にはオススメしない

 

高音域が強い!と、言ってしまうのが一番短く、しっくりとくる表現ではあるのですが、このヘッドホンのサウンドはその一言では語りつくせません。

確かにドライバーの特性上速く、硬く、正確で、シャープな音の鳴るヘッドホンであるのは間違いありません。が、音楽の中に含まれる、音と音の間にある余韻や空気感、それらの描写も非常に上手く出来ているヘッドホンでもあります。

特に高音域の特性に優れ、注目すべきはその点なのですが、実際に音を聴いて「刺さる」という感想をお持ちになる方も多いでしょう。凜として時雨のEnigmatic Feelingを聴けばその特徴は一目瞭然。イントロから響くハイハットの響きが、スパイシーに弾ける!そして刺さる!・・・のですが、このトゲトゲしさが全て鼓膜の方向へ一直線に飛んでくるのではなく、このヘッドホンによって生み出される空間の中に浸透するように響くため、聴こえているイメージ通りの「痛さ」は感じられません。んーちょっと意外。「高音伸びる!」「割と攻撃的!」「でもそんなに痛くない!」これらのバランスが愉快なほど良い、と言えるのです。もちろん聴く人、曲によって印象も異なってくるとは思うのですが、個人的には「もっと痛く感じてもおかしくないくらいの高音なんだけどなぁ?」と思う程度には高音がギュンギュン出てるイメージ。言うならば「味わいとしてのスパイシーさ」とでも表現しましょうか。高音の刺さりがあまり好きではないわたくしでも、これはアリな刺さり、そう思えてしまいます。

よく聴く、好きな曲だとDAOKOのShibuyaKFaint★Starのメナイなど、シンセサウンドを多用した王道的テクノポップの機械的な表現がより機械的なディテールを持ち、それによりボーカルとのコントラストがより明確になって聴きごたえ抜群に。低音はブーストしたような鳴り方ではなく、とにかくタイトでキレ良さが売りなので、高音域に真っ向から立ち向かっていくような高低対等なドンシャリサウンドではありませんが、低音が不足している感は全くなく、爽やかでスピーディーなMXH-MD5000ならではのサウンドにこれ以上の低音は不要!と言い切れる完成度です。

とにかく、このヘッドホンの良さは類まれなる音の速さ。宇宙にまで突き抜けていきそうなサウンド、ぜひ味わってみてください。

 

>動画でも紹介しました

 

 

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