大先生です。

 

皆さん、安野希世乃さんの1stミニアルバム『涙。』は聴かれましたか?

 

 

人気声優・アーティストとして活躍される安野希世乃さんのデビュー作となる1stミニアルバムで、しっとりとしたバラード調の曲から疾走感のあるロックまで、彼女の色々な面、そして高い歌唱力を余すこと無く堪能出来る素晴らしい一枚。

各ハイレゾ配信サイトでも販売されており、発売時には軒並みランキング入りもしたほどの人気のあるアルバムとなっております。

 

かくいう僕もハイレゾ音源をAstell&Kern『KANN』という音楽プレイヤーで聴いています。6曲というのもまた、リピートで聴くのにも丁度いい曲数ですよね。30分くらいの移動なら丁度全部聴ける感じだし。

 

そんなわけで、もうなんか『「涙。」を聴くだけの仕事をしたい』と思っていたところ、株式会社アユートのSさん(上の写真のプレイヤーとかを取り扱っている人)から連絡がありました。

 

 

 

【Sさん】

安野希世乃さんの「涙。」でAKプレイヤーを聴き比べるお仕事をしましょう。

 

【ぼく】

まじですか?

 

 

 

願ってもない話です。

好きなアルバムを聴き比べ仕事になるなら、まさに願ったり叶ったり。

 

 

 

【ぼく】

ぜひお願いします。いやあ、僕は普段から「涙。」を聴いてますからね。聴き比べには自信がありますよ!

 

【Sさん】

あ、いや。聴き比べるのは大先生じゃないです。

 

【ぼく】

(なんだ……よくあるオーディオライターさんとかが聴き比べるやつか……。)

ああ、他の人なんですね……。一体どなたなんですか? なんならSさんとか?

 

【Sさん】

安野希世乃さんです。

 

【ぼく】

は?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【Sさん】

安野希世乃さんご本人です。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ぼく『えっ?』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「こんにちはー」

 

 

 

ま、マジだー!!

 

 

 


 

というわけで、e☆イヤホン安野希世乃さんがいらっしゃいました。

今回はご自身のアルバム『涙。』で、Astell&KernのDAPを聴き比べして頂きます。

 

 

 

【大先生(ぼく)】

それでは、本日はよろしくお願いします。

 

 

 

【安野さん】

よろしくお願いします!

 

 

【大先生】

今回は音楽プレイヤーの特集なんですが、安野さんは普段どのような環境で音楽を聴かれていますか?

 

 

【安野さん】

いつもはiPhoneで音楽を聴いてるんですけど、イヤホンのジャックがiPhone7から無くなっちゃったじゃないですか。だから、今までお気に入りで使っていたイヤホンが使えなくなっちゃって……。

今はiPhoneに付いてきたイヤホン(Earpods with Lightning)を使っています。

 

『iPhone7』以降、iPhoneにはヘッドフォンジャックが無くなっている

 

 

【大先生】

なるほど。iPhone7の発売以降、そういう方は多いですよね。

 

 

【安野さん】

あとは、『Apollo7(※)』っていうのを使っています。

 

(※)Apollo7 … ERATOから発売されている、完全ワイヤレスイヤホン。左右が独立しているため、耳栓のような使い方が可能。現在は後継機種である『Apollo7s』が発売中。

 

 

【大先生】

Apollo7! 完全ワイヤレスの機種ですね?

 

 

 

【安野さん】

それです! 左右が線で繋がってないので、走ったりする時とかにも使えるように、ぱっと着けられるようにと思って。

でも、最近は使わなくなっちゃって、机の引き出しの中に……。

 

 

【大先生】

なるほど(笑)。

 

 

【安野さん】

『Apollo7』を使う前に使っていたイヤホンこそ、結構時間をかけて選んでいたイヤホンで。

確か木の、木で出来てるやつ……。

 

 

【大先生】

JVCの『WOODシリーズ』ですかね?

 

 

 

【安野さん】

そう! JVCさん!

そのシリーズはデザインが良くて気になっていたんですけど、何種類かある中で一番音質が好きだったものを選んで買って、結構長く大事にしていて。

でも、iPhoneのジャックが無くなったから聴けなくなって(笑)。『Apollo7』と同じように机の引き出しの中に入ってしまってます……。

なので、今は本当にiPhoneについてきたイヤホンしか使っていないですね。

 

 

【大先生】

カジュアルな聴き方に落ち着いているという感じですね。

僕も実際、iPhoneで音楽を聴くっていうことは多々ありますし、やはりお客様の中でもスマホで音楽を聴いているという方は多いと思います。

 

しかし! そんな中で、こういった『ハイレゾ音楽プレイヤー』というものがありまして。

今回ここに4つのハイレゾ音楽プレイヤーを用意させて頂きました。

 

左からAK70、KANN、SP1000 CP、SP1000 SS。詳細は後述

 

ハイレゾ音源という高音質な音楽を再生することが出来る音楽プレイヤーなんですが、こういったものはご存知でしたか?

 

 

【安野さん】

えっと、物を見たことはありました。

ワルキューレ』の楽曲もハイレゾ音源が出ていまして(※)、その発売の時にお店に行って聴かせて頂いたんですけど。それが人生で唯一の『ハイレゾとの邂逅』みたいな感じ……。

 

(※)ワルキューレ … TVアニメ『マクロスΔ』に登場する音楽ユニット。各キャラクターの声優による活動も行われている。

TVアニメーション「マクロスΔ」ボーカルアルバム Walkure Attack! – ハイレゾ音源配信サイト【e-onkyo music】

 

 

【マネージャーさん】

……ちなみにあなた、ハイレゾ音楽プレイヤー持ってるでしょ。

 

 

【安野さん】

えっ!?

 

 

【マネージャーさん】

以前、そこにいるSさんから『AK70』を受け取ってます。

 

↑AK70(中央下)

 

 

【大先生】

いつの間に!?

 

 

【Sさん】

(ニッコリ)

 

 

【安野さん】

そ、そういえば持ってたかも……!

でも、ごめんなさい。正直あんまり使ってないです……使い方がよくわかってなくて……。

 

 

【Sさん】

ぜひ今日、使い方を覚えていって下さい(ニッコリ)。

 

 

【大先生】

……とにかく。『ハイレゾ』というもの自体は知っていたと(笑)。

 

 

【安野さん】

は、はい!(笑)

でも、その『ワルキューレ』の時は正直、細かい違いとかはあんまりわからなかったかもしれません。

ただ、今日聴かせてもらうのは自分のアルバムなので!

いっぱい自分で歌ったし、音入れにも立ち会ったし。完パケの時の、CDより良い状態のものも知っているので、ちょっとそれを体験させて頂けたらなと……!

 

 

【大先生】

ご自身が一番良くわかっている楽曲たちということですね!

それでは、早速ハイレゾ音源の試聴を……。

 

 

【安野さん】

あ、その前にちょっといいですか?

 

 

【大先生】

はい。

 

 

【安野さん】

大先生さんが使っている名刺ケースのブランド、私好きなんですよ。

 

 

【大先生】

え、これですか?

 

 

 

【安野さん】

このブランドが好きで! ここの充電器とか持ってます。

やっぱり、木の素材が好きなんですよね。

 

 

【大先生】

先程も木のイヤホンを気に入って使っていたと仰ってましたね。

実は今回、その『素材』という要素が重要なんです。

 

 

【安野さん】

そうなんですか?

 

 

【大先生】

まあ、今回は木の物はないんですが(笑)。

今回用意したプレイヤーのうちの2つ(CP、SS)は同じ機種なんですけど、外側の素材が違うんですよ。

 

左からSP1000 CP、SP1000 SS

 

 

【安野さん】

ふむふむ。

 

 

【Sさん】

片方が銅で出来ていて、もう片方がステンレス・スティール。

中身も全く一緒なんですが、その素材だけで音が変わってくるんです。

 

 

【安野さん】

へー!

……って、え? こんなデジタルな機器で、イヤホンを通って音が出るのに、ここの素材で音が変わってきちゃうんですか?

 

 

【Sさん】

全然違いますね。

 

 

【安野さん】

へええ……!

ほんとに外側以外は全く一緒なんですか?

 

 

【Sさん】

そうなんです。

だから、この外側素材が音に深く関わってくるというわけです。

 

 

【安野さん】

やっぱり銅の方が(価格が)高いんですか?

 

 

【Sさん】

価格は全く一緒です。

 

 

【安野さん】

え! 全く一緒!

じゃあ、本当に音の好み、っていうことなんですね。

 

 

【Sさん】

そうですね。性能という意味では全く同じものなので。

その辺りも後々に聴いて頂ければと思います。

 

 

【安野さん】

面白いですね……!

 

 

 


 

【大先生】

では、早速これらの音楽プレイヤーを聴いていって頂ければと思います。

まずはこちらの『AK70』を。

 

 

 

【安野さん】

あ! すごい! 私の曲が入ってる!

 

 

【大先生】

今回は『涙。』のハイレゾ盤をご用意させて頂きました。

また、今回は試聴用として用意したそちらのイヤホンは『AK T8iE MkII』というものです。これは『Astell&Kern』という、今回試聴するプレイヤーを作っているブランドと、ドイツの『beyerdynamic』というメーカーがコラボして作っているイヤホンです。

 

 

これなら各プレイヤーの実力を引き出せる! ということでセレクトさせて頂きました。

 

 

【安野さん】

すごい!

 

 

【大先生】

よかったら、早速着けてみて下さい。

いわゆる耳掛け型で、イヤモニと同じような感じで着けられます。

 

 

【安野さん】

こんな感じですかね……?

 

 

 

【大先生】

そんな感じです!

最初は耳掛けで着けるのが難しかったりするんですが、流石イヤモニに慣れていますね!

 

 

【安野さん】

あ、今日は耳元も撮って頂けると嬉しいです! 涙型のイヤリングを着けてきたので!

 

 

着けました!

 

 

【大先生】

それでは、お好きな楽曲を選んで頂けると再生が始まります。早速聴いてみて下さい!

 

 

【安野さん】

はい! ……の前に、意外と軽いですねえ、これ。

 

『AK70』は手の中にすっぽり収まるサイズ感

 

……まあ、300、400gくらい……とかですかね……?

 

 

【大先生】

(数字を当てにいくのか……)

 

 

【Sさん】

130gくらいです。

 

 

【安野さん】

えッ!? あれ!?(笑)

 

 

【Sさん】

アルミ製なので軽いんです。

 

 

【大先生】

全然違うじゃないですか。

 

 

【安野さん】

全然違った……。

でも、凄く軽いですね。確かに130g。

 

 

【大先生】

そうなんです。コンパクトなので、プレイヤーの中でもトップクラスに人気がありますね。

 

 

【安野さん】

うーん、iPhoneですら大きく感じる私にとっては、すごく良い。

 

では、『I remember』から試聴していきたいと思います!

 

 

……。

 

 

【大先生】

……。

 

 

【安野さん】

…………。

 

 

【大先生】

(めちゃめちゃ聴いてるな……)

 

 

【安野さん】

……ふう。一曲聴いちゃいました(笑)。

 

 

【大先生】

はい(笑)。いかがでしたか?

 

 

【安野さん】

『I remember』に関して言えば、凄く生声に近いです。

 

自分が歌ったその場で聴かせてもらったり、マスタリングの段階で聴かせてもらう状態とCDって絶対に違うんですよね。

なのでCDの状態に落とし込まれちゃうと、自分の手から離れて別のものになったな、ってくらい客観的に思えるような向き合い方はしていたんです。

 

でも、これで聴くと『自分の声だー』って、凄く思います!

なんなら、歌っている時にマイクで返して聴こえていた……以上に、普通に生で歌っている声が自分の耳に入ってきているぐらい生歌っぽい感じがしますね。『ちょっとここ、鼻にかかってるんじゃない?』みたいな細かいところまで聴こえてきて。

発声がどうなっているのか聴こえてくるレベルで、『このキャラの時はここに当てよう』とか、そういった共鳴を意識した歌い分けとかもちゃんと分かります。

そんなのが、なんでここでわかるんだろうって、不思議なくらいなんですけど(笑)。

 

 

あと、このイヤホンで聴くと奥行きというか、前後感があります!

楽器に関しても、ドラムやベースのどぅんどぅん来る感じが耳だけじゃなくて、この辺(胸のあたり)まで来るような感じがして。

 

普通は音源で聴くのとライブで聴くのと、って全然違う楽しみ方の違いになるはずなんですけど、これは目の前で演奏されているわけじゃないのに、胸の辺りが振動しているような錯覚をしちゃう。それくらいリアルです(笑)。

 

 

【大先生】

素晴らしいレビューですね。

 

 

【Sさん】

非の打ち所が無いコメントです。

 

 

【安野さん】

えー!(笑)

 

 

【大先生】

このハイレゾ音源という物自体が、CD音源より凄く質が高いものになります。

なので、マスタリング前からの劣化が比較的少なく、録った時の感覚に近い感じで聴けるんじゃないかと思います。

 

 

【安野さん】

なるほど……!

あと、さっき私『前後感』って言ったと思うんですけど。

 

 

【大先生】

はい。

 

 

【安野さん】

目の前でライブが行われているとして、どのへんにどのポジションが立っているのかが聴いてわかるんですよ。

ステージの上でボーカルが一番前にいるのが分かって、ドラムが一番後ろにいるのはわかるんですけど、例えばギターがボーカルの何歩後ろの辺りで引いているのかとか、妄想出来るくらい。

 

 

実際楽曲として、そういうバランスって作家さんが最終的に調整してCDに音を作られるじゃないですか。

それが『ギターをこの辺に立たせてる!』『ベースはこの辺に立たせてる!』って、凄くダイレクトに聴こえてくるレベルでわかります。

CDって、正直そのレベルでは聴こえなかったりして、ある程度は二次元化されてしまうんだと思うんですけど。

生演奏が三次元だとしたら、ハイレゾはもう2.5次元って感じですね!

 

 

【大先生】

そうですね。

もちろん、プレイヤーやイヤホンの性能の高さもあるんですけど、ハイレゾ音源って凄く細かく、小さい音まで再生出来るんです。だから、本当に細かな音の反響の余韻であったりとか、そういった差とかでかなり立体感が見えてくるところは多いので。それもまた、ハイレゾ音源の魅力のひとつじゃないかなと思います。

 

 

【安野さん】

すごーい。なんか私、今、凄く感謝したくなりました!

マスタリングって数回しか聴けなかったりするから、じっくり聴き込めないじゃないですか。

でもそのままの音源、そのままの環境を家に持ち帰ることも出来ないから(笑)。

だから、これがあったら『ああ、h-wonderさん(『I remember』の作詞・作曲者)はこんな深いものをこんな緻密な計算で作っていたんだ』というのを今再び出会えた感じで。

『ありがとうございます!』って握手しにいきたいような気持ちです(笑)。凄く『作家さんを感じられる』って思います!

 

 

【大先生】

作家さんとしても、ハイレゾ音源をリリースすることで自分の意図をより表現出来る、ということを仰る方もいらっしゃいますね。

 

 

【安野さん】

やっぱり! 本当にそうだと思います。

……あの、もう一曲くらい聴いてみてもいいですか?

 

 

【大先生】

もちろんです。

 

 

【安野さん】

じゃあ『さよならソレイユ』を。

 

 

……おお、すごい……。

 

 

【大先生】

良い反応だなあ。

 

 

【安野さん】

カスタネットの聴こえ方が違う!

 

 

【大先生】

カスタネット!

 

 

【安野さん】

カスタネットって音が潰れやすいっていうか、安っぽい、可愛い音に聴こえがちなんですけど。

これで聴くカスタネットはちゃんと物(ぶつ)です。カスタネットの木の感じとか、良さがちゃんと伝わってきて。

太い……分厚いですね、このカスタネット(笑)。

 

 

【大先生】

(笑)。

AK70は音のキレや粒立ちが良いので、パーカッションが綺麗に聴こえると思います。

 

 

【安野さん】

よし。じゃあ、『ちいさなひとつぶ』も……あっ、すごい。

弦が……弦が前にいる! はあ……なるほどぉ……。

 

 

【大先生】

いかがでしょうか。

 

 

【安野さん】

なんか、私の歌声ってちょっと複雑で。結構響きのレンジが広いんですよ。

 

高い音を出した時も常に低めの成分が出ている感じで。

でも、そういった部分ってカット出来ちゃうものじゃないですか。だからCDになったものを聴くと、全然違う人の声に聴こえたりしていて。それはひとつの作品になっている、ということで良いんですけど。

 

それでも一番地声で出しやすいところで出そうとすると、やっぱり低い成分が根底にずっといるんですよね。録ってる時とか、録ってすぐ聴いた時はもっと太く聴こえたり。それが必ずしもいいとは限らないから、CDになった時点でカットされたりして、『こういうことになったんだな』と思ってたんです。

 

 

でも、ハイレゾで聴くと低めの成分がハッキリ聴こえてきて。自分の歌声が(CDの状態よりも)すごく厚く聴こえるんです。上の方が凄く綺麗なのに、下の方も捨てていないというか。ちゃんと私の歌声の薄く厚いこの状態のまま、ドン! とこの状態にあるような感じがして。

 

それって両立不可能だと思ってたんですよ、大抵の場合は。低音を取ろうとするとどうしても細い歌声に聴こえちゃうので、ちょっとボーカルのボリュームを上げ目にしてもらったり、っていうのが行われるんです。低音の成分をカットする代わりに、ちょっと大きくしとこうみたいな。

だから、それはしょうがないことだな、と思っていたから。今ここにその状態があるのがびっくり。

 

 

(引き続き試聴に戻る安野さん)

あ、『悲劇なんて大キライ』がきました!

わあ。……なるほど。

オケの演奏も凄く立体的に伝わってくるから、歌った本人としては今すごく、インスト版を配信して欲しいっていう気持ちです。インストをくれ! ハイレゾでインストだけを出してくれ! って(笑)。

 

 

【大先生】

その『AK70』自体も、パッと見コンパクトな機種なんですけど、音の厚みであったり、テンポの良さ迫力みたいなものを凄く良く表現してくれるプレイヤーなので、そういったロックっぽいテイストのある楽曲とかには特に相性がいいんじゃないかなと思います。

 

 

【安野さん】

そうなんですねえ……。

あっ、あとちょっとだけ! 『ねぇ、話をしよう』を(AK70で)聴いてもいいですか!?

質感だけ確認させて下さい。

 

 

【大先生】

あ、どうぞどうぞ。

 

 

【安野さん】

……ふわあああ!!

 

 

【大先生】

!?

 

 

【安野さん】

すごいですねえ!

いや、ちょっと自分が恥ずかしくなるくらい目の前に(自分が)いますね。

 

 

歌い方もやっぱり、そういう風に作った曲だっていうのもあるんですけど、質感が凄い! さわれそう!

 

 

【大先生】

ありがとうございます。

そんなAK70ですが、今回ご用意したプレイヤーの中でも一番価格が低いものになります。

 

 

【安野さん】

なんだってー!?(笑)

こんなに堪能して聴かせてもらったのに……!!

 

 

【大先生】

この『AK70』がe☆イヤホンのストアで49,980円になるんですけども。

 

 

【安野さん】

49,980円。はい。

 

 

【大先生】

この値段が倍くらいになるのが次のプレイヤーです。

 

 

【安野さん】

えー!!

 

 

【Sさん】

99,981円です。

 

 

【安野さん】

……ほぼ10万円ですねえ。

 

 

【大先生】

ほぼ10万円です。

 

 

 


 

【Sさん】

というわけで、続いて聴いて頂くのがこちらの『KANN』というプレイヤーです。

 

 

 

【安野さん】

不思議な形ですね! えー、何から聴こう。

じゃあ、直前に聴いてた『ねぇ、話をしよう』から!

 

 

……すごいな! ええー? うーん。

 

驚いたのは、自分がレコーディングしている時の耳中に近いですね。今歌ってます、っていう時の状態と近い。

さっき言った『どれくらい拾うか』というところになってくる私の低音成分なんですけど、そっち(AK70)で聴いた時よりこっちのほうが低い音出てます。

より歌声の層の広さっていうのが厚いまま来ているふうに聴こえて、凄いな、って。

 

私、『ねぇ、話をしよう』とかを歌っている時も自分で思ったし、たまに人からも言われるんですけど、(声に)ややハスキーな成分があるんですよね。

でも、CD状態になった時にあんまりそのハスキーさが全然目立ってこなくって。『なんか綺麗にして貰えたんだ』みたいに思ってたんですよ(笑)。ハスキー成分薄まってるなー、って。

マスタリングの過程とかで変えちゃったもんかと思っていたんですけど、ここにはちゃんとハスキー成分がいました(笑)。

 

ちょっと息が漏れるような感じとかの部分。僅かだから、聴こうと思わないとわからないような部分なんですけど、これで聴くと分かります。

凄く私の地の声の成分を余すこと無く乗せて頂いてるな、拾って頂いてるなっていうふうに聴こえました。

 

 

【大先生】

この『KANN』っていうプレイヤーなんですが、AK70と比べても中に入っているアンプが凄くパワーアップしていて。

もちろん他の部分も性能は上がっているんですけど、それによって低域もそうですし、余裕のある、幅のある表現が出来るんじゃないかと思います。

 

 

【安野さん】

今『ねえ、話をしよう』を聴いたのは、ボーカルが凄く聴こえてくる曲だからなんですけど。

ボーカル以外はほぼ打ち込みの曲なので、他の生演奏の曲も聴いてみてもいいでしょうか。

 

 

【大先生】

どうぞ!

 

 

【安野さん】

じゃあ、どうしようかな……。よし、『涙。』にしよう。

 

 

……どうしよう。凄い……うん。もう、なんて言ったらいいのか……。

CDでは聴こえてこないレベルの細やかなニュアンスまで聴こえてきますね。

 

 

【大先生】

それもやっぱり、ハイレゾの良さですね。

 

 

【安野さん】

なんか本当に歌声が、なんなら(CD音源とハイレゾ音源で)違う人が歌っているように聴こえるレベルで違って。

CDとハイレゾは、全く別物ですね。

 

 

【大先生】

もちろん、CDならではの良いところもあるんです。

ミックスの違いだったりとか。そういう部分である意味『別の魅力』があるんじゃないかと思います。

 

 

【安野さん】

そうですね! 『別の魅力』です。

 

 

ちょっと音が良いとかそのレベルじゃなくて、なんだろう……。例えばアニメでいうと、昔ながらの手書きを活かした描き方をしているのが好きか、最近のロボットアニメみたいな3Dの画が好きか、好みが別れるじゃないですか。

どっちも良いものだけど、それくらい『別物』という違い。もう大きな嗜好のレベルで違います。『どっちも好き』も全然あると思う。

 

 

【大先生】

『差』というかは本当に『違い』という感じだと思うので、実際にご自身の曲で聴いて頂いたからこそ、分かりやすかったんじゃないかと思います。

 

 

【安野さん】

そうですね。

わかりやすく聴けたし、細やかなところまで本当に凄くよく拾っているから、CD音源ではわからなかった『ここちょっと忘れてんじゃない?』みたいな、自分にダメ出しをしたくなるレベルで(笑)。

本当に目の前で歌っているくらいの生っぽさですね。歌ってたときのこと、思い出します。

 

 

【大先生】

それでも、です。まだ用意した機種の中では……。

 

 

【安野さん】

え、嘘! まさか……。

 

 

【大先生】

真ん中の機種なんです。

 

 

 

【安野さん】

いや、嘘でしょー!?(笑)えー!?

 

 

【大先生】

まだ上がありますので。

 

 

【Sさん】

例の、素材の差を感じられる2機種です。

 

 

【大先生】

本命でございます。

 

 

【安野さん】

だって、これがもう10万円ですよね!?

これでミドルグレードってどういうことなんですか……!?

 

 

【大先生】

上には上があるということをぜひ、体感して頂ければと(笑)。

 

 

【安野さん】

いやー、ちょっと、どういうことかなあ……。

 

 

 


 

【大先生】

というわけで、改めましてこちらの2機種です。

 

 

 

【安野さん】

こちらはいったい……。

 

 

【大先生】

おいくらだと思いますか?

 

 

【安野さん】

倍々ゲームで来てるので……。倍々、の倍?

まさか……20万、ってことですか……?

 

 

【大先生】

45万円です。

 

 

【安野さん】

え?

 

 

【大先生】

今、e☆イヤホンの価格で45万円です。

 

 

 

【安野さん】

…………。

 

 

【大先生】

言葉を失ってしまった……。

ちなみにさっきも言った通り、2機種とも同じ値段です。45万4980円

 

 

【安野さん】

……45万……。

 

 

【大先生】

はい。

 

 

【安野さん】

……なんか、80……80型くらいのテレビ……。

凄いおっきいやつ……買えますよね……?

 

 

【大先生】

比較対象がいっぱい出てきますよね(笑)。

 

 

【Sさん】

現在のポータブルオーディオプレイヤーでは最高峰のものです。

 

 

【大先生】

群を抜いて最高峰ですね。一番高いものだと思います。

 

 

【安野さん】

どうしよう……私なんかの耳でレビューしてよいのでしょうか……。

 

 

【大先生】

もちろんです! というか、ぜひ、お願いします!

では、まずはこちらの銅を使った『SP1000 Copper』の方で。

 

 

 

【安野さん】

はい! ……って、重いっ!!

 

想像を超えた重さのDAPに困惑する安野さん

 

 

【大先生】

そうです……。実はそれ、重いんです。

 

 

【安野さん】

これ……これは、なかなか無い重さですね。

 

 

【大先生】

ですよね……。

銅を削り出しで作っているので、めちゃめちゃ重いんです。

 

 

【安野さん】

日本酒とか入れて呑んだら美味しそうな容器になりそうですね。

 

 

【一同】

(笑)

 

 

【安野さん】

じゃあ、気を取り直して……。『悲劇なんて大キライ』を聴きます。

 

 

これはっ……!! ……うーん、なるほど。

 

ちょっとじゃあ、『I remember』に戻ろう。

……えー……。……はいはいはい! はいはいはいはいはい。

 

 

 

 

【大先生】

(めちゃめちゃ納得してる……)

 

 

【安野さん】

ふう。えっとですね……。

 

 

【大先生】

あ、ごめんなさい。

せっかくなので、忘れる前にもう1種類のプレイヤーも試聴してみてください。

 

 

【安野さん】

あ、なるほど! それでは……。

 

 

……って、こっちも重いっ! え!?

 

 

【大先生】

こちらはステンレス・スティールです。

 

 

【安野さん】

あー……!!

 

 

でも、どうだろう。銅の方が重い、ですかね?

 

 

【Sさん】

はい。ちょっと重いです。

 

 

【安野さん】

そうですよね! うーん、コレも凄くピカピカしています!

 

では、改めて……。

 

 

……おぉ……。

 

 

【大先生】

いかがですか?

 

 

【安野さん】

この2つでも全然違いますねえ……。

 

 

共通して思ったのは、楽器を聴くならこれ(SP1000)だな、って思いましたね。

さっきは自分の歌にフォーカスしていっぱいお話させて頂いたんですけど、

これを聴くと、奥にいるはずの楽器が凄く『しゅーん!』って前に出てきて聴こえるというか。

奥にいるままで、滑り込んでくるんですよ。それぞれの個性を凄く際立たせて。

だからなんか、うん……。やっぱり、オケ、聴きたい。こっちで。

 

 

【大先生】

(笑)

 

 

【安野さん】

なんというか、いい意味で再構築してるな、って思いますね。楽器とか、そういうバランス感覚みたいなものを。

iPhoneとかで聴くのとは違うし、CD音源を聴くのとも違うし。それ(AK70)やこれ(KANN)とも違うんですけど。

現実のものをめちゃめちゃ美しく、SP1000の解釈で再構築した、という世界観を覚えました。

 

 

【大先生】

その2つ(SSとCP)は非常に高級な機種ながらキャラクターがキッパリと分かれていて、対極と言ってもいいと思います。

安野さんはどのように感じましたか?

 

 

【安野さん】

SP1000 CPは、輪郭とか、存在感がはっきりした味付けになっていると思いました。

 

 

元々こういう音の感じが好きなので。『どっちが好み?』と訊かれたらこっち(SP1000 CP)って応えると思います。

 

 

【大先生】

おお!

 

 

【安野さん】

SP1000 SSの方は逆にそういう味付けをせずに、

もう『元はこうだったんだよ』みたいなのをそのままの良い状態で聴かせてもらっている、という感じ。

あー、でも私、どっちが好きかってハッキリ言えないかも。耳の好みが大人になってきてるので、SSも好きですね。過剰じゃない素直な良さが伝わってきて。

 

 

【大先生】

確かにSSは比較的素直というか、音源をそのまま描いている感じはありますよね。

 

……さて、そんなわけでどちらかというと『CP』の方がお好きだという安野さんですが、

このSP1000の上のところ、イヤホンを差し込む穴が2つあるのがわかりますか?

 

 

 

【安野さん】

あ、ほんとだ。ありますね。

 

 

【Sさん】

ちょっと大きい方が、先程聴いて頂いた通常のイヤホンジャック。

そしてそれは、”本領発揮の状態じゃない”んです。

 

 

【大先生】

その通り。まだこのプレイヤーは、本来の力を発揮していないんです。

そのためのイヤホンも用意したので、よかったら聴いてみて下さい。

 

 

【安野さん】

えー!??

 

 

わ、私……嵌められたんですか……!?

 

 

【一同】

(笑)

 

 

【大先生】

その本領発揮をすることが出来るのが、この『バランス接続端子』というものなんです。

 

バランス接続用端子。Astell&Kernのプレイヤーは2.5mm径のプラグが採用されている

 

技術的なことをいうとちょっと難しい話になっちゃうんですけど、

左右の音の分離感が増して、さらに細かい鳴らし方になります。よりクリアに響くようになるわけですね。

 

 

【安野さん】

ここからさらに……!?

 

 

【大先生】

ちなみにこっち(AK70、KANN)にもついてます。

 

 

 

【安野さん】

あ、ほんとだ。

 

 

【Sさん】

ただ、AK70やKANNとSP1000じゃ、バランス接続のための内部構造が全然違うんです。SP1000は、そのバランス接続用の回路がよりスゴくなってるんです。

 

 

【安野さん】

はああ……! 大丈夫かなあ、わかるかな!?

 

 

【大先生】

ぜひ、さっきと同じ楽曲で聴いてみて下さい。

 

 

【安野さん】

……はい!

じゃあ……『悲劇なんて大キライ』を聴きます。

 

 

……ええっ!?(笑) すごい……すごいなこれ……。

完璧、ですね。

 

 

【大先生】

完璧頂きました。

 

 

【安野さん】

さっきのその子(KANN)で聴いた時は、『歌っている時の耳中みたい』って思ったんですけど、

これ(SP1000 CPのバランス接続)は、『これ以上良い音質で聴ける環境は無いからね!』ってエンジニアさんに言われた時のマスタリングの音源を聴かせてもらった時の音質とほぼ同じレベルだと思います。

 

 

【大先生】

おお!

 

 

【安野さん】

これで聴くと、自分のボーカルが全然うるさくないんです。

バランスが整ったというか。より楽器を聴きたかったら、絶対これで聴きたい。

 

 

なんか、狭い部屋でやってると、入り混じっちゃってどれ聴けば良いのかわかんない、みたいな感じになると思うんですけど、CDよりも何よりも、これが一番『広い部屋でやってる』って感じます。広い部屋で、各々の個性を、思う存分ぶつけあってて。

なのに、どれを聴いたらいいのかわかんない、ってならない。それぞれが自由にやっているのを、こっちも自由に聴ける、みたいな。聴く人の選択の幅ももちろん与えられてるし、演奏している各々がベストプレイを尽くしているのに、喧嘩しているように感じないんです。

 

もうコレに足りないものなんて、広い部屋でスピーカーで聴くとか、そういう違いじゃないですかね……?

逆にイヤホンでこれが聴けるのが凄いし、ヘッドホンで聴いてももっと凄いだろうし。これで更に良いスピーカーまで揃えて聴かせてもらったら、もうマスタリングルームを超えちゃうかもしれない、っていうくらい。

 

 

【大先生】

ありがとうございます。

本当に、今お出し出来る最強クラスのサウンドじゃないかなと思いますので、そう言って頂けて何よりです。

 

 

【安野さん】

ほんとに最強の環境って感じですね。すごい……。

 

 

【大先生】

さて、こんな感じで一通り聴いて頂いたんですけども。

実際に今回ハイレゾでご試聴になってみて、アルバムの中で『この曲が特に良かった!』という曲はありますか?

 

 

【安野さん】

そうですねえ、色んなプレイヤーで色んな曲を聴いちゃったからちょっとアレなんですけど(笑)。

オケがガチャガチャしている中で聴きたいものを聴けるし、それで成立していて奥行きも広くなった、っていうのでいうと『悲劇』かな。

悲劇なんて大キライ』が一番です。

 

 

【大先生】

ありがとうございます!

 

 

【安野さん】

いやー、皆さんにも聴いてほしいなあ! 特にこの環境(SP1000 CP)で聴いて欲しい。もう、痺れましたもん。ほんとに。

ある種、『聴かない』って選択した音をシャットアウト出来るんですよ。だからさっきはギターを聴いてました。ボーカルがうるさくてギターが聴こえない、みたいな現象が起きないんです。

 

 

 

【大先生】

音が埋もれない、ということですね。

 

 

【安野さん】

そう! 埋もれないんですよ! だからすごい!

なんならもう、自分の歌なんか聴いてなかったですよ!(笑)

 

 

【大先生】

いやいや(笑)。

 

 

【安野さん】

『これを聴きたい』が、ちゃんと聴こえてくるレベルで、凄い一個一個を再現しているというのが伝わってきたので。

凄いぞコレは。こんなうるさい曲なのに(笑)。

 

 

【大先生】

ありがとうございます。

この記事をご覧の皆さんも聴いて下さるんじゃないかと思います(笑)。

 

 

【安野さん】

いやもう、聴いてくれ! 頼む! 凄い!

私が聴きたかった『悲劇なんて大キライ』がここにある!

 

SP1000 CP+AK T8iE MkIIによる『悲劇なんて大キライ』を大変気に入って頂けました。

 

 

 

【大先生】

では、最後にこの記事をご覧の方にメッセージをお願いします。

 

 

【安野さん】

今まで自分なりにある程度の好き嫌いは持って音楽を聴いてきたし、関わってきたし。手の届く範囲ですけども、色んなイヤホンを試して聴かせて頂いてきた中で、一番凄かったです。

マスタリングルームの音質に匹敵するものが皆さんのお手元で聴ける形で配信がされているというのが驚愕でしたし、その器のプレイヤーが違うだけでも、こんなに聴こえ方が違うんだ! ということにすごく感動してしまいました。

 

あの、簡単には買えない代物かもしれないですけど。

e☆イヤホンさんでもこの音楽プレイヤーのサンプルが置いてあるそうなので、よければ人生経験としてぜひ聴きに行ってほしいです。いっぺん聴いてみて下さい! 素晴らしいです。

 

 

【大先生 / Sさん

ありがとうございました。

 

 

【安野さん】

ありがとうございました!

……いやあ、でも、一回聴いたら欲しくなっちゃいますよ、これっ!!

 

 

【一同】

(笑)

 

 

 


 

安野さんに大変気に入って頂けた『AK T8iE MkII』に関しては、Sさんのご厚意によりお持ち帰り頂きました。

 

 

記事中にもあった通り、各プレイヤーのポテンシャルを高いレベルで引き出してくれるイヤホンです。

e☆イヤホン各店にて実機の展示もございますので、

安野さんも感動したサウンドをぜひ、皆様もご体感下さい。

 

 

 


 

今回の記事で安野さんご本人が試聴されていた1stミニアルバム『涙。』は、各ハイレゾ配信サイトで好評発売中です!

 

 

他、各ハイレゾ配信サイトで好評発売中

 

 

 


 

そしてなんと、今回は読者プレゼントもご用意頂けました!

 

安野希世乃さんサイン入り AK70 Oriental Red

こ、これはー!!

 

AK70の中でも限定カラーとなる、Oriental Red(&ブラウンのレザーケース)。

今回は本体レザーケースにそれぞれサインをして頂きました!

 

 

これはまさしく、世界に一台

安野さんファンならなんとしても手に入れたい一品ですね!

応募方法は下記の通りとなります。

 

 

<応募方法>

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抽選で当選された1名様にDMにて当選通知させていただきます。

※プレゼントの発送先は国内に限らせていただきます。

 

募集締め切り:2017年10月20日

当選発表/発送:2017年11月上旬予定

 

沢山のご応募、お待ちしております!

 

 

 


 

また、今回の記事公開を記念した特別セットもご用意させて頂きました。

記事中に登場したDAPとイヤホン『AK T8iE MkII』の数量限定のセットです。

 

 

どちらも大変お求めやすくなっておりますので、この機会に是非ご検討下さいね。

 

 

 


 

お相手は大先生ことクドウでした。それではまた次回。


 

※記事中の商品価格・情報は掲載当時の物です。